WEB連載されていたからなのか、気になるところで引きがあり続くっていう展開が多いですね。当時は背後から扶揺に声をかけられて、そのまま更新を待つ状態だったのでしょうか。本当にこわいよ!前章の終わり方!
「誰に話しかけているんです?」が正しかったかも。それに対して、「誰かに話したかったんだけど、今、共通の通霊陣は使えないし、私は誰のパスワードも知らないんだ。扶揺、誰かのパスワードを知ってる?私がここにいることを伝えて、手伝ってくれる人がほしい」と誤魔化します。
扶揺が慕情の部下なので話せないってことなんでしょうけど、物事がややこしくなるから面倒だな〜と思いながら読む私。それに扶揺も誰にやつも知らんってさ!システムがあっても使えなかったら何の意味もないことを証左するな。
花城は谷子が二日間食べてないことを伝えます。それを知って、蘭菖が抱っこしてくれる。鬼の体は血が通っていないからなのか冷たいらしい。で、谷子が大変や言うてるのに扶揺は無慈悲にも「行くぞ」と蘭菖を引っ立てようとする。病気してる人間の子どもを鬼が介抱してんのに!!
謝憐は扶揺に、慕情にここに来てもらえないか頼みます。扶揺は「何が望みです?」と返し、それに対して謝憐の返答は……彼の腕を掴んでひねって動けなくすることでした。「彼が問題に巻き込まれてるってことは知ってるからね」
殿下ってとりあえず力技多くないですか?法力がないからかもしれないけど、武神ってみんなこうなんか??
扶揺は謝憐がなんか力を使ったと思ったみたいですが「いやいや、私だけの力で君を捕まえたんだよ。君も私に同じようにやってみるといい、もしできるなら、だけど」と煽る。なぜ、煽ったんだ?
「離せばいいだろう、試してやる!」「それは次の機会にね、今はもっと心配しなきゃいけないことがある。扶揺、君の将軍に、上天庭に戻ってくるよう頼める?」「戻る?」キレる扶揺。「この状況で戻れるわけないでしょう。あなたは不当に扱われて不当な有罪判決を受けるために戻れるんですか?あなたは戻って死を待つんですか?」「私は深刻だよ。皮肉を言っているんじゃない。君の将軍と私は違う。彼の状況は修復不可能なほど深刻じゃない。本当の問題は逃げ出したことだ。それは最悪の行動だ。もし君が彼とつないでくれるなら、私は調査して彼を助けよう」
胸を張って申し出ますが「は?」と一蹴されます。
いや、わかるよ、扶揺。太子殿下が大丈夫っつって大丈夫だったことはこれまで、あんまり、ないんだ…。「君よりたくさん調査してるから経験もあるし!」て言うけど「その調査で大丈夫だった神官、一人もいませんよね?」と返される。本当にそう。
裴宿(人界に二百年落とされる)…
明儀(このときは助けられたけど)…
師青玄(行方不明)…
師無渡(死亡)…
明儀(すでに死亡、黒水がなりすましていた)…
霊文(逃亡)…
多いな。
「それは彼らに問題があったからで、彼が罪を犯していないなら無罪を証明できるよ」「もうたくさんだ。あなたが調査したところであなたたち二人の遺恨はわかってる。調査したところで逆転できるんですか?あなたが彼を引き摺り下ろして嘲笑いたいなら最初から誤魔化さずにそう言えばいい」
このセリフに花城も黙ってられません。扶揺に構わず放っておこうと言います。そうだそうだそれがいい。
扶揺を拘束したままの謝憐は「でも、根本的に二つの問題は違うものだから…。私と慕情の間に遺恨があったとしてもだよ、彼が罪に関わっていることはもう一つの問題で、慕情みたいな…小心で、視野が狭く、過敏で、被害妄想的で、性格が悪く、些細なことに執着しがちで、楽しいことは何も言わず、口うるさいのが好きで、いつも他人を怒らせていて、そのことで多くの嫌われ者になって…」と続けて最終的に「彼のことは幼い頃から知ってる。彼には理念がある」と締めくくる。
殿下って…けっこう言うよね!全然最後の締めの言葉、慕情のこと上げられてないからね!
しかし、慕情は殿下に薬渡す時でもいらんことばっか言ってたんで、もうそんなことは謝憐の中ではとっくに許してる…というか、そこもひっくるめて認めてるんでしょうね。ほとんど悪口言ってるけどね。
「彼は杯の中に唾は吐いても毒は入れないよ」と、何のフォローにもなっていないことを付け加えてくれます。さすがに扶揺も「唾も入れない!」と抗議。「じゃあ下剤かも」と返す謝憐。
ほんまに慕情のこと思ってくれてるんか?扶揺は「そんなふうに表現する必要あります?」て言ってて、私もそう思う…。それに対して「ごめん、いい例えが浮かばなくて」て謝憐は謝るのだが、これは800年前の仙楽国ジョークなんですかね?慕情と風信やったら笑えるんか?
上天庭にはまだ伝えていないこと、それに彼を傷つけないこと、もし戻れないなら一緒に行動しようと説得を試みる謝憐。
そこで戚容が笑い声を上げて、蘭菖が剣蘭じゃないかと看破します。
「戚容、また狂ったのかい?剣蘭って誰?」と謝憐が言うと「は?ほんとに何も見えてないんだな。彼女は仙楽の名高い乙女じゃないか!」と教えてくれます。
戚容って本当に物覚えがいいですよね。ここは感心する。太子殿下はほとんどなんも覚えてない…人のこととか…
剣蘭は太子殿下の後宮に入るかもしれなかった女性で、有力な一族の出身だったそうです。しかし謝憐は修行に熱心だったので宴などにも出ず彼女のことは覚えてなかったらしい。王子だったらそんなものなのかもしれませんね。
扶揺は「将軍は何も言っていませんでした。ただ、仙楽国の民であったので、あなたのことを過去に見たことはあっただろうと」と教えてくれます。
蘭菖は「剣蘭」と呼ばれて「その名前で呼ばないで、その名前は捨てた、もうずっと昔に…」と喚きます。彼女が名前を捨てたのは、鬼になってしまい、彼女の死んだ一族に累が及ぶのを避けるためのようです。もう、この背景だけで泣けてくるんだが…。
かつての彼の信徒、そして守るべき民だった女性の登場に謝憐が言葉を失っていると、小さな手で謝憐の手を握ってくれる花城。いじらしすぎ。かわいい!ここ、鬼だから体温がないはずなのに温かく感じるっていう描写があって、じーんとしてしまう。
しんみりした空気を破ったのは戚容で、「その胎児の父親は誰なんだ?そこの太子にいさまか?そんなわけないよな、じゃあ誰だっていうんだ、そうか、そういうところに売り払われてそこで孕ったのか?」と心無い言葉を蘭菖に投げつけていきます。
ここで、地の文では剣蘭に変わってるんですが、本人(鬼)が呼ばれたくないと言っているので私は蘭菖と呼ぶことにします。
蘭菖は戚容を殴ります。鼻血を出す戚容。手を叩いて喜んじゃうくらい殴ってくれます。そうだそうだやったれやったれ!殴る蹴るで「誰がてめえなんかを望むか、このゴミ野郎!」と罵ってくれます。
わりともうひどい状況なのですが、そこへ雷鳴と共に風信が登場!扶揺は「誰にも話してないって言ってませんでした?」と言い花城は「招かれざる客だ」とつぶやきます。散々な言われよう。
風信はねえ、殿下が途中で応答しなくなるから、彼のかすかな気を辿って探し出してくれたんですよ!健気じゃないの。
風信は辺りを見回して「一体何がどうなって?」と何もわからない様子。当然ですね。そんで、花城を見つけて「この子どもは…?」と尋ねます。
「かわいいだろう?」「かわいい?彼はまるで…」血雨探花みたいと言おうとしたんだと思いますが謝憐が言葉を取って「私の息子みたいだろう?」なんて言います。「いつ息子ができたんです!?」「まだいないよ。でも、できたら、この子みたいにかわいいはずだよ、ねっ」と言う謝憐。かわいいんだけどさ〜、今言うこと?かわいいんだけどさ〜。
花城も謝憐の手を握って「その通り」って笑う。かわいいんだけどさ〜。
風信も扶揺も言葉を失うのであった。
そうこうするうちに蘭菖が逃げようとして止める謝憐。風信は持っていた風神弓を使って彼女の足を狙います。そこで胎児の霊が母親の危機を察知して扶揺の手の中で暴れ始めます。蘭菖は胎児の霊の声を聞いて「錯錯!」と名前を呼びます。
英語だとCuocuoって書かれてるからツォツォとは読めないのだが!?
錯錯は胎児の霊とはいえ、かなり異形の姿をしています。トカゲっぽい感じ。
錯錯は風信に襲いかかり、風信も弓で応戦しようとします。蘭菖は「戦わないで、逃げて!」と息子に言う。弓矢は錯錯の足を突き刺し逃げられなくなります。蘭菖は抜こうとしますが彼女の力ではどうともならない。
風信は「よし、それでは戻ろう」と言い、彼女の姿を見て「剣蘭!?」と声を上げる。
ここも知り合いだったんですか???
待って待って、情報が多すぎる。前に読んだ時も思ったけど、盛りすぎやろ!
彼女は風信から顔を隠そうとして、「人違いです」と告げる。それに対して「何を言ってるんだ、私が君と見間違うわけがない。とても変わってしまっているが…」と風信は言い募るも、途中で言葉を切ってしまいます。というのも、上天庭で会った時、彼女の厚化粧を見てわからなかったからです。
なんだかロマンスの気配。
彼女を愛した両親でさえ見抜けないような変わりようではあるものの、風信は「君だ。君でないはずがない。私は、君は結婚していい暮らしをしていると思っていた。どうしてこんなふうに…?」と尋ねます。
そこでキレる蘭菖。日本語だと「このろくでなし!」くらいになるのかもですが、英語だと"You motherfucker!"なのでめちゃくちゃ強い言葉だ。
「私はそのババアじゃないって言ってんでしょ?人間の言葉もわからないわけ?頭ん中、空っぽなの?三回も「君だ、君に違いない」なんて言って……。知らないふりができないの?わからないふりも?お願いだから、尊厳を守ってくれない?わかった!?」
彼女の言葉に、記憶の中の剣蘭とあまりに違ったせいか言葉を失う風信。
戚容はとっても嬉しそうにその様子を見て「ハハハ!太子にいさま、最も忠実な犬に寝取られたな!」とヤジを飛ばします。蘭菖は「テメエが犬なんだよクソが」と罵ります。
蘭菖が剣蘭であったころ、彼女の肩には一族の期待がのしかかっていたけれども、彼女は宮廷に入ることも後宮に入ることもなかった。なので、戚容の言葉はまったくの出鱈目です。
謝憐は、女性が苦手なはずの風信が彼女と面識があったことにも驚くのであった。
錯錯は弓矢を抜くと、風信の右腕に噛みつき、風信は左手で霊を打とうとしますが、それを止める蘭菖。彼の左手は空を切り、恐ろしい考えが生まれる…。
と書かれていて、「恐ろしい考え」ってひとつしかないだろ…と、怯える私。
次章に続く!