人に、勝手にあだ名をつける。
本人を面と向かってそのあだ名で呼ぶことはない。と言うより、かかわりのある人にあだ名はつけない。
なんだか毎日出くわすなあ、とか。この人よく見かけるなあ、という人に勝手にあだ名をつけて心の中で呼んでいる。
ちなみに、わたしの職場が入っているビルのコンビニでよく出くわす人に「野生の向井理」ってあだ名つけてる人がいる。
ちょっと似てるから。
多かれ少なかれみんなこういうことをしていると思っている。心の中で勝手に呼ぶ分にはいいと思っているし、その人と言葉を交わすこともないのだから、いいと思っている。
ところで、住んでいるマンションの、一階の住人に、たぶんおじさんと思われる人がいる。
たぶんと言うのは、姿を見たことがないからだ。
わたしは彼のことをウォルトおじさんと呼んでいる。
姿を見たことがないのに。
彼の部屋の前に、よくウォルトからの配達であるマックとかそういうものが置かれているので、勝手に呼んでいる。
なぜウォルトだと断定できるかと言うと、ウォルトの配達員って、「注文ありがとうございました」っていう怪盗キッドが華麗に盗みをはたらいたあとに残す「お宝はもらっていくよ」みたいな紙を残す人がいるんだよね。
実際には盗んでるんじゃなくて置いてってるんだけどね。ん? 怪盗キッドでそういう回なかったか? 盗まれたと思ったら増えてたみたいな回。
たぶん、置き配で食べ物だから、地面に商品の袋を直置きしない心配りかと思うんだけど。
帰宅の時間がまあだいたい決まっているんだけど(職場環境、驚きの白さ)、週に1回はウォルトの置き配に出くわす。
ってことは、たぶんもっと頼んでるんだよ。
1匹見たら30匹って言うし。
まあ実際住んでいるのがおじさんなのかおにいさんなのかは知らないんだけど、このあいだ遊びに来た人が、帰ってからわたしに「一階のオートロックすぐの部屋からおっさんの雄叫びが聞こえた」って連絡してきたから、たぶんおじさん。
スポーツ中継でも見てたんだと思う、とのことでした。
スポ生見て雄叫びを上げるのは、おじさんです。(アツアツの偏見)(オマエの弟も雄叫びを上げますよ!?)(つまり…)(この話はやめよう)
まあそういう具合にね、姿が見えなくても、行動がパターン化していると他人にこうやってマル秘のあだ名をつけられてしまうわけです。
きっとわたしも、誰かのネーミングセンスの餌食。