6巻、102章まで読みました。途中で区切るのがめっちゃ難しくて…。今まで「ワハハ」つって読んでたんですけど、起こることがあまりにあんまりで読むのが苦しい読書でした。
だって、これまで指輪物語だと思って読んでたのに6巻の第3部後半は『ミレニアム』の真相解明パートが始まって、第4部から東野圭吾の『白夜行』とか宮部みゆきの『火車』とか重松清の『疾走』が始まるんですよ。
6巻読んでる時に1章ごとにメモとろうかと思ったけどやめました。
どんな言語版であったとしても、絶対自分で読んだ方がいいと思います。なぜなら、読書は体験だから。私のメモごときで面白さが伝えられるわけがない…。読んで体験してほしい〜!早く日本語版の最終巻まで刊行できますように…。
ともあれ、メモは書く。
92章〜94章は第3部の最終パートです。ここから急にスティーグ・ラーソンの『ミレニアム ドラゴンタトゥーの女』が始まったな…て思いました。(映画も原作小説もとっても好き)
誰かがここにいる!て警告されて探すと空殻が見つかります。そこで謝憐は白無相の姿を見るのですが、これは謝憐にしか見えません。
そうこうするうちに外から声が聞こえてきて、こんな雪山(いつ雪山に入ったのかわからんが銅炉山は高い山だから雪が降っているのだろう。この描写を読み飛ばしたようです)で誰が叫んでんねーんと見に行ったら、なんと、南風と扶揺が戦っているではありませんか。
花城は「放っておこう」って言うんですが謝憐は二人を止めようとして雪崩に巻き込まれます。花城の警告はわりと無視されるのであった。
で、気がついたら洞窟?の中にいました。どうも修行に使われる場所のようで、花城の無事に再会して歩いてみたら、そこにはめっちゃ彫像が…。拙いものから素晴らしいものまで、ざっと一万体(一万体?)。それらは全て神像で頭からヴェールをかぶっており顔を見れない。
謝憐は花城に「ここが何かわかる?」と尋ねるのですが、花城は「知らない」と答えて早く出ようと促します。
南風と扶揺の声が聞こえて、謝憐は二人を探しに飛び出します。すると、洞窟の下の方に白い繭のベッドのようなところでぐるぐる巻きになって捕まっている二人。これは、指輪物語あるいはホビットの冒険でおなじみの、蜘蛛の仕業では!?とわくわくを隠せない私。
謝憐は助けようとして自分も落ちてぐるぐる巻きになります。なんでやねん。しかも南風と扶揺が「あなたも落ちてどうする!」とキレてるのに、爆笑する太子殿下なのだった。で、また二人が言い争いを始めて、その言動がだんだん歯に衣着せぬものになり、二人がそれぞれ風信と慕情の分身であることがわかります。謝憐も「いや〜、半月関くらいからわかってたけど…」と白状するのだった。まあ、あんま隠す様子もなかったから…。でもバレてないと思ってたの、かわいいですね。
ただ、慕情は「俺たちを笑っていたんだろう!」と被害妄想を炸裂させ、風信が「誰もがみんなお前みたいに狭量だと思うな。殿下はお前が天界の牢を破ったときもかばったんだぞ」とかばい、それに対して錯錯のことを出されて、三人ぐるぐる巻きになりながらしっちゃかめっちゃかに…。
赤い糸でつながってるから助けてくれると思う〜と謝憐が呑気に言って、それについても二人が「赤い糸!?」と目を剥くとこが面白かった。そして、指摘されて初めて「赤い糸で結ばれてるのは確かにそういう意味っぽい」と考えるのもおもろかった。読者は最初から「赤い糸!?!?」ってなってたんだよ。
赤い糸のおかげなのかなんなのか、花城が助けにきてくれました。
ここからがもうよくわかんなくてね…。いや、わかるんだけどいろんなことが起こったのであんまり理解できてない…。
風信と慕情は元の姿に戻って、謝憐と花城と神像が並ぶところに戻るんですが、そこで少し話をしたあと、二人は花城に不意打ちで攻撃をし、謝憐を連れて逃げ出します。
慕情が花城の髪飾りが、八百年前に謝憐がなくした珊瑚の耳飾りじゃないかと気づくんですよ。そんで、神像のヴェールをはがして、そこにあるのが全て謝憐をかたどったものであることがわかるんですよ。で、これ彫ったの花城だよね?ってなるんですよ。
こわいよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
慕情はここにある神像の服が全て謝憐がかつて身につけたことがあるものだったと言い、さらに奥で、謝憐を描いた絵をたくさん見つけて、そのどれもに赤い姿が描かれていることも発見し、それが全部、花城じゃないかと…。え?絵も描いたんですか??
こわいよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
花城が追いついてきて、二人は謝憐を連れてさらに逃げる。謝憐は彼は危険じゃないというけど、二人にとっては花城は狂った危険な鬼なのです。
私も、さすがに一万体は…て思うんだが、八百年、信じていたら、一年に二十体作るかもしれないし…作ったら一万体になるし…しかし…。ていうか、花城、ここ見つかった時、大変な想いをしていたでしょうね。まさか、推しに推してる部屋見られると考えてなかったと思うし…。泣き笑いするしかねえ。
謝憐を黙らせるために慕情は護符を使って命令に従うようにします。ここまでするか?と思ったんですが、これにはわけがあってですね、慕情も風信も、実は白無相が化けた姿だったんです!
いつから?????ていうのがわからんくて、読み返してもよくわからんから、またいずれ答え合わせをしようと思います。護符使うまではまったく私も疑ってなかったよ。
花城と風信、慕情は死闘を繰り広げます。二人が血溜まりに倒れて、謝憐は駆け寄り、慕情が「奴は怪物だ」と血を吐きながら言いますが、謝憐は「怪物はお前だ」と言って止めをさします。それで、白無相の姿に戻って、嘲笑うように消えてしまいます。
私の語彙力と説明能力ではここのすごさが全然伝わらないから、ほんと読んでほしいです。花城の見せていなかったものが少しずつ明るみになり、それが読んでいるものの不安感を煽る流れなのがすごいし、本当に風信と慕情が偽物ってわかんなかったから、読んでてめちゃくちゃこわかった。
謝憐は白無相がトラウマなので取り乱しますが、花城はいつものように安心させようとして、それも途中で止まってしまいます。
「いろんなことが一度に起こったから、混乱している。今もまだ困惑することがあるけど、今、君に質問する時間がほしい。正直に真剣に答えてほしい」
謝憐が切り出して、花城はいつもの自信たっぷりの様子とは少し違って、了承します。
「その "高貴で気品のある特別な人 "とはいったい誰?」「殿下がすでに知っているのなら、どうして尋ねるんです?」「そうだね。だから、誤解していないよ。本当にその通りだ」
この質問なんですが、まだ神像をつくったのが花城だとわからんかったときに「こんなに崇められてる神様は誰なのかな〜」と謝憐が呑気に言ったことに対して花城がそう答えてて…。まさかこんなことになるとは…ですよね…。
でもさ、ここでいいのは、謝憐が花城を受容してることなんだ。私はゆるす受と受け入れる受がものすごく好きだから、謝憐が花城を否定しないのがめちゃくちゃ嬉しいよ。もし、これが恋愛じゃなかったとしても、謝憐が花城に対してはいつもこうだろうなと思う。
「君は、私がどんな気分か知りたくない?」と謝憐は尋ねるのですが、花城は彼にしては珍しく、謝憐が目に入るのをこわがるように頭をさげて「殿下、どうか俺に言わないでくれませんか」と声をひそめて請うのだった。それに対しても「ごめん。こういうことははっきりしておいたほうがいい」と許しません。
が、花城が答える前に洞窟の奥で音がして、二人はそちらに向かいます。本物の慕情と風信が言い争ってる。合流して、白無相が現れたこと、彼らに化けていたことを告げ、二人には天界に戻って君吾に報告してほしいと謝憐は告げます。いいんかな。君吾が悪いんじゃないの?
二人は「二人とも気をつけて」と告げて花城の銀蝶に導かれて外へ出るのだった。
花城と謝憐は二人きりになり、歩いていきます。神像の一つに他のものと違ったものがあるのを見つけて、謝憐は立ち止まり、ヴェールを取ります。
「三郎、これも君が彫ったの?」
花城は俯いて黙り込む。これまでめちゃくちゃ自信満々だったのに!!!
「これは掘り始めた最初のころのものなんだ。哥哥、見ないで」
で、確かにその神像は拙いんですが、「もう見ないで」と言われて「これ、とっておかわいいよ!」と答える。そして、自分のことをかわいいと言ってない?と気づいて笑い出し、花城も笑う。
この洞窟に入ってからは花城はずっと恭しく「殿下」と呼ぶのですが、このあたりからまた「哥哥」と呼んでいて、ほっとする。
他の像も見ようとして止められてからのやりとりもよかった…。
「もうこれが私だってわかってるのに、まだ見ちゃダメなの?」「もし哥哥が見たいなら、別のときに作ったもっといいものを見せるから、ここのはもう見ないで」「なぜ?ここにあるのは全て素晴らしいものなのに。本当に、ここにあるものを見れなかったら残念だよ。あそこにある壁画だって……」「破壊する」「ダメダメダメ!どうして破壊するの?私が見たと言ったから?わかったわかったわかった、本当のことを言おう、私は少ししか見てないんだ。上元祭天遊と軍にいたときのものだけ。風信も慕情も見せてくれなかったんだ。だから君が何を描いたのかは知らない。だから、壊さないで!」「本当に?」「本当。君が見て欲しくないなら、見ないよ」
ほっとする花城。謝憐もそれ以上おねだりができないのであった。
白無相は死んでいなくて、もっと強くなるために銅炉山にきたのだろうと推測しますが、この鬼の行動は昔から不可解で、謝憐は花城に害が及ばないようにと願います。
花城はもう死んでるから大丈夫と言います。鬼は骨灰を破壊されなければ死なないので。それを思い出してホッとする謝憐ですが、彼がいつ死んで、なぜ鬼王になったのかは聞き出せずにいました。それで、「仙楽国以外で、私たちは会ったことがあったかな?八百年の間に…」とだけ尋ねます。「残念なことに、俺は決してあきらめず、あなたを見つけるために全力を尽くしたが、見つからなかった。どうしてそんなことを聞くの?」と花城。
謝憐は追放されて最初のころは本当にひどかったから君に見られなくなかったと説明しますが、花城は「ありえない」と微笑みます。「無限の栄光に包まれているのはあなた自身だ。恩寵から堕落した者もまた、あなたである。 重要なのはあなたであって、あなたの状態ではない。そう教えてくれたでしょう」「そんなことを私は言った?」「言ったよ、否定しないで」「いや、そう思わない」「証明しようか?」「君は、三郎、君は全部記録してるっていうの!?」「冗談だよ、冗談」「君が信じられない」「信じて」「もう信じない!」
こんなやりとりができるのもここまでです。
白無相を止めるために先へ進んでいくと、血だらけの郎蛍を見つけます。
郎蛍はずっと白無相のキャリアだったことがわかります。君吾に敗北した白無相は彷徨い、どこかのタイミングで郎蛍に憑依してずっと過ごしていたらしい。なぜ郎蛍が身を差し出したかと言う問いに対して、「姓が郎、永安、そして人面疫に苦しんでいた。どうして彼が私に食べられることに同意したかって?わからないのかい?」と言って白無相は再び行方をくらませます。
炉に入らせるわけにはいかないと追いかける二人。しかし時すでに遅く、たどり着いた時に炉は閉まっていました。すでに白無相が入ってしまったのです。
「私は行かなくちゃ」「じゃあ、行こう。俺も一緒に行くよ」と花城は言って、謝憐にキスします。
空気を移すためでも、人工呼吸でも、暴走を止めるわけでもなく、事故でもない、カウントしていいキスです!!!!!
動揺した謝憐は手のやり場に困りますが、花城はしれっと「霊力を貸したよ。緊急事態の時のために」と言う。「受け取らなかった?」「多すぎるよ。私は返せそうにない」「時間をかけて返済して。いつか精算される」
謝憐は明後日の方向に向かおうとするのだった。
ごめん、さっき、イチャイチャすんのおわりっていったけど、ここがおわりだったわ。
さて、いよいよ炉にダイブ!するのですが、案の定、花城とは離れ離れになってしまいます。そして、白無相と対峙します。
一体何が望みなんだと問う謝憐に白無相はこう答えます。
「君のせいだよ。君がここにきたから、私もそうした。君は勝てない。いつも殿下と会うときは、こんな感じだ。苦しくなる。わくわくする」「私が勝てなくても君吾がお前を殺す」「誰が、私が炉から脱出すると?殿下、君は誤解しているみたいだ。最後に残ったものが炉から出る。でも、それは私じゃない。君だよ」
白無相の言葉に謝憐はかたまります。
炉から出るのは殺し合って生き残ったものだけです。そして、それは鬼でなければなりません。
「ようやく君は私の望みを理解したみたいだ。これって、君が好きな「三つ目の道」じゃない?」
つまり、謝憐が自分自身を殺して鬼になり、白無相を殺せば、ここで勝者となり炉を壊すことができるのです。
「君が私に君を殺すことを望んでも、できないことはわかっているだろう。炉だって私を認めない」「本当にそうかな?君は私を倒せない?そう決めつけないで」
白無相の手には半分泣いて、半分笑っている仮面があって、それを謝憐に見せます。
「これは君にぴったりだ」
謝憐は仮面を見て、どこかへやってくれと弱々しく言いますが、白無相は笑い始めます。
「あんまり殿下の記憶力はよくないみたいだ。じゃあ、思い出すのを助けてあげる」
そして、仮面を押し付けられるのだった…。
第3部完!