2/23 ミラノ風ドリアの武者

チェス記
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 昨日も夜の7時ぐらいまで寝ていましたよ、っと…笑

 今日は昼の3時ぐらいに起きた。我ながら自由で、調子に乗っていると思う。

 着る服がないので洗濯をしてから大学に向かった。大学が近いこともあり、平日は基本的に毎日大学で勉強している。

 親から十分な仕送りをもらっておいてこのようなことを言うのも図々しい話だが、なぜか今月は本当に金欠だ。今週末にコンパ(今からキャンセルはできない)や芝居(もうチケットを押さえてしまった)に行く分、前から買おうと思っていたものを買う分を除外するとあと2000円で来週の半ばまでやりくりしないといけないらしい。私は本当に自炊ができないので、きつい。

 しかし、大学生協電子マネーに1000円のチャージがあるので、今日はこれで食いつなぐ予定だった。しかし、大学に着いた頃にはすでに生協が閉まっていた。ほなら週明け月曜の食費をこれで浮かすかと思ったら、今週末に入試がある関係で月曜は大学に入れないらしい。どないせいというんですか

 トボトボとサイゼリヤに向かい、ミラノ風ドリア(安くて嵩があるので)を食べた。ミラノ風ドリア以外のものを食べている人たちがみな輝いて見えた。

 大学では卒論の改稿(これは本当に何?)に向き合ったが一切集中できず、《プライベート・ライアン》に出てくるチェコ兵の切り抜きを見たりしていた。アメリカ兵に銃口を向けられた彼らは両手を高く掲げ、「僕たちはチェコ人だ、誰も殺していない」とチェコ語で叫ぶ。しかしアメリカ兵たちは彼らの話す言葉をドイツ語と勘違いし、彼らはドイツ兵と間違われて殺される、というのが一連の流れである。チェコ語の台詞には字幕がついていないので、チェコ語がわかる人に向けたイースターエッグとして機能している。

 早めに帰りロフトへ。プラハ城の柄のロルバーンを買った。さっき書いた「前から買おうと思っていたもの」とはこれである。キヒヒ

 ついでに近くのスーパーで牛乳を2本と牛乳で割る抹茶ラテのベースを買った。私は土日で牛乳を3リットルほど飲むため、牛の赤ちゃんの可能性がある。抹茶ラテはあまり美味しくなかった。

 家に帰ってからも卒論の改稿を続けた。一旦放棄してサーモンランを2回ほどやったあと、大やっつけ仕事にて完成させた。

 全然関係ないんだけど、高校の古典で「大根の武者の話」を読んだのを思い出した。大根を万病の薬と考えて毎日食べていた男の屋敷がある日敵襲に遭った、しかし男は謎の武者に救われて無事だった、武者に素性を尋ねると男が毎日食べていた大根だと名乗る、という妙な話である。ミラノ風ドリアを毎日食べていたらミラノ風ドリアの武者が現れたりしないだろうか。

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 改稿を先延ばしにしてウダウダやっているうちに気づいたのだが、トワイヤンの日本語Wikiができていた。トワイヤンは戦間期チェコで活動したシュルレアリズム画家である。今で言うAFABノンバイナリーに極めて近い生き方をしていたようだ。新しい概念を過去に遡及させて当てはめるのには抵抗があるがあえてこの書き方をする。スラックスを履いていることが多く、チェコ語を話すときはいつも男性形で話していたと、同時代人が回想録に書いている。ちなみにこの回想録で、トワイヤンの一人称は「ぼく」と訳されている。

 で、以上のことをふまえてトワイヤンの発言がどのように翻訳されているか見ていただきたいんですけど、画像が小さいので見えなかったらALTを読んでいただきたいんですけど、

トワイヤンの墓は、パリのバティニョル墓地(フランス語版)の第2区画にある。トワイヤンの死亡通知書の表面には、« Je m'aperçois que ma page blanche est devenue verte.[要出典] »((→わたしの真っ白なページが緑色になったことに気づいたわ))と書かれている。

 オイ!!!!!! コラ!!!!!!!!!!

 わかる????????? この

 いや Wikipediaにページを作るぐらいトワイヤンのことが好きな人ってトワイヤンのそういう側面にも理解があって然るべきなんじゃないのか? どう思いますか?

 トワイヤンは女性愛者だったのですが、先述した同時代人に「彼女は男ぶりたいから男の真似をして女を追いかけ回しているんじゃないかと思っていた」とか言われたりしていて、あと回想録のトワイヤンについての章が「トワイヤンお嬢さん(Miss Toyen)」というタイトルだったりして、あまりトワイヤンをナメるなよという話ですよ トワパイ(トワイヤン先輩)もそう思うッスよねえ

 トワイヤンと私がジェンダーアイデンティティを共有していたかどうかは今となっては知る由もないが、髪を短くしてズボンを履いて、女性♬と思っている身からしたら、自分が心を寄せる国に、100年前に、自分と同じような人間がいたというのは、嬉しいというか、なんというか、心強い事実なのであった。トワパイ…俺悔しいッス!

 今日はこれで終わりです。さようなら

@cesuki
他人の生活(善き人のためのソナタ)