花をくしゃっと潰すように、世界を壊すことが出来たら
どんなに楽だろうか…
乾燥したポプリを手で潰しながら、瓶に詰めていたヨルムンガンドは
そう思っていた。
ガンガンッ!!ガンッ! ドンッ!!!
さっきからひっきりなしに
ドアや窓にぶつかっている音がしている。
もうそろそろ、この部屋も持たないだろう。
瓶に詰めたポプリは、初夏の匂いがする。
その事件が起きたのは冬に入る前だ
ギィ!!ガン!! バタッ!!ドタドタ!!
(あー 本当に騒がしい。)
恐らく7、8には囲まれている。もっとそれ以上かも知れない。
細長いナイフを手に持って。
もうすでにヒトではなくなった者たちを送るのは今回が初めてじゃない。
ポプリには、綺麗なハーブを詰め込んだんだ。
ガチャガチャ!!ギシッ!ギシッィ!!
バギィン!!
とうとう扉が耐えきれなくて、それらは唸り声と共に入ってきた。
瓶詰めにしたポプリを同時に投げてヨルムンガンドは、
心臓にナイフを刺し それらの命を手折った。