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チェス記
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 先輩とイタリアンを食べに行った。今年先輩は修論を出し私は卒論を出したので、その打ち上げと銘打っている。

 先輩とイタリアンを食べに行くまでは家でゴロゴロしながら古賀さんの本を読んでいた。まずは『ちょっと走ったり』のほう。いつも読んでいる学術書に比べて簡単な本だからツルッと読み終わってしまうかと思ったら意外と時間がかかる。ミュシャの《主の祈り》の柄のしおりを筆箱から取り出し、本に挟んだ。

 イタリアンの2時間前(新しい標準時)にフォロワーさんと通話をした。通話をしながら話題に関連した文献を読んでいたら、とあるスロヴァキアの詩人の恋人の母親がハンガリーを「シベリア同然」と評していたらしく大爆笑した。

 イタリアンでは、さしみをオシャレに「ガスパチョ」ということを学習した。さしみはうまかった。3月の頭に他大学と合同の発表会があって面倒ですねという話をした。そのあと先輩の家の方に用事があったので、20分ぐらいそっちの方面に一緒に歩いて、一緒にたくさん話をした。

 先輩は関東に行ったことがないらしい。あと授業以外で初めてインターネットに触れたのが大学に入って以降だったらしい。世の中にはいろいろな人がいる。関東(東京)に関しては、「私にとっての梅田と同じようなものと仮定して助言しますが、行けば意外とどうにかなります」との情報を共有した。インターネットの代わりにテレビを娯楽にしていたので今でも生粋のテレビっ子らしく、私の下宿にはテレビがないと伝えたらとても驚いていた。「高校以来テレビを見ていないということは〇〇という俳優も知りませんか、私たちの指導教官の推しなのですが」と珍しい情報を共有された。指導教官の情報は貴重なので覚えておこうとしたが、知らない俳優だったので見事に忘れた。

 先輩と別れて、家から20分ぐらいのところの商業施設で「砂糖」「牛乳」を買った。途中にいくつかスーパーがあるが全部素通りしている。あまり自炊をしない上に少食なので、その辺に売っている大袋の砂糖は身に余るのだ。100均で売っている小さな砂糖を必要としている人間がいる。

 商業施設のトイレでインスタを開いたら、ロフト限定ロルバーンの画像が流れてきた。プラハ城の柄のやつがあるらしい。ロルバーンは紙が地球上で一番黄色いので好かないが、チェコの柄のものはとりあえず購入する。消費者はチェコを求めているのだと、電通、セブン&アイ・ホールディングス、などにアピールする必要があるからである。公式にはまだ発売されていないっぽいが、インターネットで何人かフラゲ者を目撃した。明日「皮膚科」の後に京都ロフトに赴いて売っているかどうか確かめる。

 万年筆が2本同時に空になった。前々からこいつらのインク色を交換したいと思っていたので、この好機を逃すまいとすかさず洗浄する。丸一日干して、明日寝る前に色を交換する。あとニブ交換にも挑戦してみる。

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 古賀さんの本でお子さんが都道府県の名前を覚えているのを見てふと思った。都道府県、多くないか。こんなちっぽけな島に、アメリカ50州とほぼ同じだけの数のものがひしめき合っている。おフランスは日本よりでかいが、地域圏(州のようなもの)がかなり少なかったはずだ。今調べたら18しかないようだ。少ねーな。

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 昨日知ったが、ギリシャが同性婚を合法化したらしい。それすなわちレスボス島で女性同士が結婚できるようになったということだ。サッフォーの霊もさぞ喜んでいることだろう。

 レスボス島、どんなところなんだろうか。今からちょうど100年ぐらい前に同じことを考えた女性2人がレスボス島に降り立ち、あまりの汚さにドン引きしたと本で読んだことがある。観光地でカップルがやるようなやつの女女版(どんなのだろうか)が島の至る所にあったら日本的町おこしのスピリットがあって面白いと思うが、そんなことはなさそうだ。

@cesuki
他人の生活(善き人のためのソナタ)