2024年内に完結するらしい。足掛け3-4年くらいジャンプ本誌でこの漫画を一番に読んでいる。
まずストーリーのテンポの良さ、キャラクター、物語の余白を読み込む面白さ、胡乱さ、漫画内の情報量(読みやすさ)などがちょうどいい塩梅で好きなのだと思う。
五条悟vs宿儺は2023年のベストバウトだった。領域など今までの設定を余すことなく使い、読み込めば読み込むほど面白い戦いであった。特に五条は人気キャラであり、予想通り死んだ後に各所で悲鳴と非難が相次いだ。芥見先生は本当によく書き切ったなと思う。「五条死んだ?」「死んでない!!」の天丼は多かったが、それゆえに五条が強すぎて「こいつどうやったら倒せんだよ…」となり、宿儺を応援しだす始末だった。
個人的には空港の話やあの終わり方で、初めて五条悟のことが好きになった。236話の一ヶ月前に上記の動画が公開され結末も見えていたものの、五条が強すぎて宿儺を応援するくらいの気持ちになっていたが、いなくなったらいなくたったで思っていたよりも寂しかった。長い戦いを通して五条も宿儺も好きになるとは思わなかった。そんなわけで、「五条悟?あー、名前だけ知ってる。最強とか言いつつ結局負けたし弱いんでしょw」と読んでもない人に言われるとキレ散らかしてしまう。
ちなみに、呪術の中で私が一番好きなキャラクターは羂索である。(月姫のネロがモデルか?)
呪術は展開の速さゆえ物語の余白が多く、曖昧なままにしてある設定もあり、登場人物の語りを信用しきってはいけない所も含めて読みや解釈に幅がある。とはいえ、五条戦後の他の人の感想を見るとしんどいものが多かった。キャラ愛ゆえか、展開が気に入らないゆえか、設定の読み込みが甘すぎるのを差し置いて作者をバカ扱いしたり貶すコメントが多く目についた。何故作者を攻撃するのか…。週間連載ゆえのミスはあろうし、科学関係の記述はたまに間違いもあるし、他国や片言ミゲルの取り扱いの迂闊さなど決して完璧ではない作品だが、先行作品の寄せ集めと断定してしまうとそこからこぼれ落ちてしまう良さが多い。一話でキャラクターを立てるのがうまいし、ちょっとした描写でその発言や行動の背景を察することもできる上手さが光る(うまくいってない時もあるが)。またCR私鉄純愛列車やハジケ漫才バトルなどの胡乱さも味として違和感なく楽しむことができる。今の所、自分は好きな作品です。
漫画はよく読むが、アニメはほとんど見ない。しかし呪術のアニメ二期の懐玉・玉折/渋谷事変は毎週楽しみに見た。一期はコントロールされた中でクオリティが光り、二期は話数ごとにスタッフが異なり毎回どんな演出が出てくるか分からない部分も含めて面白かった。必要な部分だけ描いている原作のテンポの良さや構図の妙を感じつつ、それを膨らませてアクションをどんどん追加したアニメスタッフの皆さんのすごさも同時に感じる良いアニメ化だった。演出が間延びして微妙な話数もあったが、概して大昔に見ていたアニメに比べ、視聴者のかなり水準の高い要求に応えて上回っていると思う。
懐玉・玉折は映画でもいいような出来だったし、渋谷編で個人的に印象に残ったのはやはり脹相戦、漏瑚・魔虚羅戦、東堂MAGIC。そして、宿儺→虎杖に戻って「噛み締めろ」という所からの一連の流れ。「♪U R MY SPECIAL」と流れてきてあまりにも最悪のマッチングでニコニコしました。
三期もやるとのことで楽しみ。
一方で、アニメスタッフの呪詛渦巻く制作体制は早くなんとかして欲しいと思った。
(23巻発売記念動画好きすぎる)