氷柱はくさっと地面に刺さって扉が光を連れてきた。どうやら、お客様が来たようだ。ここは、霊峰フリュユイゼの奥深いとある切り開けた雪山にあるとある邸(やしき)邸の中は、ほんのり冷たくも温かくもある。客人が足音を立てて邸に入ると、疲れきったような深いため息を吐きながら、ここの主人に聞こえるように話しかけた。「いつものを。取りに来ました……。この雪山を登るのは一苦労でしたよ。あと、それから、20人ほど泊めてもらえますか。伝達は先に送りましたよね?」緑のコート