天官賜福 風師のとこ

A4(えーよん)
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日本語版3巻と原作本編のネタバレを含みます。

あと、非公式のサブキャラ同士のカプについての言及があります。

これは日本語版3巻にあたる英語版の3〜4巻を読んでいたときの私のつぶやきです。

あんなに明るい風師がこんなことになるなんて…と読んだときは思ってたんですけど、英語版5巻では謝憐たちがさほど話題にしてなかったのと、6巻はもっと地獄回が始まって、そんで法力を失った師青玄と再会するので今はさほどダメージがありません。

いや、この2月25日の時点では大混乱ですよ。黒水はいつから地師になりすましててん…とか。火竜嘯天の術を使ったのが本物ってことは、そのときは生きてたから半月関に一緒にいたのはどっち?とか。日本語版ではっきり、地師は飛昇したてのときに拉致されたってことがわかったので、風師と一緒にいたのはずーっと黒水だったって事実にまた、噛みしめるわけですけども。

泣けてきます。この二人のやりとりを想像すると。

7巻でわかることですが、黒水は自分の命格を入れ替えたのが誰なのか、そのときまではわかっていなかった。それをリークしたのは他ならぬ君吾で、その目的は水師の力をそぎ落とすことです。君吾にとっては黒水がどういう経緯で鬼になったとかはどうでもいいことで、謝憐の仲間を傷つけて試すというもくろみもあったのかもしれません。ただ、ずっと最初から知ってたってのが私には耐えられんわけだが。

だから、黒水が地師として風師と交誼を結んでいたのは、少なくとも、知らなかった間だけはお互い本物なんだよな。

絶のこととかわかっちゃいないが、絶になるのは銅炉山に入って最後の一人になったからなれるってもんじゃなくて、そもそもの要因が備わっているかどうかで、銅炉山に入らなくてもいずれは絶になるって梅念卿が言ってたので、賀玄は命格を入れ替えられてあの死を迎えて資格を得ている。なので、彼が彼たる理由は家族四人への哀悼と運命に対する憤りのため、師無渡はもちろんのこと、師青玄を憎むのが彼を彼たらしめている。

師無渡を殺した後、師青玄によれば、黒水は彼を傷つけることなく解放したらしい。復讐が終わったからなのか、どうなのか。でも、the Royal Capitalでthe Human Arrayを守るときに、花城との取引があったからとしても、彼の元にやってきて法力を渡す展開、熱すぎて泣いた。

憎しみと慈しみって同時に存在できるものなのかもしれない。彼の存在を許すことが、受け入れることが、家族四人の死を冒涜しないのであれば。

師無渡なんて悪人そのものですけど、全て師青玄のためという盲目的な愛が彼をいっそう魅力的に見せているなとも思います。正直に言うと、めっちゃ好きなので…。死んだのは悲しいけど、生は全うしたし最後に賀玄に唾も吐いてるし、師青玄と永劫神官でいられないのは彼としては残念としても、天命があそこで尽きたって感じがして、怒りは抱かないんですよね。

ちなみに、めっちゃ好きなのは師青玄のことを彼なりに溺愛しているからです。幼い頃のエピソードも好きなんですよね。お弁当を持って行ってあげる弟…。そこで恐ろしい目に遭うわけですけど。つうか、白話真仙は君吾が作ったもんやねんから、全部元凶君吾じゃん!

最期、師無渡は師青玄の首を絞めるじゃないですか。あそこは本気だったと思う。本当に一緒に死ぬつもりだったと思う。黒水が師青玄が死ぬ前に師無渡を殺したのはなぜなのか…。私、この問題、八十のおばあちゃんになっても噛みしめてそう…。

師無渡が高らかに「俺は勝った」というところも好きなんですよね。矜持がある。悪を成しているという自覚があり、それでもなお、それが自分の正義だという。

謝憐は師無渡の解釈を「そんな解釈ある?」って疑問に思ってたけど、あなたも昔同じようなこと言ってましたよ。「天が間違ってる」ってな。まあ、「いいこと」が前者は個人的かつ利己的で、後者はもっと広い、常識についてのことを言っていたけど、天からすりゃ、どっちも同じだと思う。

こうしていろいろ綴っていくと、天官賜福…というか、墨香銅臭先生の作品は善悪の判別が難しい存在がいっぱいいますね。君吾/白無相は私の中では悪だけど、謝憐にとっては一言では片付けられない存在だし。

「彼」が師青玄に法力を渡すところ、自分でやれっていうところ、わだかまりがなくなったわけでも許したわけでもないけど、師青玄にやらせることが、新しい関係性が生まれていて、よかったなあと思います。(その後二度と交わらなかったとしてもね)

どうして二人のカプ表記、双玄て書くんだろうって思ってたけど「なるほど」だし、beefleafもかわいいなと思います。なんか…なんか、自分へのアンサーのために二人の話も書いてみたいんだけど、何を書いても納得いかなさそう!この、言葉にしない関係というのが二人にはぴったりなのかなと思って。

でも、八十までこの二人のこと語れると思う…(同じ話のループかもな)

追記: 自分の書いたこと読み返して、いや、賀玄は自分をまず呪ったかもなーと思った。自分がいなければ家族は無事だったのでは?と一度は考えたと思う。どう考えても、アンタのせいではないが。このあたり、Fate/EXTRA CCCとか思い出してしまうな…。CLAMPの聖伝とかね…。あと、花城が天界行きで身代わりを黒水に頼んだ時、君吾のこととか話してたり…て思ったけど、梅念卿から君吾の話を聞くのは天界行ってからだから、それはないか。君吾が白話を作ったからといってもしでかしたのはやっぱ水師だしなあ。ぐるぐる考えるのであった。

@checaldooggi
書くことを続けられたらいいな。読んでくださってありがとうございます。 天官賜福とさはんにハマっているのでその話が多めになるかも。 匿名の質問箱はこちら mond.how/ja/checaldooggi