天官賜福 英語版 7巻 112章メモ

〜前回までのあらすじ〜

白無相は烏庸国の太子だった!彼は飛昇して神官になったっぽいんだけど、その後、鬼になっちゃったってこと?なんて疑問を抱く間もなく、仙楽国の国師・梅念卿が君吾こそ白無相だと明かす!

〜あらすじ終わり〜

墨香銅臭先生は、本当に背後にいる人間のこわさ描くのうまいですよね。英語版はここの挿絵もあるんやけど、地の文が、もうこわい。あと追いかけっこもこわいです。

烏庸国の太子が君吾やろ!と根拠もなく思ってたけど、まさか白無相が君吾だったとは知らなかった…。

これまでの白無相との思い出が脳裏に蘇ります。

朗英と契約して人面疫を蔓延させ…永楽との争いを起こし…謝憐をめちゃめちゃ痛めつけて精神的に追い詰めて彼を絶望させ…

この行いを、天界のトップがやったの!?そのときもう、至高の存在だったのに!?

無理。生理的に無理。子安の声帯をもってしても無理。(でも子安さんだったら君吾らしく演じてくれると思う。腹立つな!)

ほんとになんなんこいつ…て気持ちでいっぱいですが、最初から天界がクソなのにもわけがあったんだ〜って納得した。最初からマネジメントするつもりがないならこうなって当然です。さっさと倒産してほしいけど…。存在するだけで害悪だよこの天界。

動けなくなる謝憐の手首を君吾は力強く握り、謝憐はあまりの痛みに剣を落とします。

しかし、その場にいた神官たちはみな、刃に映った顔を見て静まりかえります。

最初に動いたのは裴茗、慕情、風信の武神たち。彼らは君吾に攻撃をしかけます。

ここも私はびっくりして、天界のシステムがよくわからなくなったのだった。組織ではあるけど絶対服従ではないっていう感じなんですね?「天」ていう概念というか、彼らが「道」と思うものがあり、その天からの試練を乗り越えたものが飛昇して神になる。天=君吾ではないのだから、己の信念がある神官が君吾に歯向かうのは当たり前のことなのか。

しかし、君吾はさすが二千年も生きてるだけあって、千五百年も第一武神として君臨してるのは伊達じゃなく、全然歯が立たない。謝憐の手首を掴んだまま片手でいなし、裴茗たちは負傷します。

梅念卿に対して君吾は「そなたは私をまた失望させたな」と告げます。梅念卿は君吾に掴みかかって謝憐を逃がそうとしますが、全然歯が立たない。梅念卿は武神じゃないしな…。

謝憐は花城の通霊陣で話しかけようとします。恥ずかしいパスワードを言ったのに繋がらない。というのも、この天庭は君吾によって造られているので、銅炉山同様、彼の領域であり、力が無効化されるのです。ずるい!!!!!

さらに、神武殿に人がやってくる。それは錦衣仙をまとった霊文でした。彼女は君吾の忠実な部下らしく、てきぱきと君吾直属の部下たちに指示を出す。その場にいた神官たちをそれぞれ自分たちの住居に送らせ監視するよう命じます。

霊文が君吾側だったら情報操作も簡単じゃん〜!

というか、ここまで何もかも完璧に自分の思い通りになってるのに、一体何がしたいの…?

あと、直属の部下がいるならこいつを銅炉山に送れって思ったけどそもそも何もかもが君吾の仕組んだことなら謝憐を行かせただろうしっていうか、君吾からのオーダーってろくなものがなくて、本当に最悪。早くギタギタになって百万回苦しんで死んでほしい。でもこの時点でまだ7巻の4分の1くらいだから無理そう!くそっ!!

次々に連れて行かれる中、君吾の足下には錯錯がまとわりつきます。血を吐いて倒れていた風信は離れるよう言いますが、そんなもん聞くわけがない。父親をぶちのめした男の足に抱きついて風信のことが誰かもわかっていない様子。

やっぱり風信が父親だったの!?

私があまりに理解していないのだろうか…。いや、錯錯がなんで胎児の悪霊になったかもわかんないんだけど…。蘭菖が鬼になった経緯もわからんし、何もわからん…。7巻まで読み進めたのにこんなことってあるんだ…。日本語訳が待たれる。

裴茗は霊文に「なんて薄情なんだ」と複雑な面持ちで言います。「私が薄情なのは出会ったときからわかっていたでしょう。どうです、仲間になりますか?歓迎します」と霊文はしれっと言い、裴茗は乾いた笑いだけを返します。

謝憐は君吾に仙楽殿に連れて行かれます。

道中、混乱しつつも逃げようと考える謝憐ですが君吾にはかないそうにありません。仙楽殿に着いて、謝憐は何も思いつきませんが、「何も思い付かなくても構わないじゃないか。花城に連絡しなければ、すぐに何かおかしいと気づくだろう。その前に手に負えなくならなければの話だが…」と考える。めっちゃ花城のことを頼りにしてる〜!

君吾は「血雨探花のことを考えているのか?」と尋ねます。前ならなんとも思わなかったけど、今はこの質問がめっちゃ気持ち悪いな。関係ないよアンタには…。

謝憐はびっくりして心臓が跳ね上がります。もし「はい」と答えたら君吾は花城に何かするかもしれない。しかし「違う」と言ったところで信じないだろう。どう答えたものかと返事をしないでいると君吾は微笑んで「もちろん考えていただろう。そなたは彼と話したいはずだ」と断言します。

君吾の話し方はまったく前と変わらず穏やかで忍耐強く彼を導くような優しさがあり、それがよけいに怖い謝憐。そりゃ怖いよ。隣にいるのはサイコパスだもん。力も権力もめっちゃあるのにそれ使って人を不幸にするのをなんとも思ってないやつは怖い。

「さみしいのなら、何故彼に話しかけないんだ?」と君吾は通霊陣で話しかけるよう強要します。話しかけなければ何かあったと思うに違いない、その考えが君吾には筒抜けだったというわけ。

「仙楽、何を彼に話すべきかわかっているな。心配させてはいけない。そなたが手を差し伸べれば彼は喜ぶ」と釘を刺してくる。いちいちうるさいんだよな。

謝憐は勇気を振り絞って恥ずかしいパスワードを言います。

「哥哥。すごく久しぶりだ。ようやく三郎のことを思い出したみたいだね」「三郎、二時間も経ってないよ」「俺にとってはあなたが去ったことが問題で、あなたが二時間いなかったことじゃないんだよ。一瞬でも、別れは別れだ」

この会話を隣で聞かれる苦痛…!ハラスメントだ!!

「不幸なことに二時間以上待つことになるだろうな。続けなさい。彼に怨霊を対処するまで会えないと。回りくどい手がかりを与えないように。私には全て聞こえている」

ハラスメントだ!!!

怨霊を祓うには七昼夜必要です。「君が二時間も待てないなら、私が長い間そばにいなかったら君はどうするんだろうね」とだけ伝える謝憐。

「君吾がまたくだらない任務をあなたに与えたの?」「まあね」「手伝うよ」

その会話を聞きながら君吾は「彼に言いなさい。私が任務を終えた後そなたに三年の休暇を与えると」と命令します。

「大丈夫だよ。三郎。君はすでにあの陣を守るのに手伝ってくれてる。私に任せてほしい。神武大帝は私が任務を終えたら三年の休暇をくれるとおっしゃった。もう何もする必要がない」

それを聞いて「たった三年?」と尋ねる花城。うーん、この言い方かわいいな。

「三年じゃ足りない?特典だ」「わかった。いいよ。でも、それってあなたの特典だよね。俺にとっては?」「な、なんの特典?」「何を考えたの?」

花城が尋ねたとき、謝憐には確かに彼が眉をひそめ、唇を曲げているのが見える…。なんと答えることができるだろうかと困ってしまう謝憐。

隣に脅威がいるのに二人の会話だけで安心できるからずっとずっと喋っててくれ…。君吾は消えてくれ…。

「そういえば、哥哥はまだ俺にかなりの霊力を借りているんだけど、間違ってる?」と続けます。「いいや」「じゃあ、哥哥はどうやって返済するのか考えてる?」「あんまり…」

花城は笑って「あなたに考えがないなら、俺に決めさせてくれないかな。全部終わって休暇に入ったら、哥哥はゆっくり返済すればいい。どう?」

謝憐は「うー、むむむ、あー」と答えるしかない。

一歩一歩、ここまでずるずると誘導し、聞きたかった答えを受け取った花城は、ようやく満足して謝憐を解放します。

「それで、俺はあなたに何をしてあげられる?あなたが通霊陣で俺に話しかけるのは珍しいから」と言われて、君吾が謝憐を見ます。話しかけたのはひとえに、何も問題はないと安心させ、鬼王を人界に留めておくためです。

君吾の求める答えがわかっていたので謝憐は「実際のところ、何もないんだ。私が長くいなくなってから君が心配してないか気になったから」と言います。

「兄さんは自分で、二時間も経ってないって言わなかった?どうして俺が心配していないかって気にするの?」と鋭いことを言う花城。まあ、全部茶番だからね…。

花城との会話で目眩がしてくる謝憐ですが、少し不安になりつつ、愉快な気持ちにもなる。

「わかった」「何がわかったんだい?」

花城はほくそ笑んだようでゆったりと答えます。「哥哥、もしかして、あなたの方が恋しくてたまらない?こんなに短い間離れていただけで」

これ、君吾に聞かれてるんですよね……?

君吾に見られながら謝憐は顔が熱くなるのを感じつつ「……そうだ」と答える。

「俺もだよ。そこに行きたくてたまらないし、あなたを連れ去りたい」

この熱い言葉に謝憐は、もし本当に花城が来てしまったらとおそろしくなって、自然を装って返します。「大丈夫。ここはとても混乱しているんだ。もし君が来たら、彼らの首が飛ぶよ。もう少し長くそこで待っていて」「わかったよ、哥哥。姿を現して怖がらせたりしない。天界の光が嫌いだし、この円陣の人々を見守らなくちゃならない。ここでいい子に哥哥が戻ってくるのを待ってるよ」「うん、いい子でね」「あ、でも、もしいい子でいるなら、哥哥は手ぶらでは戻ってこれないよ。ご褒美がなくちゃ」「もちろん、もちろん」

こんな会話を交わして、通霊、終わり!

あれか?初めての恋人ができて家の電話でしか使えず、隣に父親がずっといて聞いてる感じか?なんでこんな最悪な事ができるの???

「下界での生活を楽しんでいたようだ」と君吾に言われて、なんと返せばいいかわからない謝憐。答える必要ありません!

とりあえず目的を果たしたからか、君吾は出て行こうとします。その背中に「あなたは、一体だれなんです?あなたは神武大帝?それとも別の誰かなんですか?」と問いかける。もし君吾と白無相が関連しているなら世界が根底からひっくり返ってしまいます。

君吾は答えず出て行くのだった。なんやねんほんまに。

さて、いろいろしっちゃかめっちゃかでいろんなことがあったので、謝憐はお風呂に入ることにします。

いきなりの入浴シーンか…。いや、いいんですけど。前は菩薺観で入ったっきりだったもんね。そういやあそこ、朗蛍が一緒に入ろうって言われて逃げるんだけど、あの朗蛍は花城なんだよね…。懐かしいあの頃が…。その後錦衣仙がらみで霊文と対決してそ、花城がちっちゃくなって銅炉山が開いてアドベンチャーが始まり、わけわからんうちにこんなことになっちゃったから、リフレッシュは必要だよ。

服を脱いだときにサイコロが二つ転がって、「哥哥が俺に会いたくなったら、どの目が出ても問題ない。俺はあなたの元に行くよ」という言葉を思い出します。この天界は君吾の支配下にあるので、花城が現れないとわかっていても戯れに振ってみる謝憐。二の目が出ます。それからも試す。

仙楽殿の風呂ってめっちゃ大きいみたいで、しかも玉(翡翠?)でできてるらしい。すごくゴージャス。そこにサイコロが転がってゆき「哥哥」という声が聞こえて、謝憐は風呂から立ち上がって「三郎?」と呼びかける。

花城の召喚に成功したのか!?と探しますが、誰の影も見えない。でも幻覚ではない感じがした。そこへ今度は「殿下!」という声がして、その声が自分から出ていることに気づく謝憐。なんと師青玄がSoul-Shifting Spell(なんだったかもう忘れた)で話しかけてきたのです!

一回繋がってるからこういうことが可能らしい。便利だ。

「風師!?」「あはは、そう、私だよ!すごいだろう。この風師……違った、私は霊力を取り戻した!」

この術はむちゃくちゃ霊力を使うので謝憐はどこから得たのかを尋ねます。

「長い話になる!あ、うん、そんなに長くはない。君の血雨探花が黒い雨をくれたんだよね。これ、すごいよ!食べた後に爆発的な力を得た。会話するくらいなら大丈夫。めちゃくちゃ不味いけどね」

といつもの調子の師青玄。

ところで、君吾も師青玄も「そなたの」とか「君の」とつけて花城のことを呼ぶので、嬉しくなっちゃいますね。わかってるじゃん…みたいな誇らしい気持ちになる。

さて、哥哥と呼んだのは師青玄だったのですが、それは花城が指示したから。

「わかってるよ。血雨探花が来たと思ったんだろう。違う?彼がそう君を呼んでって言ったんだよ。そうすれば、君が安心できるからって」「彼は隣にいるの?王都は大丈夫?怨霊は君たちに問題を起こしていない?」「全て順調だよ。怨霊はそこにいる。さっき、血雨探花と話していたとき、彼は幸せそうに話していたんだけど、通霊が終わったら暗い顔になって、恐ろしかったよ。そして私を呼んで、魂を君に飛ばしたんだ。殿下、彼から伝言だよ。殿下、服を着てって」

謝憐は不意打ちをくらい、服を掴んで光の速さで着込みます。「か、か、彼、三郎は見えるの!?」「うん。何度も繰り返すのはかなり面倒だから、見たこと聞いたことを全部そのまま彼に伝えているんだ。そうすることで、彼はあなたの言動をすべて把握できる。ただ、彼はあなたと話したり、あなたの体を直接コントロールすることはできない」と教えてくれます。

こんなお風呂イベントおもろすぎるな。このことがわかっていたら風呂に入らなかったのに!てなる謝憐。これまであまりにつらいことが続いたので、読者もこういう給水ポイントがないとやっていられないのだよ。

「気にしなくていいだろう、私たちは全員男だし」と言われて謝憐はとりあえず話題を変えることにします。

「三郎、どうして異変に気づいたんだい?」「血雨探花はこう言ってる。あなたが彼を探した瞬間に、彼は知っていた。ああ、私にこう言って欲しいんだ。哥哥は恥ずかしがり屋だから、大したことでもなければ、私の合言葉を暗唱することはないと思っていた。だって」

これにも何も言えなくなる謝憐。

「わかったわかった、もうどうでもいいことで時間を使わないよ。仕事の話をしよう。殿下、そこでは一体何が起こっているの?神武大帝はいないの?」

この質問に対して謝憐はかいつまんで要点だけを伝えます。

「なんてことだ。殿下、錯乱してるんじゃないよね?大帝だよ!大帝のことを話してるんだ」「私はもはや彼がそうなのか確かじゃないんだ。三郎、どう思う?」「血雨探雨はあんまり驚いてないみたい。ただ、こう言っていたよ。『まったく驚かない。私はすでに彼が我慢ならなかった。』って」

何も言えず、謝憐は笑います。「他の人は我慢できるの?」「彼は言ってるよ、あなただけ、だって。花城主、どういうこと?私がここに立っているのに、私のことも我慢がならないって?私のどこが悪いんだ?」「わかったわかった、冗談だよ。いずれにせよ、武神たちはみな服従させられ、神官たちはみな宮殿に閉じこもっている。天庭は世界から孤立していて、入る道もない」「血雨探花は道はあるって。でも入るには誰かの助けが必要だって」

そこで謝憐は「誰だ!」と叫びます。「誰がそこにいる!?」

謝憐の元にやってくる誰かに対しての問いかけ……一体誰なのか!?

というところで次章に続く。はー、面白い。

@checaldooggi
書くことを続けられたらいいな。読んでくださってありがとうございます。 天官賜福とさはんにハマっているのでその話が多めになるかも。 匿名の質問箱はこちら mond.how/ja/checaldooggi