耳って人間には一組しかないんですけど?
また買ってしまったんですね~amazonのブラックフライデーセールでイヤホンを!!(ブラックフライデーセール期間に買ったが新商品なのでセール品ではない)

中華イヤホンの雄 TRNのCONCHってやつです。海螺ってツブガイだろ? 中国でもツブガイなんだろうか。イヤホンにツブガイって付けます? 中華イヤホンにしてはわりかしおとなしい名前付けだしパッケージだ。TRNは中華イヤホンの中でもなかなか渋いたたずまいをすることで知られる。でもお前イヤホンの中にドライバ15こ詰め込んでドヤ顔した商品だしてましたよね? あれすごいよかったよ。
中華イヤホンってイヤホン筐体とケーブルを繋ぐ部分が2pinってやつでshureとかのMMCX端子とは違う規格なんですよね。俺は昨年イヤホン沼をチャプったときに自分の軸足をmmcx端子イヤホンに置くと決めたので2pinイヤホンは要らん! とすべて手放したんです。ケーブルも。その壮大なプロジェクトが今年の夏終わった。もう新しいイヤホンはどうしようもなく自分の理想に合う条件のものが出てこない限りは買わないぞ~~! と心に決めていたのに。

この有様です。どうですか、太いケーブル、でかくてよく見ると安っぽい筐体(とはいえ相当よくなったよね)。
何で買ったかってねえ、日々新しい商品がでてくる安いイヤホン沼/ポータブルオーディオ沼ってのがあるんですよ。値段はピンキリで裾野も広く規格もやたらあるしカオス、しかも基準の音質評価なんてひとそれぞれ、聴く音楽の傾向も好みも十人十色となればその沼は魑魅魍魎の跋扈する毒沼と化すことは想像に難くないわけじゃないですか。
その真偽入り乱れる沼で「あれ、これはマジでコスパがおよろしくなくて?」「コスパがおよろしいってあなたすべてのイヤホンにそう言ってらっしゃるじゃないの、あなたは身銭を切っておられないからそう適当なことをおっしゃる」「あら、ひがみはみっともなくてよ」みたいなどぉ~でもいい諍いを眺めるのがこういった沼をチャプるときの最大の楽しみですよね。
でまあ、客観的に見て確かにコスパがよさそ~~って思っちゃうわけですよ。コスパって言葉が大好きなので。今持っているものよりいいものがこの値段で出てくるわけはないんですけど「ケーブルの先が4.4mmバランスと3.5mmアンバランス(普通のやつ)と2.5mmバランス(ソニーの前時代の機器とかについてる)で付け替えられる」「イヤホンを分解してフィルターを選んで音質を変えることができる」「イヤピもシリコンのやつとフォーム型と一式揃ってる」「4000円」
4000円のイヤホンって結局音を聞くイヤホンの値段としてはけっこう最低ラインの値段なんですよ。去年マジで評判の良さを上げる声がでかかった、ケーブルのつけかえもできなくて昭和のプラモみたいな筐体の3000円位のイヤホンを買ったんですけど「確かに3000円として音が聞けるマジで最低ラインだけど、俺はこれで音楽を聞いていたくない」って思う代物だったんですよね。沼で様々なイヤホンを聞いてきてる人がこれを勧める理由が安さ以外で納得できなかったし、いくら安くてもやすっぽさは許せるけどチャチさは許しちゃいけないんじゃないのって思ったりしたんすよね。
まあそんなわけで4000円でパッケージが一揃い揃ってるとマジか? って思うし、なんせこの先っちょ変えられるケーブルだけでも3000円くらいしておかしくないのでまあ、損するこたない(何も買わないのが一番得)と思って買ったんですけどね。
いいわ。
すごくよすぎはしないけれど前述の3000円のイヤホンより全然いいです。この前買って大変満足しているゼンハイザーIE200 より総合的にそこまで良くないけど、低音に関してこっちがいいとかくらいの好みゲージのブレはありますね。
電子音などでのチキチキ音のちょっとした刺さりとか、曲の切替え時に耳に圧がかかる感じとかもあるが、これは高いイヤホンでも傾向によってあるやつなので好みだろうなあ、前者はこれがあるからいいという人もいるだろう。広がり感はうっすい。位置を感じはするが出てくる元がすべて耳元って感じ。この部分がイヤホンが高くなるとヘッドホンくらいの広がりを感じられるようなものがでてくる。ヘッドホン使えよ。
どっちもねえ、女性ボーカルの高音域みたいなのがジャリッとするのは変わらない。刺さるわけではないけどなんか解像度が悪くなる。全体的に解像度が高いのはIE200で音場を広く感じるのもIE200。ただIE200も「こりゃもっといいものが世の中にはあるな」というのがわかる点と「このイヤホンは上を求める人の最低ラインと上を求めない人の最上ラインの見極めという点で最高」だったなというのを今回のイヤホンで深く理解した。
こっちのツブガイの方が全体的に「浅くて濁りを感じる」ちょっとザラついた動画を見ている感じ。でもIE200は高音域で急にこれがでてくることがあってその部分に違和感を感じやすいような気もするので善し悪し感もあるな。高音質でクラシックを聞きたい人に勧めたいものではない、まあそれはIE200も同じだけど。
IE200 の方が明らかに優れる点はもちろん、その全体のデザインである。

見てくれこのIE200の筐体のコンパクトさ、ケーブルの細さと取り回しのしやすい鎖目。スマートじゃろ。耳かけ部分は形状記憶ワイヤー入っているので自由に形を変えられる。スプリットのところは簡易なゴムチューブになっていて手軽。筐体とケーブル全体が軽いことと装着感の良さは有線イヤホンのなによりも重要な点なのだ。中華イヤホンはこのスマートさを満たす商品は殆どない。もはやこのまま寝られるという点もよい。やめろ寝落ちもちもちをするな。これマイクついてねえから。
IE200の良さを語ってしまったが今回のツブガイもマジでいい。もう5万以上のイヤホンを持っていて満足している輩に勧めるものではないが(お前は?)、ダイソーのイヤホンしか使ってねえとか(あれはあれで最近バカにできないすごさを持っているが)、10年前の2万くらいのイヤホンに古さを感じているとか、ならアリなんじゃないのと思う。なによりこれ持っておけば型落ちで2.5mmバランスしかバランス出力がないようなDAPなんかを使えるという汎用性の高さとか、入門用としてフィルターを変えて自分の好きな音色を地味に探求出来るのもいい。
「1」とかつけちゃったけど、「2」やりたくね~~。