信じられないんだけど、昨日22時くらいからメモ書いてて(もはやメモとは?)、気がついたら3時でびっくりした。このペースだったら2時間くらいだなとか思ってたけど甘かった。130章は盛りだくさんの最高潮だからな…。
メッセージもありがとうございます。読者になってくださったということなんですが、英語版のメモを終えたらあんまり更新しなくなるんじゃないかなあと予想しているので、いつでも外してくださいね。このしずかなインターネットは更新しましょう!みたいな、そういう煩わしさもあんまりないので気に入っているんですが…。
あと、自分のフィルター通して読んでメモしてるんで、よけいなノイズになってたら申し訳ないという気持ちがあり…。こいつはこう考えて読んだんやな〜くらいに思って一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。
さて、涙涙の別れを経てからどうなったかというと……。
130章の最後の裴茗と慕情のやりとり、ここ、メタ的な意味があるんかもなってさっき読み返して思いました。「終わったのか?」「終わったとは思えない」なんて、読者の気持ちを代弁しているかのような台詞だ。
白い道服に身を包んだ謝憐が太蒼山にやってくる。どの神官も彼を歓待します。丁重で礼儀正しく、これまでの反応と全然違うのだった。
雨師もやってきていて、守護獣の手綱を握りながら頭を下げます。彼女は黒牛の背にたくさんの農作物を持ってやってきていて、それは霊力にあふれた滋養たっぷりのもの。
雨師篁は謝憐に「殿下にこれを」と袖から小さな包みを渡します。それは白い帯。謝憐は見て喜びます。「感謝します、雨師!私はそこら中探していたんです」風信も布を見て「希少なものだ」と評する。「そう、若邪を繕う布を探していたんだ。さっそく始めよう〜」と謝憐は裁縫に意欲を見せますが、「できませんよね?」と風信が釘を刺して「慕情、お前がやれ」と言う。
「は?俺に縫い物をしろって言ってるのか?」「お前、得意だろ、こういうの」「こんな風に従者扱いするなら、明日には俺は床を掃いてることになるだろうな」「大丈夫、大丈夫。私がやるよ!」
殿下の言葉を聞いて慕情は黙って布を手にするのだった。……殿下に任せておけないのだ。
裴茗もやってくるけど牛に威嚇されて退散する。「裴将軍の腕はまだ治っていないのでしょうか?」と雨師。「まだです」と謝憐。「容広を明光として使う約束をしたときに、腕を謝罪の証として要求されましたが、結局、彼の恨みは十分に晴れたので、手足の回収には踏み切らなかったんです。裴将軍の面目は保たれましたが、それでも大けがでしたね」「なるほど。裴将軍の顔色が優れないのももっともです」
雨師は裴茗を案じるけど、雨師自身が裴茗にとっての鬼門なのですよね。なぜなら彼女は何度も裴茗の危機を救っていて、女性を守るべき自分がその女性に守られているというのは彼にとっては恥辱に等しいのだった。
しかしそんな裴茗の心中など雨師が察することができるはずもなく(彼女は善意のかたまりである)、いつも礼儀正しく彼に接するのであった。この二人、なんとかならないのか?ならない?そう…。この距離感が美味しいのかもしれないな…。
「宣姫はいかがでしょう」「一緒に会いに行きましょう」と二人連れだって、太蒼山の麓に封印されている宣姫のもとにいく。そこには裴宿と半月がいて、二人はここに人間が入ってこないよう門番をしてくれている。
あ〜、裴宿と半月の二人もどうにかなってほしいので…二人が一緒にいると嬉しい。
太蒼山には刻磨も幽閉されていて、彼はずっと呪いの言葉を吐き続け、二人はいつしかそれを自分たちがでくの坊になってように聞いて、何を言っているのかわからないふりをしているのだった。
二人がやってきて、裴宿と半月は喜びます。「いつもすまないね。雨師が宣姫にお会いしたいそうだ」しかし、裴宿はためらいます。「何か問題が?」「昨夜、彼女は散華しました」
dissipate=散る、から仏教用語に訳してみたけど、あってるかどうかはわからん…天官賜福は道教と仏教が入り交じってるってことでいいのかしら。今更ですが。散華は死亡するという意味なのでやっぱ違うかもな。
宣姫の恨みも晴れたというのです。彼女は何百年も裴茗に執着して、彼を振り向かせようと、彼を縛り付けようとした。しかし、ここへ来て、それがかなわないことを思い知った。彼女がこの世にとどまっていたのは裴茗の言葉を拒絶していたからですが、諦めた今となってはここにいる理由もない。そうして、散っていったのでしょう。
雨師は宣姫のために祈りを捧げます。宣姫は雨師にとって滅亡した雨師国の最後の生き残ったひとだったのです。妨げることをよしとせず、謝憐は彼女を置いて離れます。
入り口に戻ったとき、裴宿と半月は二人そろって果物を食べていました。かわいい!謝憐も一緒に食べようとしたとき、何かが走っていくのが見えます。謝憐はそれを追いかける。すると、そこにいたのは剣蘭でした。
「さよならも言わずに行くのかい?」
剣蘭は腕に胎児の霊を抱えていて、謝憐にびっくりして飛び上がる。
「止めに来たの?」「心配しないで。あなたにあげたいものがある」
謝憐はお守りを渡します。「錯錯の力は強いからね。制御が必要だ。あなたの修為は彼より高くない。何かが起きる可能性がある。これが助けになる」
剣蘭はためらいつつも受け取ります。「ありがとう」「礼は不要だ。これを使うときは、「殿下、どうか見守ってください」と三回唱えて。そうすれば私の観で数えられるから」
「あなたは私を止めないの?なぜ?」「剣蘭嬢、なぜ行かなければならないのか?風信は君たちの世話をすると言っているし、約束を守るよ」
剣蘭はため息をつきます。「ええ、そうでしょうね。でもいいの。これが一番。彼と一緒にいたくないの」謝憐はちょっと驚いて「あなたは彼をもう愛してないの?」と尋ねます。
「風信は本当にあなたを愛している。疑いようもない。あのとき、彼は本当に疲れ切っていた。でもあなたを手放そうとしなかった」
昔を思い出したかのように剣蘭は笑う。「思い出したわ。あの頃の彼はまだ少しバカだったわよね。長時間働いて、一晩中私を買うためのお金を稼いでいた。でも、彼は椅子を運んできて私の隣に座るだけなの。座っておしゃべりする以外、何もしなかった。みんな彼が悪ふざけしてると思っていたわ。なんておかしいの!」「行っただろう、彼は本当にあなたを愛してるって」
剣蘭は笑顔を引っ込めます。「ええ。でももう昔のことよ。あの頃愛があったとしても、今もそうとは限らない。慈善や迷惑になりたくないの」「風信が迷惑だって思うのかい?風信がどんな人間か知っているだろう」「太子殿下、あなたは普通の暮らしをしていない。だからシンプルに考えられるの。もちろん私たちのことを迷惑だなんて思わないでしょう。そしてそれをおくびにも出さない。でも、時間が経てば変わる。もし私が彼を探したかったら、とっくの昔にそうしていたわ。南陽殿はどこにでもあるから。でも、私はしたくなかったの。彼は飛昇してとても立派になった。でも私たちは鬼になって、どうして探すことができるの?神官の間で問題になるのがわかってるのに」
最も美しいときに自分は振られた、それでいいと剣蘭は言います。自分たちを悲劇にしたくないと。錯錯がいるだけで十分だと彼女は言い、若い頃に永遠を誓ったとてこの世界に「永遠」はないのだと言います。もはや永遠の愛など信じていないのだと。
「風信はとてもいい人。ただ、ちょっと長い時間が過ぎてしまったの。何もかも変わったわ。だから、行くのが一番なのよ」
彼女が話すのを黙って聞いていた謝憐。しかし、彼は心の中で「違う」と否定する。心の奥底で声がするのです。「永遠は存在する。ただ一人、達成できる人間がいる。私は信じる」
剣蘭と錯錯が去ったのを見送り、雨師と落ち合って太蒼山に戻る謝憐。風信に剣蘭たちのことを話すか迷いつつ風信を探しますが彼はおらず、かわりに郎千秋と出会う。郎千秋は功徳の計算から逃げようとしているところでした。謝憐を見つけて郎千秋は「師……国……殿下」と言う。複雑な関係だ。
郎千秋は謝憐に話したいことがあると急ごしらえの宮殿を出て謝憐を誘います。
「谷子は元気?」「元気かどうか。父親がどこか毎日尋ねて、悲しくなります。私は青鬼の魂を集めて提灯の中に入れました。すると毎日それを見ては、いつ大きくなるんだろうと尋ねるんです」
郎千秋の心中は察してしかるべし。戚容は彼の一族を皆殺しにしたのに、こんなことになるとは。謝憐はただ彼の肩に手を置きます。「大変だったね。それで、私に何を話したいんだい?」
郎千秋はためらった後、服の中から美しく光り輝いた、なめらかでちいさな紅い珊瑚の玉飾りを渡します。「これは!?」「これは永安国国父の秘宝です」
それを聞いて、これが花城の編んだ髪に結ばれていたものではないことに気づく。がっかりしたものの、手に取ります。
「建国の父が彼を助けてくれた、ある男からもらったものだと話していたそうです。彼は救済者で、とてもいい人だったと」「……」「しかし、同じように、その男は自分の行動によってすべてを失った。国父は彼がしたことを後悔していないと語ったそうです。彼には選ぶ道がなかった。それでも、後になって考えてみると、彼はやはりあの男を不当に扱ったと感じていたと」「それで……?」「それで、私は血雨探花の編んだ髪についた玉飾りを仙京で見た。見れば見るほど、国父の秘宝に似ている。玄真将軍にその玉飾りが対になっているとうかがいました。もともとはあなたのものだったと。だから、尋ねます。これはあなたのものですか?」
謝憐は固まった後、ゆっくりと頷きます。「私のものだ。私が若かった頃、両親がくれたものの片割れだよ」郎千秋は頭をかきながら「では、お返しします」と言う。
なんと答えていいかわからず、手のひらの中でそれを握ったままずっと立つ謝憐。800年の時が過ぎていました。紆余曲折を経て、耳飾りの片割れが戻ってきたのです。これは彼のものでした。しかし、同時に「彼」のものでもある。耳飾りはそろっていなければならないのです。
そこで風信の声がする。「殿下!みんな!!早く来い!!」
なんだなんだと132章に続く!