大國魂神社に行った。私が前日の夜に露店が出たりしている少々大規模な神社に行ったりしたいと提案したから。なにかのサイトでここの初詣のための催しの説明欄に出店の規模が「約100店舗」とあったことと、名前だけなんども聞いた「府中」という地域に行ってみたかったこと、そして住んでいるところからそう離れていないのでここにした。
ガテン系居酒屋のせいで私の中に「魂」という漢字に先入観が生まれてしまっている。この「大國魂神社」という字面を見てなんて暑苦しいんだと思った。大きいし、クニの字が”氣合い”よろしく國で、しかも魂ときた。
着くと結構な規模で出店が並んでいた。漁船か?と思うほどに煌々と参道が照らされていて、イカ焼きとかたこ焼きとか、そういうあたたかいものを出している店が多い。神社の敷地を出てから気づいたけど結構暖かかった。甘酒を買って、ベビーカステラを買って、箸巻きを買って。さっき座って食べられるスペースがあるのを見つけていたのでそこを目指したら長机の上に灰皿が置かれていた。はじめて神社の敷地内でたばこを吸った。
やっぱりこの出店の人たちは普段どういう生活をしている人なのか気になった。よくやくざとか言われているけど、今はどうなんだろう。帰りに寄った居酒屋。案内のときに若いスタッフさんが「あの高身長イケメンのところまでお願いします」と案内してきて、私はなんて返したか覚えていない。上着を預かってくれるというときも、恋人が「ポケットにペットボトルがあるので気を付けてください」と言うと「あ、入ってなくても入ってても捨てときます」と言っていた。貴重品は手元にお願いしますと説明するときには「僕が盗んじゃうんで。嘘ですよ、盗みません。俺そういう感じじゃないんで」と言っていた。あの露店の「お疲れ様です、ありがとうございます」と威勢よく頭を下げて挨拶をしていた彼のパンチパーマリーゼントも、この居酒屋も、イデオロギーだという話をした。
「イデオロギーだね。」生活者としての我々は、そこまで自覚的でないとも思う。「思想強い」という揶揄ワードもこの感覚と地続きかもしれない。どういう理屈か言いたいけど今はまだうまく言葉にならない。
20240103/19:43