子供の頃に大好きだったアニメ作品。大人になってからは時々見返そうかなと思いつつも「あれ?当時ほど面白く感じない…?」と困惑してしまうのが怖くて、ずっと見返せずにいた。そんな大事な作品を今、見返している。
結論から言えば、杞憂だった。当時ほどの熱も湧かなかったし、見えてなかったストーリーの荒さに気付いてしまったりもしたけれど、ちゃんと「面白いな」と思えた。自覚なく掛かっているであろう思い出補正のおかげなのか、嗜好が変わっていないからなのか、はたまた精神が成長していないからなのか。なにも分からないが、やはりいいな、と感じられたことに、今はそっと胸を撫で下ろしている。
自分の場合だが、作品への評価に関して、昔の情動というものはあてになるものであった。首を傾げた作品は、大人になってからでも首を傾げてしまったし、面白かったと思った作品は、当時ほどではなくとも面白く感じる。後者に関してはたまに、かつてより面白く感じることもある。それは重ねた年齢のおかげで視野が広がったから、かもしれない。今のところ、面白かった作品がつまらなかった作品になったことは、一度もないのだ。
それでもやはり怖かった。幼い頃、きゃあきゃあと楽しんで見ていた作品に、大きくなった自分ががっかりしてしまう。こんなに悲しいことはない。
願わくばこの先も、そんな悲しみを抱えることがありませんように。