卒園式だった。3年間あっという間だった。
入園した直後の運動会では、参加している子たちの中でうちの子だけ親からほぼ離れられなかった。2年目の運動会でも唯一うちの子だけダンスの時間に体を動かさずじっと立っているだけだった。心配になる気持ちも頭をよぎったが、夫婦の間で笑い飛ばして、終わったら特に触れずに「おつかれさま」とぎゅっと抱きしめていたら、いつの間にかすくすくと育ち、大勢の前でも堂々と振るまえる子になっていた。
卒園式ではみんなと一緒に歌いながらダンスをして、1人ずつ順番にやるスピーチも堂々とこなしていた。式が終わった後「緊張した?」と聞いたら「しなかった」と即答してきた。
親の手から少しずつ離れていく娘を見ているのは嬉しい。最近は自転車に乗れるようになった。一緒に練習するぞーとパパは張り切っていたのに、あっさりと一人で乗りこなすようになった。友達が家に遊びに来たときにも、子どもたちだけで上手に遊べるようになった。
お風呂にも「ひとりで入る」と言う日もある。風呂場から聞こえてくるシャワーをひねる音、シャンプーを出す音、すべてが愛おしい。
今は楽になったという気持ちが大きいが、すぐに寂しく感じるくらいに手を離れていくのだろう。もうすぐ親より友達と遊んだ方が楽しいと気づくだろう。親を鬱陶しく感じる日も来るだろう。それでいい。人生はスナップショットの連続だ。小さくてかわいい娘と過ごした時間は破棄されることのないたしかなスナップショットとして残り続けるのだ。