大学の健康診断の最終日であった。我々文学研究科のM1は昨日健康診断に行くはずであったのだが、私は一昨日まで熱を出していたため、不健康診断になってしまうと判断し、今日に順延した。
健康診断は通常の場合だと受けずに知らん顔をしていても何も言われないのだが、奨学金を欲する場合、健康診断を受けていないと受給資格がなくなるということがある。昨日、健康診断が今日までだったと気づいた。明後日とかにノコノコ行くところだった。危うく受給資格を失いかけていたことに気づきあ然。
男女で受診時間が分かれており、我々は午前9時台と午後1時台のいずれかを選べる。もうめんどくさいから午前9時台に受けてそのあとで10時半からの2限に行くことにした。
2限は講読の授業で、ロシア語の小説を読んでいる。学生ひとりひとりに「お前は何行目から何行目まで読んできなさい」と担当が割り振られ、授業で各々が音読と翻訳をするというワケ。
2限当たってないか一応確認しとこうと何気なくタブレットをつけて大あ然。一番最初のところが当たっていた。当然一番最初に当たるので、他人が一生懸命ロシア語を読み上げているうちに内職で間に合わせるのも不可能である。20分ぐらいで爆速で間に合わせた。当然健康診断に行っている暇などはなく、午後の枠で診察されることとなる。
速攻で適当に訳した文章だったが、1箇所「いい訳ですね」と言われた箇所があった。3年前は4時間ぐらいかけて訳して「独創的な訳ですね」とか言われていたのに、だいぶ成長したものだ。
健康診断では、脈拍3桁という驚きの数値を叩き出した。ハムスターの疑いがある。血圧も高くもないが同年代女性の平均を超えているし、そろそろジムに通ったほうがいいのかな。
友達が「青空文庫」をやっていたので立ち寄る。大学内の目立つところにブルーシートを広げ、有志が持ち寄った本を通行人に読んでもらおうという企画である。
私が行った時には馴染みの顔が4人ほどいた。ブルーシートの上でゴロゴロする。昼寝をしようと思ったが危うくアリを食いかけたのでやめた。
図書館に行き、コレット『牝猫』を借りてきて、ブルーシートに戻って読む。別の友達が好きだと言っていた本だ。まだ本筋がわかるところまでは到達していないが、いかにもフランス人が書いてございといった筆致に、久しぶりだから忘れてたけどそういや仏文ってこうだよなと思った。
青空の下でゴロゴロしていると半袖を通り抜ける風が心地よい日であった。しかし黄砂もひどく、喉が完全に破壊された。やっぱり京都は関東に比べて黄砂が多い。