日本語タイトルは「クズ悪役の自己救済システム」、英語タイトルは"The Scum Villain's Self-Saving System"、原語タイトルは「人渣反派自救系統」、どれを使えばいいんだ〜と悩みましたが、やはり原語がよい。中国語読みができないけど。略称はさはん、svsssがよいのかもな…
日本語も毎週楽しく配信を読んでるのですが、英語版で一気に読んでしまいました。めっちゃ面白かった…。読んでよかった!むちゃくちゃ笑いました。
あらすじの確認は公式サイトやウィキペディアが端的でいいのではないかと思いますが、自分の理解として書いておくと、
ネット小説『狂傲仙魔途(きょうごうせんまと)』(ハーレムもの。種馬小説と呼ばれている)を愛読していて、あまりの話の荒唐無稽さ、登場人物の迷走、伏線の回収のなさに憤った主人公・沈垣は肉まんを喉に詰まらせて死に、死後の世界のようなところで「文句いうなら自分でやってみな」と、”システム”に呼びかけられ、『狂傲仙魔途』の世界に転生してしまう。
転生先はよりにもよって、自分も掲示板で罵詈雑言を浴びせ、作中でも主人公の復讐により四肢を切断されて生きたまま壺の中に入れられる悪役・沈清秋。
沈清秋(沈垣)は拷問死亡ルートを回避するため、システムの要求「正しい」『狂傲仙魔途』のストーリーに改変するため、奔走するのだった…!そして、その結果、彼がいじめ抜き恨みをかうはずの主人公・洛氷河は沈清秋に並々ならぬ感情を抱かせてしまうのだった…!!
英語版は全3巻で、4巻目が短編集となっています。
読了すると、あらすじが全てであることがわかる。これが軸にあって、いろんな登場人物が出てきて、沈清秋が脳内で七転八倒しながら物語を進めて、そして洛氷河との確執を通じて物語が深まっていくという…そういう構造になってます。
また、沈清秋は現代人(ガンダムSEEDとか知ってるしドラゴンボールも知っていることがうかがえる)のヘビーネットユーザーなので、脳内はネットスラングが使われ読者と同じ目線。地の文に出てくるツッコミがとても楽しい。主人公が彼でなければ、こんなに好きになってなかったな…!
ゆっくりですが、日本語版が配信されていて、いずれ書籍になるのではないかと思うので、この面白さは実際読んでもらいたい!
それはそれとして、ネタバレ気にせず、思ったことをわーっと書き綴っていきます。
まず、なんといっても我らが師尊こと沈清秋。彼はとてもタフです。システムの言う通り、物語の改変(それはクエストとして他のキャラクターには見えない形で告げられる)をしなければ現世に戻る=死ぬ、もしくは洛氷河に殺される=死ぬしかないので必死です。順応力がめっちゃ高くてそれでいて他者を思いやる余裕もあって、かつずるいところもあって、魔物オタクという、めっちゃ魅力的なキャラクター。
序盤では洛氷河に殺されないため、彼の中での評価を上げるため、洛氷河と良好な関係を築いていきます。ちなみに、洛氷河は種馬小説の主人公なので、本来なら三千人の女性たちとめくるめくハーレム生活を送るはずで、師尊もそれを望んでいます。1巻までは洛氷河が女の子と話してると見守ったりしていて、微笑ましい。そのときすでに、洛氷河はクソデカ感情を抱いているので、師尊が女の子を気にしているとわかりやすく機嫌が悪くなったりします。お前のためなんだが。
しかし、絶対に乗り越えないといけないイベント「無間深淵」で、師尊は洛氷河を深淵に突き落とさねばならず、そこから洛氷河とのメロドラマが始まってしまいます。再会したところとかめっちゃこわかってんけど!執着がすごい。
師尊は物語改変のため、自分が死なないために奮闘しているだけだったのが、だんだんとそこで生きる人になっていって、人との関わり合い、特に洛氷河との関係が師尊の方からも変わっていく。洛氷河にキスされたときは「えーっ」てなってて、同情したね…。まさかかわいい弟子、好きなキャラが自分を好きになるなんて思わないもんね…。
キスされたところでいきなりラブにはならないんで、最後までハラハラし通しです。
そして、洛氷河ですが、無間深淵まではすっごくいい子でかわいいんですよ!無間深淵の後はこわすぎる。師尊依存症になってる。でも結ばれたあとの番外編では致す前に師尊の服は毎回破るし、人の言うこと聞かないし、ぶりっこだし、こいつすげえな…てなります。でも、辛い目にたくさん遭ったから、これくらいしないと帳尻合わないかもね!自分達の同人誌朗読するのはどうかと思うけどね!!あと、ショタになってしまって、全然師尊とエッチできない!て泣くところとか、プロポーズのところとか、いじらしさも満載です。本編と番外編の洛氷河全部あわせるとこっちの情緒もぐちゃぐちゃになる。師尊がんばれ…!
ショックだったのは公儀蕭というキャラが死んでしまったこと。彼は師尊が水牢につながれてしまったときに助けてくれるんですけど、その後、死んだことが告げられるんです。いいやつだったのに!!
一方、お気に入りの柳清歌はずっと柳清歌だったので安心しました。子どもの作り方を知らないっぽいんだが大丈夫だろうか…。師弟がイチャイチャしてるときにずかずか入ってきて一喝するのおもろすぎる。
他のキャラのことやエピソードも思ったことあるんだけど、もう疲れてきたのでまた今度にします。元の沈清秋のこととか…洛氷河の両親のこととか…尚清華と漠北君のこととか…!この世界のウスイホンのこととか…!!