もしもあのとき、フンラスに出会っていなければ。

Chako
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できないくせに、妙に完璧主義。

↑これは昔の私の自己紹介です。一丁前に嫉妬しいで、ただいいところだけ持っていきたい。そのくせ練習も努力もしない、よくいる頭でっかち。できなければ、才能がなかったと簡単に諦める。

勉強もダイエットも、やると決めた時がやる気の最高地点。

何でもかんでも、毎日続けなければならないと思っていた。これはなかなかに落とし穴で、要は1日でも怠ってしまうと、全て無駄になると思っていた。ちょっと躓いては「あーあ。無駄になっちゃった。もういいややーめた」となる人生。当然、その先に待っているのは挫折だった。

小学生のころから数えきれないくらい挫折した。運動も勉強も、「毎日やらなければ意味がない」と思い込んでいたせいで。高すぎる目標は目標としての機能を果たさないとはまさしくこのことで、けれどそれを教えてくれる大人もいなければ、自分で気づくこともできなかった。挫折を繰り返しまくった私は次第に私を諦めるようになっていった。どうせやったって三日坊主で終わるのに、と。

けれど、だからと言って諦めきれない自分がいるのも確かで。毎度毎度、「今回こそはもしかしたら変われるかもしれない」と手を伸ばし、そして続けられないことを失敗と誤認し挫折した。

マンガやアニメの主人公たちのように秀でたものが何もなかったから、自分にできることなんて何もないと思っていた。勉強ができる子も絵がうまい子もスポーツが得意な子も、みんな自分とは違って、物語の主人公のような、なにか才能のようなものを持っているんだと漠然と思っていた。

そんな潜在意識を持ったまま大人になって、特技といえるものもを持ち合わせないまま生きていたある日、自分の人生の中で落ちる予定のなかった推しに出会う。

ヘタリアのフランスだった。

きっかけは覚えていない。いつ沼ったのかもわからない。あまりにも今まで推しになってきたキャラの系統とは彼は似ても似つかなかったことだけをハッキリと覚えている。だからヘタリアという存在を知った時、正直彼に対してはノーマークだった。ハマるなんて夢にも思っていなかったから。(寧ろ落ちると思って警戒していたのはスペインや中国だった)

けれど、現実は?そこはまるで未知の世界。今までの自分であれば決してハマらなかったであろうキャラの沼の色は見たこともない色をしていた。加えて気づいた時にはすでに沼の中にいたので、自分でもだいぶ困惑した。

あくまで癒しコンテンツとして私にヘタリアを教えてくれて、かつの私のことを比較的よく知っている親友ですらフランスに落ちたと告げたとき、あからさまに困惑していた。「え?フランス……?」と電話越しの声が今でも鮮明に蘇る。

※ここでどれだけ興味がなかったかを説明しておくと、ヘタリアに沼る前、ミリしら状態で親友にヘタライを見せられた時も彼はしっかりアウトオブ眼中だった。イタちゃんとか、ぽんさんとか、すーじくたちはギリ記憶に残っていたのにもかかわらず、フランスに関しては本当に、これっぽっちも、0.00000000000000001mmも記憶に残っていない。(お兄さんごめん)

だというのに、彼の威力はすごかった。彼がひとたびキャラソンで「俺を語るなら、まずは自分が美しく、愛らしくだ」と歌えば「まぁ、確かにフランスだって推されるなら綺麗な人の方がいいに決まってるよなぁ」と漠然と思い、挫折しまくったダイエットをした。息を切らしながら筋トレを頑張り、極寒の中着こんで歩き、食べ物にも気を使い、結果11kg痩せた。

細々とやってきた小説ももっとうまくなりたいと漠然と思い(というか彼の二次創作を100話書いた女になりたかったのもあるが)、丁度そのころ物議をかましていた某同人女漫画に出てくる同人小説100本ノックを真似して実行した。鈍器が生まれてフランスや推しカプが好きな人たちとも繋がれた。

今までできなかったことを悉く成功させることができたのは、Youtubeの女神たち(筋トレの動画を上げてくれるYoutuberだったり、そのコメ欄にいる筋トレを実行している人だったり、K-POPアイドルだったり)という素晴らしい存在だったり、憧れ、読んでくれる人etc……だが、しかしここでやっぱり一番大きかったのはフランスが好きという名の無限の原動力だった。好きって本当に強くて笑ってしまう。

失敗してもいいし休んでもいい。5文字しか書けなくても1か月何も書けなくてもいい。筆をおいた後にまた筆をとればそれは継続になることをやっと知れた。欲を言えば小学校くらいで必修として教えてほしいくらいだ。結局どんな方法だろうが、ポジティブだろうがネガティブだろうが、ゴールまで駆け抜けることができる人が強い。いつか乗り越えた壁は、盾となって自分を守り助けてくれる。とまぁ、彼を好きになって知れたことはごまんとある。

もしもあのとき、フランスに沼ってなければ今の私はいないわけで。それを思うとゾッとする。継続する気力をくれたフランスには感謝しかない。人生が変わったのか狂わされたのか微妙なところではあるが、私はフランスを好きになって人生が変わった、と思う。

@chacoshi
身の上話多めな書き散らし。オタクだったりオタクじゃなかったり。