脳みそはめんどくさがり屋なうえ、自分を説得させるのがとても上手い。
ちょっとでも納得できそうな理由を見つけては、「脳のリソースを使う面倒なこと」から逃げるように仕向けてくる。
たとえば、今取り組んでいるサービスをヒットさせたいという目標があるとする。目標達成のためにやるべきことは、現時点の持ち駒から打つ手をひねり出し淡々と実行することだ。ヒットに至らない理由を推論し、可能性のある策を当たるまで片っ端から実行していくことだ。
しかし、このよく考えて実行するステップが脳のリソースを大量に消費するので、脳は逃げたがる。特にそのものごとへ取り組む期間が長くなり、ドーパミンが出る機会が減っていくと、脳はなおさら怠惰になる。
そして、それらしい言葉で自分を説得してくる。
「もう十分頑張ったよ」、「自分には向いてないんだ」、「結局運だよね」、「失敗したけど勉強になったよね」、「新しいアイデアはもっと可能性があるかも?」、「コネクティング ザ ドッツ…」といった具合だ。
しかし、成功確率を上げるうえで最も重要なのは、この脳のリソースを大量消費するとてもめんどくさいステップにある。脳に「つべこべ言わずに目標達成までの道のりを考えんかい!」と喝を入れて働かせ、ひねり出してきたアイデアを地道に実行してくのだ。
ちなみに、行動に移す気力はあるが考えるのがめんどくさいという場合の解決策として「あたかも他人に相談されたと仮定する」というものがある。
他人に「今やってる◯◯を成功させたいんですけど、どうしたらいいでしょう?」と相談されたと仮定し、それに対してドヤ顔で回答するのだ。
「逆にさぁ、◯◯に何が足りてないかって自分で分析できてる?え、分析できてない?まずそこ考えないと〜〜(笑)」
「俺だったらねぇ、まずは競合のうまくいってるサービス全部徹底的に調べるかな。で、うちに欠けてるものを特定する。そしたらユーザーが求めてるものって見えてくるじゃん?その部分で競合より圧倒的にいいもの作ってみ?そしたら結果はついてくるよ?」
「どうしたら認知してもらえると思う?逆に考えてみなよ。君は普段何見てるの?インスタとYouTube?そうだよね、じゃあ君はどういうのだったら見る?うんうん、じゃあそれを◯◯と絡めて…」
こんな具合である。