コロナ日記

marron
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公開:2025/12/1

コロナ禍以降ずっとそのウイルスから逃げ仰せていたのですが、ここにきてついに罹患しました。急性期から体調が刻々と変化し、これまでの人生では覚えのない症状・感覚も多かったので、ここに備忘録を残します。

罹患時の新型コロナウイルス感染症発生状況

初めて自覚症状を覚えたのは2025年11月25日です。同居家族がその3日ほど前にコロナ陽性になっていたので、感染経路はそこからと見て間違いないでしょう。その同居家族は接客業をしているので、おそらく仕事中に貰ったのだと思います。現在、同居家族の勤務先では業務中のマスク装着は必須ではなく、本人も外して接客していたようです(それはないよー!)。

自身が感染した直近数週間の定点報告数を追ってみると、自分が住んでいる地域のみならず大局的にもコロナは減少傾向でした〔参照:定点当たり報告数の推移(2023年第19週以降)〕。むしろインフルエンザが著しく感染者数を伸ばしています。コロナとインフルエンザの同時感染なんて話も聞きますし、コロナ単独の感染で済んだのは不幸中の幸いだったかもしれません。

次に、変異株の種類について。国立感染症研究所がこちらのページで公開している新型コロナウイルスの系統別検出状況によると、ニンバス株(NB.1.8.1)とその子孫株であるPQ.2等が、私が感染した時点での主流。

「剃刀を飲み込むような」喉の痛みが特徴であり、その他にも、発熱、咳、倦怠感、味覚・嗅覚障害、下痢といった症状〔新たなオミクロン派生株NB.1.8.1;剃刀を飲み込むような喉の痛み

ニンバス株の症状は上記が挙げられるとのことで、私が感染したのがニンバス株なのかその亜種なのかはわかりませんが、「当てはまるものもあれば、当てはまらないものもあるなあ」という心持ちです。病気なんて個人差があるのが当たり前なので、それはそう。

各症状の経過

先に引用した症状の中で、私が実感したのは下記の通り。

  • 「剃刀を飲み込むような」喉の痛み:△

  • 発熱:○

  • 咳:○

  • 倦怠感:×

  • 味覚・嗅覚障害:○

  • 下痢:×

その他に現れた症状は下記の通り。

  • 鼻水

  • 頭痛

  • 便秘

  • 関節痛・リンパ節痛

  • 筋肉痛

自分で記録していた発現順に基づいて整理すると次のとおり。

体温の動きは自分で計測した限りだとざっくり次のとおり。

Apple Watchで記録していた、自覚症状を認めてから熱が下がるまでの6日間のバイタルは次のとおり。

測定値は左のハートマークから順に心拍数、呼吸数、手首皮膚温、血中酸素ウェルネス、睡眠の長さ。あくまでApple Watchが捉えたものなので正確性はさておき、普段「異常値」を吐き出されることはなかったので、それなりの動作はしているのだと実感。

また、Blueskyで投稿していたリアルタイム投稿を見返すと、発熱2日目が最も気弱になっていた感があります。

ものの30分程度の間に感情がアップダウンしています。ごはんを美味しく食べられないことで動揺していたのもあるだろうし、そもそも上記で載せた体調の記録をおしなべて振り返ると、最も体に負担がかかっていたのがこの日だったことも察せられます。

痛みの移動

発熱2日目から始まった各所の痛みが、これまでに経験したことのない不気味さを伴っていたので、その未知の感覚も不安感を煽られる原因だったように思います。

私が経験した痛みの中で、頭痛はおもに前頭部が拍動するような痛み。関節痛・リンパ節痛は、針でチクチクと刺されるような刺激痛。筋肉痛はいわゆる運動後のような筋肉痛。咳き込んで腹筋が痛くなったのは摂理として理解できますが、とくに使っていない部位までもが筋肉痛になりました。

これらの痛みが同時に襲ってくるのではなく、明滅するクリスマスツリーの電飾のように、場所を転々と変えながら痛むのです。例えば、10分前までは頭が痛かったのに、いまやそれは消え去り脇の下のリンパ節がチクチク痛い。かと思えば脇の下の痛みが移動して、今度は股関節が痛い等。一箇所が痛くなると、他の場所の痛みは消えます。

いずれも強烈な痛みではないので十分耐えられるのですが、体の中を痛みのボートが泳ぎながら移動して、「次はここ」「次はここ」と無作為に侵略してくるような感覚がありました。たまに心臓や頭、首の後ろなども痛むので、「放っておくと急所にまで入り込まれてしまうのではないか、いやすでに手遅れなのか?」という怖さもありました。まるで和製ホラー。

あって良かったもの

トローチ

トローチがあったことでだいぶ喉の痛みが軽減された気がします。私が罹患したのがニンバス株なのかそうではないのかはわかりませんが、喉の痛みが強く出るというニンバス株の症状を真正面から受け止めていたら、水や食事を摂ることができず、体力を激しく消耗してしまったかもしれません。喉の痛みが強かったのは確かです。それでも、きちんと3食食べて水で薬を飲める程度であったので、本当に良かったです。

元々トローチを常備していたので喉の痛みが出てからすぐに舐めるようにしましたし、病院で診察を受けた際には、お医者さんから「これプレゼントするから、今すぐに舐めて。楽になるから」とmeijiのSPトローチをもらいました。効くんだと思います。

蒸しパン・果物

喉が痛い時に手軽に食べやすかったのが蒸しパンです。中でも北海道チーズ蒸しケーキ的なシュワシュワするタイプの柔らかい蒸しパン。頓服薬を飲む前に何かお腹に入れなければならない場合に、袋を開けるだけで簡単に食べられて、しかも喉の痛みに障らない蒸しパンがとても良かったです。

あと、これは私だけかもしれませんが、味覚障害の時に塩気が感じられなくなったため、甘味に特化した果物がとても美味しく感じました。水分も取れますし。ミカンやリンゴがおいしく感じましたが、喉の痛みが強い人はミカンは食べにくいかもしれないです。

加湿器用の水

私は家族と同居しているので、他の家族にうつさないよう、基本的に自室と決められたトイレとを往復するだけの生活を送っていました。トイレから出るときは、必ず備え付けの消毒液で、触ったところを全て清めてから出てきていました。食べ物は使い捨てのトレイで自室の前に床置きでサーブしてもらい、洗濯物は私が口が絞れるビニール袋に突っ込んで封をして自室の外に置いておく、というような形で、極力私がものに触れることや家族本人との接触を減らすよう心がけていました(家族の協力なしではできないことです、本当にありがたい)。

そのような中で困ったのが、加湿器の給水です。洗面所に給水ボトルを持って行って水道水を汲めばいいのですが、必要以上に掃除や換気する箇所を増やしたくない。そこで使えたのが、震災用に常備していた古い2リットルのペットボトルのお水です。飲み水としてストックし、古くなったものは洗い物などのために保管する運用をしていたのですが、それを今回家族に持ってきてもらい、加湿器用の給水に使いました。コロナは咳が強く出てきますし、空気が乾燥していると体感三割り増しで辛いです。

処方された薬

  • 毎食前: 葛根湯

  • 毎食後: トラネキサム酸錠、アンブロキソール塩酸塩錠

  • 頓服: カロナール錠(頭痛、発熱、咽頭痛、間をあけて1日3回まで)、メジコン錠(咳、間をあけて1日3回まで)、ロラタジン錠(鼻水、1日1回まで)

上記に加えて、普段飲んでいる胃腸薬(3種)とチラーヂン。

その他

そもそも前提として、私はコロナ発祥の数日前からチラーヂンを飲み始めていました。

ここの時点で私は長期間倦怠感に悩まされていたので、コロナの症状でもし倦怠感が生じていたとしても、それを「コロナのせいだ」と気づけていない可能性があります。「倦怠感がある自分」が、ニュートラルな状態になってしまっているので(よくないことです)。そのくらい、今回倦怠感はなかったです。

また、今まで家族からウイルスをもらうという経験がなかったのですが、今回うっかりもらってしまった原因に、甲状腺の不調によりそもそも体が疲れていたということも挙げられるのかなと思いました。

日々健康を保つこと。よく食べよく休み、手洗い・うがい・マスクといった予防をしっかり行うこと! 結局これが一番大事です。

もしかしたら40.0℃に至ったことって人生で一回もなかったかもしれない。