創作キャラの出身地の話

不知火白夜
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 創作キャラに関する思想思考深堀回。はーじまーるよー

 ということで、日にちがかなり空きましたが、久しぶりに創作キャラの話です。

 今回はキャラクターの出身地の話です。

 自創作では、色んな出身地のキャラがいます。現代が舞台でも、ファンタジーが舞台でも、結構色んな国のキャラがいて、同じ国のキャラでも地域が異なることもあります。

 その中でも自創作小説Fergusシリーズで多いのが、出身地と在住地が異なるキャラ。例えば、リメイク前Fergusでは普通に登場していたリドル・ローレンスという少年は、出身地はエマリオン合衆国(アメリカ)のジョージア州出身で、在住地はブリタニア連邦王国(イギリス)です。

 他にも、ユリウス・ルートヴィヒという青年は、出身地はベルガーラント帝国(ドイツ)ですが、在住地はブリタニア連邦王国です。

(補足:Fergusシリーズの国名は現実にある国を元にしています。現実世界で該当する国の名前を1度記した後は括弧書きでの補足をつけません。少々難儀だからです。すみません)

 こんな感じで、出身地と在住地が違うキャラは割といるのですが、そういうのだけではない、もっとややこしいキャラがいます。

 なんというか、キャラが認識している○○人という状況と、出身地と、状況(?)と……色んなことが違うせいでとてもややこしくなってしまっている子がいるのです。今回は、そういう子達を深堀したい。

1人目:クラウス

 考察対象1人目はクラウス。フルネームはクラウス・ナヴァール・ルートヴィヒ(クラウス・N・ルートヴィヒ)。15歳の少年で、先述のユリウスの義弟です。

 ならばこの子はベルガーラント人なのか? というと、そういうことではありません。

 彼は、元々カナティア(カナダ)に住んでいましたが、1〜2歳頃に両親が離婚し、父親に引き取られました。(ついでに実のきょうだいと離れ離れになりました)その後父親と2人での生活をし、彼はブリタニアに移住します。仕事の都合ですかね。そこで父親が再婚したかは未定です。(多分、交際相手はいたかもしれませんが、再婚はしてないと思います)

 父親は必死に働き子供を育てますが、色々あって亡くなってしまいます。その際、父親は、ヴォルフガングという男性に、息子の面倒を見てほしいと頼みます。それが受け入れられた結果、その息子は「クラウス」という名前でルートヴィヒ家の養子になり、フルネームが前述の名前になりました。(ナヴァールは、元々の苗字です。ミドルネームとして残されました)

 ただ、その家は結構ややこしいとこになってました。ヴォルフガングという男性とその子供4人、ロミーという女性とその子供2人、その2人が子連れで再婚した家庭でした。子連れ再婚同士というただでさえ上手くいくか慎重にならなくてはいけない家に突如ぶちこまれた赤の他人。(しかもブリタニア人でもベルガーラント人でもない)ルートヴィヒ家も緊張したかもしれませんが、クラウスも緊張したと思うんですよね。ついでに、ずっと「異物感」を感じていると思います。

 そのため、クラウスは、カナティア生まれでベルガーラント人と共にブリタニアに住んでいる……ということになります。個人的には、言語とアイデンティティが心配です。設定したのは自分なのに。

 彼には、カナティアで過ごした記憶はないけど、実の父(カナティア人)との記憶ほあるから、カナティアにルーツがあることは受け入れられてると思うんですけど、カナティアでの記憶が無いなら、自分をカナティア人とは思ってないかもしれませんね。でも、ベルガーラント人の意識はないと思うので、多分、ブリタニア人に近い感覚があるんじゃないかなと思ってみたりします。ただブリタニア人だと言えるかというと、分かりません。

 ちなみに、クラウスは養父母のことを名前+さん……で呼んでいます。母親はともかく、父親は別にいますので。

2人目:和義

 考察対象2人目は和義。フルネームは岬和義(ミサキ カズヨシ)。28歳の男性です。

 彼はこんな名前ですが大和(日本)出身ではありません。ではどこの出身なのかというと、ルシアナ帝国(ロシア)です。

 彼は、幼少期や少年期の記憶がありません。ただ、己が覚えている限り一番古い記憶にて名乗っていた名前が「トリフォーン・ザハーロヴィチ・プロコフィエフ」という東欧人の名前であり、育ての父がヨシフという東欧人だったため、恐らくルシアナ人……少なくとも東欧人だったのだろうという認識をしています。(あと、絵で表現出来ていませんが、設定では東欧人っぽい顔つきをしています)

 ですが、本人が全く覚えておらず、そもそも東欧にいったことがないため、『自分が東欧人である』と言われても『は?』という感じ。俺だって、君は○○(名前しか知らん国)の人だったんだよ! と言われてもは? となるので。

 その結果、和義はルシアナ人という認識もなく、かといってブリタニア人(住んでいる国)でもないという違和感を抱えていました。

 ですが、ブリタニアに留学していた女性、透子(トウコ)と出会い、結婚し、名前を大和名に変えました。それにより、彼は自分を大和人だと認識しています。(別に結婚を機に……という訳ではなく、元々大和文化が好きで、大和に詳しかったのです。大和にはほぼ行ったことないのに何故か大和語も話せました)

 ただ、いくら本人が大和人と言っても、どう見ても白人なので、周りからは変なやつだなあと思われています。

 でも、本人が「自分はヨーロッパ出身なだけの大和人」と己のアイデンティティを確立させているので、クラウスよりは精神は安定しそうですね。周りがどう言おうと、本人が大和人と自し、大和人の名前を使い、大和人として振舞っているのだから何も問題はありません。はい。

3人目:タレク

 最後の考察はタレク。フルネームはタレク・ムハンマド・ザイードといいます。年齢は11歳で、ミスル(エジプト)出身です。

 彼はミスルで生まれましたが、1歳〜2歳頃に、10歳年上の兄・ラルビと共に悪党に拉致られ売り飛ばされてしまいます。(ここで言っときますが、彼の両親や兄弟姉妹はまともな人です両親兄弟姉妹は突然家族を失った被害者です)

 その後悪党からヨーロッパのとある実験施設に渡り、色んな実験を施され、ルシアナ軍に連れてこられ、所謂少年兵になりました。ラルビは弟を守ろうと必死になり、自分に出来ることはなんでもこなしました。タレクは、兄が自分を守るために危険なことをたくさんしているのは知っていて、それを申し訳なく思っています。

 そんな彼は、恐らく、自分をミスル人ではなくルシアナ人と認識しているんじゃなかろうかと思います。彼は、物心つく前に故郷を離れ、アラビア語を覚える前にルシアナの言葉を覚えました。そのため、「何故かアラビア系の名前で褐色肌をしているだけのルシアナ人」という認識なんじゃないかなと。だって、ミスルの文化をしっかり覚える前に別の国の言語と文化を叩き込まれましたから。ただ、ラルビとタレクが何歳でルシアナに来たかなんだが……拉致から2~3年くらいかな、と。それならタレクはまだ小学校低学年くらいの頃なので、言葉を覚えるには何とかなるんではないかなと。まぁ、それまでは、何語で話していた、やり取りをしていたのかが疑問になるんですが…………こう、ヨーロッパのある実験施設の大元の組織を考えると、ルシアナ語は何かしらの形で触れていたんじゃないかなと。

 そう思うと、タレクは空っぽの所にルシアナ語の言葉をゆっくり注ぎ込んでじわじわベースを作っていったけど、ラルビはアラビア語のベースが出来ている中でルシアナ語を覚えなきゃいけなかったのかなと。外国語学習、相当苦労したと思います。

 あ、ついでにタレクは宗教は東欧の宗教が染み付いてると思いますね。ラルビは……どうなんだろう。拉致から10年くらい経ってるので、向こうの宗教に染まっていてもおかしくないかなと。

 こんな感じで、自創作には出身地と本人の感覚と諸々が違う子がいるけど、本人の中で確定していたら多分大丈夫なんだろうなと思う。

 そう思うと、精神的に一番不安で心配なのは、クラウスなのかもしれないね。