冗談みたいに強い風が、窓をがたがた言わせている。ああよかった今日が在宅勤務で、と思っている。
しかし天気予報アプリは、いまこの場所のことを「やや強い風」と呼んでいる。だいたいいつもそうだ。こいつぁやべえ風だぜと思ってアプリを開くと、判で押したようにこのドカ風のことを「やや強い風」だと言い張っている。こいつのほうがよっぽども冗談を言っている。
ここで私は「そうか、これは『やや強い風』なんだ」と認識を矯正するべきなんだろうか。「そうは言ってもバカつえぇ風だろこれは」と自省しないことが、ここから始まる老害の一里塚だったりしないか。
まあでも、今日のこれは「強い風」でいいよ。いくらなんでも。