謎の病人

鈴木せりふ
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昼休みに病院に行ったら、時間指定で予約したのに90分待たされた。まあ診察とかも色々混んでるんだろうし、予約して受付済ませて、それでやっぱ帰るとも言えないよな、と思って静かに待っていたら、怪訝そうな顔のスタッフに「今日はどういった症状で?」と問われた。受付で一度伝えたと思ったけど? と思い確認してみたところ「申し訳ございません、受付できていなかったみたいで……」とのこと。

そりゃ勿論ふざけるな、午後の仕事どうすんだ、13時からミーティング入ってるのにすぐ帰れると思ってるから連絡するための社用携帯持ってきてねえんだぞ、ではある。ではあるんだけど、受付もしていない、来院理由も分からない謎の存在が、何も言わずに病院内に1時間半居座っていたのだと思うとちょっと面白い。あいつ誰? 受付してないよね? なんで手続きもしないで普通の顔して待ってるの? って、私以外の全員が思っていたのだ。私の存在が迷惑すぎる。

まあ普通に考えたら、あとどのくらい待つんですか?って聞くべきだったのかもしれない。でもそれでさあ、向こうにはどうしようもない理由で待ってるんだとしたらさあ、言われてもどうにもならないこと言って向こうを困らせるのも嫌じゃない? 嫌でしょう?

ミーティングには大遅刻したけれど、直前に仕込んだ言い訳ネタでひと笑い取れたのでよしとします。