多分、それを聞いた時多くの人が言うセリフは「生きているうちにいつかしたい」だと思う。それか「あたまおかしい」。
小さい頃の夢を覚えていますか。私は覚えてます。
空を飛ぶこと。
大丈夫。not錯乱。
物心ついた時から本当に、何が何でも空を飛びたかった。その情熱はとどまることを知らず、クリスマスプレゼントに「星と羽(イメージは天使のやつ)」をお願いしサンタさんを大いに困らせた経験もある。肩甲骨あたりに羽の描かれたデザインのTシャツを従姉妹のお姉さんから貰った際には、飛び跳ねて喜んだ挙句本当に飛べると信じて疑わなかった幼少期を経て、年齢だけを見れば立派な大人になった私は自分の誕生日、とあるヘリポートへと車を走らせていた。理由は単純明確、空を飛ぶため。まぁ正確には飛んでいるわけではないのでトイ・ストーリーのバズ風に言えば「カッコつけて落ちる」ためなんですが。余談ですが本編でのこのセリフの回収のされ方、最高にイカす。
話を戻して、自分の誕生日にスカイダイビングをしようと彼の地へ降り立つ私。スカイダイビングって意外と気軽にできるのがビックリポイント。漠然と敷居高そうだと思っていた。
服装に指定はあったものの、要は脱げない靴(ハイカット推薦)と汚れてもいい服で飛んでくれとのことだった。私は普通の貸し出しのスニーカー(履き替えをお勧めされた為)にTシャツジーパンで飛んだ。個人的には全然問題なかった。
YouTubeで色んな人のスカイダイビングの映像を見まくってイメトレは完璧。絶叫もユ◯バのハ◯ドリを乗って克服していたので完璧。人っ子一人いない道をナビの案内を信じて……いえ半信半疑で進む。それっぽい場所へ着いて車を止めて降りると、空からはパラシュートで次々に降りてくる人々。ああ、私も数時間のうちにあれになるのかと思えば、期待と不安で急に胸がドキドキし出します。
今回が人生初めて、かつ誕生日という記念すべき日だったという事もあり、この日のために3ヶ月前から用意した諭吉5人を生贄にカメラマン付きのプランを選択。己の人生で最初で最後のダイブになるかもわからないので念のため記録に残しておこうといった魂胆。
支払いを済ませ誓約書にサインをしたらあとは名前が呼ばれるまで待つ。あれよあれよと準備が進んでいき、体には無数のハーネス。飛ぶときの姿勢口座を受け、飛行機の準備ができるまで再び待機。他にも参加者はいたものの、どうやら身内で参加している模様。その輪に入っていくだけの勇気なんて持ち合わせているはずもなく、ずっとTwitterしてる私。そう。察しの良い方はすでにお気づきだと思うが、今回私はお得意のおひとり様参加。友達誘わなかったのかと驚かれますが、急遽決めたことと友人の命の責任を背負えないのでやめておいた。
空は晴天、1番写真映えする雲加減の中飛ぶために飛行機に向かった先でアクシデント発生。飛ぶ気満々で乗り込んだ飛行機に不調が見られ一度フライトを見合わせることに。特番じゃないんだから……と気分はガン萎え。せっかく誕生日に空飛びにきたのに、このまま地を張って帰るなんて嫌すぎる。とは言え整備士免許を持たない私にできることは祈ること。お願い飛行機飛んでくれ。
──一度ハーネスが外され待機して数十分が過ぎたころ、待合場にアナウンスが響き、結果は飛べることに。よかったーーーー!!!激渋気分で帰る誕生日とか御免過ぎる。
小型機に乗っていざ高度4000mへ。富士山よりも高い世界は空と雲のコントラストはあり得ないほど美しく、初夏だというのにまるで空気は冬のよう。めちゃくちゃ涼しい。というか寒い。
こんな感じ。めちゃ綺麗。
そうしてあっという間に高度4000mからダイビングをぶちかます時がやってくる。ダイブする為に飛行機から両足を空中に放り出したとき、漠然と「死んだ」と思った。けれど走馬灯は見えず。本当に走馬灯ってあるのだろうか。
ちなみに私はプロのイケオジが一緒に飛んでくれるプランにしたので躊躇って飛び降りられなくなる、といったことはなかった。何故なら飛び降りるタイミングにおける主導権は全てイケオジにあるからだ。私はイケオジのタイミングを狂わさないように、ただ片口にあるベルトのような素材の紐を握って上を向いていた。で、足を飛行機外に放り出してから割とすぐダイブ。体感としては結構あっさりポーンと飛ぶイメージ。
驚くことに浮遊感があったのは飛び降りた瞬間だけだった。しかもマジで一瞬。ユ◯バにあるハ◯ドリ(ジェットコースター)の方が100倍浮遊感がすごい。多分信じてもらえないだろうけど。故に、こんな感じでピースをかます余裕だってあった。めっちゃ楽しかった。
その傍ら、空気が地面に近づくにつれ暑くなっていくのがわかる。面白い。
そんなこんなで数十秒間の遊覧飛行は終了。パラシュートが開き、思いの外勢いよく浮かび上がるので個人的にはパラシュート開いてからの方が怖かった。なんか、墜落しそうで。
パラシュート開いてからの方が怖いなんて思っていなかったから普通にびっくりした。パラシュート開いてからの方が怖いなんて嘘だと思ったそこのあなた、飛んでみればわかるので是非三┏( ^o^)┛
そんなこんなで、オタクが誕生日に空飛んでみたレポはこれにて終幕。今年は滝行をしたいと思うなどしている。
スカイダイビング、オススメ。