越境するには線が引かれていないといけない

cba
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公開:2026/6/14

最近は特に「役割を超えて動いていこう!」みたいなのをよく耳にする。今起こっている変化を考えてもそれはそうだろうなと思う。だけど、組織からメンバーに対して「これからは、なんでもやって!」と丸投げしてるように見えると、それは違うよなと思っている。

それだと、何かがうまくいかないときに、個人のスキルのせいにしてしまいやすいのが嫌だ。あなたのスキルが足りないからだ、みたいになりやすい。そうじゃなくて、何かがうまくいかないなら原因は組織の仕組みのほうにあるから、そちらに目がいくようにしたい。

だから、越境してなんでもやってほしいと考えるなら、まずは線を引きたいなと思う。役割の線を。ここはジュニアエンジニアの領域、シニアエンジニアはここ、PdMはこういうことをやる役割、PjMがこれをやる、プロダクトリードはこれをやる。

そのうえで「あなたの軸足はここだけど、チームのために越境してこの領域までカバーしてくれているんだね」と本人にも周りからも見えるようにしたい。一歩外側に染み出しているから軸足の方が少し手薄になっているんだなって分かりやすいように。そうすると、他のメンバーも「ならそこは僕らがカバーしておこうかな」と動けたりする。

そういう線が引かれていないと、足りないことにばかり目がいきやすい。「うまくいくようになんでもやってって言われてるのにうまくいっていないのは、自分の(あなたの)スキルが足りないからだ!」みたいになる。

いやいや、こんなにいくつもの領域をやってくれてるんだから全体的に手薄になるのは当然でしょ、とか、軸足の部分は充分いい感じにやってくれていて、そこからさらに染み出してくれてる部分がなかなかうまくいかないのは、そりゃそうでしょ、むしろありがとう。みたいに、できていることが見えやすい仕組みがいい。

やりたいことは無限にあるけど、1人がカバーできる量は1人分なんだもの。だから、できている場所を見えるようにするために、線を引きたい。

書きながら思ったんだけど、EMなんかはもっと曖昧で「チームのために足りないことをなんでもやるんだ」という話をよく聞く。「なんでもやる」ためにはやっぱり、ひとつひとつのやること(=組織からの期待)の明文化が必要だよなぁと思う。そのうえで、自分は(あなたは)ここを軸足にして、この部分には染み出して、ここは苦手だから他の人にカバーしてもらう、というのがいい。カバーしてもらう部分があるのはマイナスではない。

という考えがあったうえで、エンジニア個人としての自分は、そういう線をいろいろと踏み越えて、仕事が前に進むようになんでもやっていくかぁという気持ちがある。

線が引かれているから、越境ができるんだよな。と、コーヒーをのみながら思った。