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チェス記
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 雨が降っている。皮膚科に行った。総合病院なので仕方ないが1時間ぐらい待たされた。毎回毎回本を持っていこうと思って忘れる。先生は「また髪の色変わりました?」と言ってくれた。前回会った時(1ヶ月以上前)と比べたら色が抜けて黄みの色になっているのだろう。1ヶ月に1回、5分会えばいい方の人間の毛の色をよく覚えているものだと思う。呼び出し機を返却するのを忘れて持って帰りそうになった。

 三条のロフトに寄るのはやめて、大学に直行した。私の中で三条ロフトは交通費をかけて行く贅沢な場所という扱いになっており、今日は贅沢をする気分ではなかったため。謙虚に暮らす。その分と言っては何だが、朝をしっかり食べてきたし昼は少し量が少ないものでもいいだろうという魂胆から、350円もするパンを生協で買って食らった。あぶらに浸かったサーモンが挟まっており、うまい。生協の品揃えは何故か妙に流動的で、このパンがなくなったと思ったら復活しを繰り返しているので、すかさず食う必要がある。

 研究室で自習。読書会の予習だ。読書会とはいうが、先生と私の2人だけの、孤独な戦いである。私に学問の話をできる相手は先生しかいない。

 チェコ語で書かれた高校生向けの歴史教科書の、15世紀の宗教改革運動のところを読んでいる。私は専門が19世紀なので、新しい語彙ばかりで戸惑う。普段は19世紀について読んだり19世紀の文章を読んだりしているが、今回なんと19世紀の人間が15世紀に書いたものを読まなければならなくなった。その肩慣らしというワケ。思ったより読み進められたのでよかった。

 教科書が何の前書きもなく「プラトン-アウグスティヌス的世界観」に言及して、何のことだかわからなかったので驚愕した。ひとググりすると、「完璧な天の国」と「不完全な地上」を対比する考え方のことらしい。こういうのって倫理の授業をちゃんと聞いてた人ならいっぱつで分かるんですか?

 そのあとはドイツ語をやった。ハプスブルク帝国を研究するには必須の言語である。私は第一外国語が(そう、第一が)ドイツ語だったのだが、週に2回ある授業に年に3回しか行かなかったら再履修になったという切ない思い出がある。再履修の年が2020年度だったので、教室に行かずとも課題を出せば単位が取れたのは幸いであった。今回は演習の分量が異常に多く、疲れた。流石に一回やったことがある内容なので全部満点でひと安心。

 大学帰りに洛北ロフトに行った。新発売のプラハ城の柄のロルバーンが売っているか確かめるのが目的。なかった。レジのところに「パン タマゴ 牛乳」と書かれたメモが落ちていて、漫画のようだと思った。

 店頭でサンプルを見て思いだしたんだけど、ロルバーンの表紙は結構やわこくて傷がつきやすいんだった。プロテクターも買おうかな……チェコちゃんのお顔に傷をつけるわけにはいかん。

 昨日の日記で、万年筆のインクを交換するために万年筆を洗った、1日干してからインクを詰める、と書いた。イラチなので結局昨日あのあとすぐインクを入れた。当然水が乾ききっていないので、ティッシュをペン先に当てながらブンブン振り回して水を抜いた。うまくいった。1本に瓶インクを、もう1本に黒のカートリッジを入れる予定だったのだが、黒のカートリッジをどっかにやってしまい、仕方なく手元にあった青のカートリッジを入れた。サファリの青は好きな色なのでヨシ。片方がEF(極細)でもう片方がM(中字)なのだが、ぱっと見同じ太さに見える。

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チェコで、「カレル4世(チェコ一番の名君)を名乗る人物が警官に接触する」という珍事があったらしい。カレル4世のことは推しているので再臨は喜ばしいが、カレル4世になる前の彼は相当参っていたのだろうなと思うと悲しい。

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 そういえばたった今思い出したんだけど、ダンジョン飯のワールドガイドの完全版が発売になったんだった。2000円か〜。月末にお金が余ってたら買おう。

@cesuki
他人の生活(善き人のためのソナタ)