90年代~00年代前半辺りのアニメの雰囲気が好きだ。特に深夜アニメ。静かで、暗くて、どこかしっとりとした空気感があるのがいい。今のアニメの煌びやかな賑やかさも好きだけれど、あの雰囲気はあの時代にしか出せなかったんじゃないかと思う。
最近のアニメを見てからこの年代のアニメを見ると、ひどく静かに感じる。ドンパチやるようなアニメですらそう感じる。あまりBGMを流していないからだろうか。環境音すら入っていないのはよくあることだ。
あとは画面の明度も関係しているのかもしれない。何せセル画、そして過渡期のデジタル画は暗い。色も、少しぼんやりとしている。その暗さは、古い年代であればあるほど濃さを増す。一方、今のデジタル画は明るい。色もはっきりくっきりしている。夜のシーンであっても、まるで都会の街中に居るような「暗さ」だ。言わずもがな、自分は前者の明度が落ち着く。見慣れているからかもしれない。
そしておそらく、音質もあるのだろう。今のアニメの音はクリアに聞こえるが、あの時代のアニメの音はざらついていたりする。台詞なんかは加工していると、聞き取りにくい時がある。自分はあまり意識していなかったが、BGMの流行りなども影響しているのだろう。
今のアニメを見れば見るほど、あの頃の、90年代~00年代前半のアニメのような雰囲気は作れないのだと思い知らされる。悪いことではない。そもそも良し悪しで語る話でもない。ほんのちょっぴり寂しいだけだ。そしておそらく「それ」は、自分より前の世代の誰かが感じたことであり、後の世代の誰かが感じることなのだろう。
そんな、一抹の寂寥感を抱えつつ、この乱文を〆ることにする。令和のアニメもいいぞ。