天官賜福 英語版 5巻 85章 メモ

A4(えーよん)
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ほんとうに面白くてやめ時が見つからん!私はソシャゲもしないといけないのに!!

仙楽国の国師の声が聞こえてくるものの、山がまた振動し始めます。花城が謝憐を守るために腰に腕を回して抱き締めてくれるのですが、そこで「ここで墓を共にするのも悪くない」なんて考える謝憐。早く、それが好きって気づいて。

とりあえず声の主を国師として、かの声は誰かに話しかけてるようなのですが相手が誰かわかりません。「みんな山の中にいるのかな?彼らを炉に運ぶのが先だ。二日で辿り着くだろう」そして、太子殿下の話をするのですが、内容があまり判然としません。

一方、壁の向こうでは権一真を運びながら引玉が掘り進めていきます。そして、権一真は不意打ちで引玉の仮面を剥ぎ取り、「師兄!」と喜びを見せますが、引玉は恐怖に包まれて逃げ出します。「人違いだ!」と走り出すが追いかける権一真。「追いかけてくるな!」「師兄!わたしだよ!」「ああくそ、君だから怖いんだ、言っただろ、追いかけてくるな!」

前章で私はつら〜〜〜しんど〜〜〜ってなってたのに、突然喜劇になるなんて、墨香銅臭先生、話の展開うますぎない?転がし方がすごい面白いんだよ。さっぱりしてるし。大切なところの軸がしっかりしているから、話の振り幅が大きくてもブレないんだろうな。そして、キャラクターがそれぞれ生きてるから、お話のために動いてるわけじゃないってのがわかって、私はそういう話に出会うとめちゃくちゃ嬉しくなる!ハッピー!!

国師の声は「何やってんの?」と誰かに尋ね、答えを得たらしく「子どもは元気だね。準備もあるし、先にここをさろう。炉に近づいた時に再招集するよ」と言って消えてしまう。といっても声だけだからどんな姿かわかんないんだけど。

引玉がやってきて「城主!殿下!」と二人に助けを求めます。権一真の頭は血だらけで(月牙鏟で殴ったから)、それに追いかけられるのはめちゃくちゃ怖い。本当に人をこわく追いかけるのを描くのがうまいな。

花城は郎千秋のときと同じように権一真を起き上がり小法師にして引玉に感謝されます。花城に指示される方が引玉には楽らしく、彼は月牙鏟を使って外を確認すると「山が走ってる」と報告します。本当にその通りで、馬に乗っているように丘も河も森もぐちゃぐちゃになって動いている。この山に乗ってたら(乗ってたら?)二日で炉に着くらしい。

危険が去ったので、謝憐は国試について考えます。「彼はなぜ、私が覚醒していないと言ったんだろう」それに対して花城は「太子殿下はあなただけじゃないよ、烏庸国の太子殿下もいるでしょう」と言います。謝憐は「私の直感を話してもいいかな」と、自分の考えを花城に話します。

すなわち、銅炉山の領域には三峰の大きな山、老と病と死がありますが、生だけがない。あの声の主が謝憐の師であったなら、彼が話しかけていたのは山の精霊で、それが老と病と死のいずれだったのではないか。もし三峰の精霊が人間の意識を持っていたなら、彼らは人間から変化したものだろう。なぜ、生はないのか?まだ生は山として変化していなくて人間のまま。そうであれば、その人間が国師ではないか。

私は「ちょっと飛躍しすぎじゃない〜?」て思うけど、何が起こっても不思議じゃないから「そうなのか」と受け入れることにする。

謝憐は考えを話し続けます。

烏庸国の太子にも四人の守護者がいたように、彼らが四苦に相当する山の精霊なのではないか。偶然にも、国師にも三人の副官がいた。これは偶然の一致なのだろうか…。

花城は「偶然の一致じゃないかな。四名景は?四大害も一つ無理やり入れてあるよね」とコメントしますが、謝憐は生、老、病、死。烏庸国の四人の守護者と仙楽国の四人の国師たちは同じ人間なんじゃないかと言います。しかし、そうであれば、なぜ彼らは仙楽国の国師になったのか、そして烏庸国の話をして、彼の国の太子殿下のようになってほしいと願ったのか。覚醒していないとはどういう意味かと謎に頭を悩ませます。

それを呼び戻すように、花城は肩を掴んで「それは不可能だよ!あなたはあなただ。誓える。他の誰でもない。俺を信じて。あまり深読みして、ありもしないことを想像しないで」と言います。花城がまともでよかった〜。

謝憐の両親の他、謝憐にとっては一番知っている人物が国師。よく知っている人がまったく異質の存在だと知って混乱してるみたいなんですが、まだ決まってないからね!?ちゃんと調査して!?

しかし、完全に何かあると思ってる謝憐は自分と烏庸国の太子があまりに似ていると考え、壁画に描かれた太子の体験は、漠然とした、しかし恐ろしい輪廻転生の感覚を与えたようです。輪廻転生までこの話、入ってくるの?大変だな…。

「注意して考えてみて。仙楽国国師の経歴は?」と花城に問われ、梅念卿という名前以外知らんことを思い出します。彼が生まれる前からすでに国師だったし、すごい人だったけど、それならどうして飛昇してないのか、謎多き人物。すごかったら飛昇するっていうのも、そういうもんなの!?てなるけど、そういうもんなのでしょう。

花城は「彼がなんだっていい、俺たちで対処できるよ。思い出して、何が起こってもここにいる。俺はいつもあなたの味方だ」と言ってくれる。花城のかっこいいところってちゃんと立場を表明してくれるところだと思う。なぜ好きって早く言わないのかだけが謎だけど…。

二人だけの世界になってたけどそばには引玉もいます。しかし引玉は素晴らしい存在感の薄さで、タイミングよく「他の人たちを探しますか?」と聞いてくれる。そこで謝憐が引玉殿下と呼ぶので殿下、私はもう神官じゃないから殿下じゃなくていいですよ、それなら私も殿下じゃなくていいよという、やりとりをします。引玉は「いえ、私は殿下と呼びますね」と頑な。これは花城の部下になっているということと関係がありそう。

そこへ、骨の砕ける音と共に突然天井から落ちてきた起き上がり小法師権一真を拾って、裴茗たちと再会します。武器にしてた大腿骨が砕けた音らしい。裴宿と、刻磨と容広が入った壺を持った半月も一緒ですが、霊文は離れてしまったそうです。謝憐は探そうとしますが、錦衣仙もまた炉を目指しているので、最終的に会えるだろうと花城。

山が走ってるので一行は動く必要がなく、裴茗は起き上がり小法師の権一真をいじって遊びます。こいつ…。ほんとにやりたい放題の武神だな!そしたら裴宿が突然倒れて、裴茗は駆け寄って起こします。裴宿に対してだけ君はやさしい。なら早く半月のことも認めてよ〜。

ともかく、裴宿は人間ですので、空腹と喉の渇きで倒れてしまったのです。過酷すぎる道中だからね。半月は「これが残ってる……」とおぞましい料理の成れの果てを差し出しますが「なぜまだ持ってるんだ!?捨てなさい!」と裴茗に言われる。こればかりは私も完全に同意だよ。武器として使うならともかく…。

みんなががちゃがちゃしてるときに、相変わらず花城と謝憐は二人の世界を作っています。なんか気まずいな…一緒にいるの…。私も一緒に読んでていいんですかね。

山が走ってもう400キロ進んだらしい。直線にして東京大阪間くらいか…。

山を見ていると突然顔が現れて、不気味ににっこり笑います。この辺りの描写、完全に諸星大二郎の絵で再現される。諸星大次郎の描いた花城と謝憐が見たい!(どの推しカプについても私はこう願っている)

顔は幻で、それはすぐに山の風景に置き換わるのですが、山の精霊の顔には違いないようです。元人間で烏庸国の守護者なんだよね?なぜこんな姿に…。

今はもう枯渇してしまっていますが、目や口に見えたところは烏庸国にかつて流れていた「母なる大河」らしいです。そして、鼻と思しきところに七つの都市の一つがあり、国師や烏庸国の太子についてもっと知りたいと考えている謝憐はそこへ行くことに決めます。

一行はかたまって、若邪でぐるぐる巻きにして、たくさんの銀蝶が彼らを守りながら「鼻」に行くことに。その時に裴茗が「その紐はなんなんだ?絡まったら危ないだろう」と中指の赤い糸に気づいて指摘します。武神なので言うことはごもっともなのですが、口籠もっていると、糸がなくなってしまいます。ショックを受ける謝憐。

わーっ、ここ、かわいすぎるところです!謝憐は心細くなってしまいますが、裴茗は何も言わなくなるので、結果オーライ……。しょんぼりしている謝憐、かわいいね……。

で、ぴょんと「鼻」について、地下に都市があることを示す花城。ほんまこの旅、花城がいなかったら終わってんな。指輪物語のサムと同じくらい重要だけど、ポジション的にはアラゴルンだろうか…。私はサムが一番かっこいいと思ってるけどね!旅の仲間の中ではね!

この都市は銅炉山の噴火によって灰が七メートルの厚さに積もって、滅んだらしい。壁画に描かれた太子殿下の夢は現実になったってことですね。河は干上がってるので使い物になりませんが、地下には井戸がまだ生きているだろうと言う花城の言葉を信じて、裴茗、半月、引玉が探索に行きます。

地上に残った花城と謝憐……とダウンしている裴宿。花城は謝憐に指にまだ糸があることを教えます。謝憐はめちゃくちゃ喜ぶ。かわいい。どうしてそんなに嬉しいのか、その意味を考えてくださいね。

花城は真剣に「俺はあなたが死なないことを知ってる。あなたが死を恐れないことも。でも、あなたがどんなに頑丈でも、あなたが痛むことを思い出してほしい。死なないことは痛みを得ないことという意味じゃない。そして、傷つかないということじゃないんだ。この糸があればお互いの無事を確認できる。でも、この間みたいに危険なものに触ったりしないで。その前に俺に教えて。必ず対処するから」と諭します。殿下はなんでもすぐ触ったり拾ったりするからね、気が気じゃないですね。

というか、この花城が謝憐に言うことが本当によくて…。よくてってなんやねんて話ですが、花城は謝憐を肯定したまま、彼が傷つかないように、自分のことを大切にしてほしいって思ってることが読者の私にも伝わってきて、そのやさしさにじーんとくる。そして、自分を頼ってくれって言ってくれる。

早く好きって言いなよ…!(あと何回言うんだろうこれを…)

謝憐は花城の想いを真剣に受け止めて、「じゃあ、君も同じようにして。危険なものには触らないこと!私に言って」と返します。それを聞いて花城は口の端の片方を上げるのですが…。どういう表情?謝憐は不安になって彼の顔をよく見ようと近づくのですが、そこでまたしても「これはなんだ?」という裴茗の声が!裴茗!話をコントロールしないで!!

半月は「人々に見える……」と答えて、「どうしてこんなふうになったんだ?」と裴茗。

いったい、地下で、人々がどうなって…?うっうっ、ホラーの予感。

次章に続く!

@checaldooggi
書くことを続けられたらいいな。読んでくださってありがとうございます。 天官賜福とさはんにハマっているのでその話が多めになるかも。 匿名の質問箱はこちら mond.how/ja/checaldooggi