私がダラダラ要約せんと書いているせいでめっちゃ118章が長くなってしまった…。これでもだいぶ端折ってるつもりなんだけど!
というわけで、烏庸国が滅んだ後の話が始まります。
次の百年、二百年で天界の朝廷は変わり、全ての神官がいなくなった。新しい神官が任命されて取って代わりましたが、国師にとってはもうどうでもいいこと。
そして、ある日、ある国で凶星のもとに太子が生まれます。それが仙楽太子、つまり謝憐です。烏庸国の悲劇から千年も経っているので、そのようなこともあるだろうと考えつつ、理解できない気持ちに駆られて彼は仙楽国の国師におさまります。若い姿では相手にされないため、二十くらい年を上にした姿にして適当に名前もつけて就任。
しかし、そこには少しばかり問題がありました。国師になるということは神官とやりとりするということです。君吾とも顔を合わせました。彼の覚えている殿下の姿とずいぶん違いましたが、彼をよく知っていたため、何度かの会話で彼が殿下だと疑いを強くします。それでも、君吾に伝えるつもりはありませんでした。彼は完璧に誰かになっていたし、顔からアレは消えていたので、三人の友の怨念は晴らされたのだろうと考えたのです。そうだとすれば、大昔の話を掘り返してこの平和を崩す必要もない。
「同じ立場なら私もそうしていた」と謝憐。
「しかし、いつまでもふりはできない。私たちはどちらもあなたに出会った。私がどんなにあなたに期待したか。とても彼に似ていた」そういう国師に、花城は平坦に「最初から間違ってる。全然似ていない」と言う。
言ったれ言ったれ!似てるわけあるかい!!シミュレーションゲームでも同じようにならんわ。力があって長生きするともうろくするんですかね?
「私は市壁から落ちた小さな子どもを助けたことをあまり喜ばなかった。それは式典を止めたことだけではなく、あまりに目立ちすぎたからだ。あなたは君吾の関心を引いてしまった。彼は私にあなたのことを話すようになった。あなたに興味を持ち、いつも私たちはあなたについて語った。何かおかしいと感じた。しかし、彼は本当にあなたを気に入っていた。いつも、あなたを点将し、神官として彼の宮殿で仕えてほしいと願っていた。しかし私は何か理由をつけて断っていた」
これまでの君吾の態度が嘘だったと信じたくなかった謝憐。国師の言葉を聞いて、それは本当だったのだとわかったけれど、複雑な気持ちになる。
転機は一念橋での鬼との対決。あれが謝憐の飛昇のきっかけとなりました。この鬼と出くわしたと聞いて国師は心配でたまらなくなるが何故かはわからない。そして調べる間もなく謝憐は打ち倒し、飛昇した。君吾の覚えめでたく謝憐は彼に重宝され、国師は考えすぎだと自分に言い聞かせたそうな。
そうして、仙楽国の没落、永安の反乱、白無相の出現が起こる。怨霊による疫病の蔓延それ事態はどの時代でも起こりうることだったけれど、それ以外にも起こった出来事で、国師は最悪の筋書きについて考えなければならなくなった。
「それ以外に起こった出来事とは?例えば?」と謝憐が尋ねると、王都の門で死んだ三人の親子は空殼だったことを明かします。あの親子の死が戦の発端となったのでした。国師の三人の友人、そのうちの1人は空殼を発明した人物で、彼は非常によくできた人形の作り方を太子たちに教えました。彼が死んだ今、国師以外に誰があれを作れるというのか。
ガーン。私、あの3人の親子のところで泣いたんですけど。今も思い出しては涙ぐんでるし。あれがフェイクだって…?ふざけんなよ。
「何故あのとき教えてくれなかったんです」「あなたの性格を考えても、私が話せば復讐のためにすぐに突撃していっただろう。あなたと仙楽国を守ることにはならない。あの空殼がなかったとしても、別の戦を起こす事件が起こっていただろう」
謝憐は敗れ、仙楽国は陥落した。国師は身を明かして君吾と対面します。彼はたくさんの質問をしたけれども、君吾は何も認めず否定もしない。最後に何が望みなのかを尋ねると、彼は謝憐が彼の完璧な後継者になってほしいと告げます。継承すれば謝憐は君吾を裏切れなくなります。
何を計画しているかを理解して、国師は戦いを挑みました。戦う力はないし、君吾は指先一つ動かさずとも彼を殺せる。しかし、ここでも彼の友人たち?が助けてくれます。顔に三つの人面が現れて暴れる。ふだんは霊力でおさえつけているけれど、国師が現れたことで感情が高ぶり、出てきてしまったのです。その隙をついて逃げた。
再び人界をさまよいますが、今度は身を隠さねばならない。彼はかつての烏庸国がどうなったのだろうと見に行き、そこで自分の友人が山の精霊になったことを知ります。火口で灰燼となったが何度かの噴火でそれが積もって大きな三つの山になり、それぞれに魂が宿ったらしい。
かつての烏庸国の領土は封鎖されていて、世界から孤立していました。そこでなんとか山の精霊と対話できるようになって、様々なことを彼らから学ぶ国師。例えば、先の天界の神官たちですが、彼らは自然に淘汰されたのではありません。君吾が一人一人狩って殺したのです。彼らを虐殺して、血で天界を洗った後、彼は人界に降りて機会を待ちました。ある程度新しい神官たちが任命された後、「人」になり、「飛昇」する。以前の神官たちはいませんから、誰も彼を知らない。人界では「天帝」の背景が知られるようになります。彼の生い立ち、寓話、逸話、容姿、性格…すべて偽りでした。すべて、彼がでっち上げた巧妙な嘘でした。
天界は完全に彼のコントロールのもとにありました。古い神官たちの灰は新しい天の都の礎に使われました。毎日、彼が歩む度に彼らを踏みにじることができるのです。
君吾は第一武神として輝いて見えますが、その中身は闇が詰まっています。内面のバランスを取るため、恨み、痛み、怒り、憎悪…そういった毒に満ちた衝動を解放する必要がありました。そうでなければ周りにいる人たちを殺してしまうことになる。彼が三界に君臨し続ける唯一の方法でした。
かつての烏庸国は今や地獄と化し、炉は数え切れない魂を貪り、三人の神官の魂も君吾を主としました。炉の中で彼は闇の衝動を解き放ち、烏庸国の魂を薪のように使って地獄の火を燃やし、邪悪なものを作り出していったのです。
なんか…なんか…君吾、一人でイザナミみたいになってるけど大丈夫?大丈夫じゃないからこうなってるんですよね…。はい。
この炉で妖怪を作るのは鬼王を作るのとは別のメソッドだそうです。単に炉は絶の誕生を促進する環境を整えるだけで、ここに入ったから絶になるわけじゃない。絶になる鬼は、どんな方法であってもいずれは絶になるってことらしい。
この話を聞いてこっそり花城を見る謝憐。花城はどうして見られているかわかってないけど、にっこり笑う。
こういうフレーズがたまに入ってないと発狂しそう。この118章の内容。
ともかく、炉に彼の恨み辛みを混ぜると妖怪ができあがるんですが、白話真仙もその一つ。それを聞いて謝憐は師青玄を見たときの国師が奇妙な態度を取ったのを思い出し、師青玄の運命を占った凄腕の占い師はあなたかと尋ねる。まさしく、彼が宴会を開くなと忠告した占い師でした。
彼によると、当初、白話真仙は師無渡を食い殺そうとした。が、師無渡は若くして凶悪であり彼にかみつけば歯が砕けて血まみれになるだけ。そのため、約束された富の運命を持つ師青玄に狙いを定めた。どちらにも牙をむくことはできなかったが、二人の兄弟はこいつのおかげで平穏に暮らせなかったし、最終的には賀玄にかみつくことになる。
「あいつを殺しきれなかったことが本当に悔やまれる」と言う国師に「もうすでに死んでいる」と花城。「賀玄に飲み込まれた、そうだな? 私は全てが終わるまで兄弟を見守るつもりだったが、銅炉山が開こうとしていてできなかった。戻ったときにはすでに事態はめちゃくちゃになっていた。師無渡は邪悪になり、混乱を引き起こして完全に手に負えなかった…」
師無渡さんざんな言われようだけどやったことを考えたら言われてもしかたがない。
白話真仙は別に強力というわけではなく、ただ歩き回って問題を起こすのが好きな妖怪。それでも人間には迷惑だが…。それより、他の妖怪が炉で作られていた。それが一念橋の鬼。
「あれは彼が炉で鍛えた闇の分身だ。その憎しみを晴らすために数年おきに出没しては殺人を繰り返していた。あなたはあれを倒した。彼は誰かがあの鬼を倒したことを感じ、すぐに下界へ降りて誰が成したかを確かめた。そして、あなたは言ったのだ。身在無間、心在桃源。それは彼に対する狂気的な嘲笑で、大きな挑発だった。彼の心臓を真っ直ぐに刺した。あれが、全ての転機だったのだ…」
いや、君吾の過去を知ったところで全然納得できませんが…。二千年の精算を一人に背負わすな〜!!!
銅炉山の噴火のところも言いたいことめっちゃあるねんけど。なんで一人でしようとするねん。アホなん?太子の成すべき事は、自分でなんとかしようとするんじゃなくて、一人でも多く仲間を作って、そっぽを向いてる人間を同じ方向に向かせて、問題解決の道筋を立ててやることでしょ!個人商店をするな〜!!お前にリーダーシップはない!
まあ、だから天界もこの有様なんだが。
噴火したときに助けなかった神官たちは全員四つ裂きですよ。もしくはオスマントルコがよくやってた生きたまま生皮剥いで海水につけては戻しつけては戻しするやつ。お前らは神ではない!害悪以外の何物でもない。だから、太子が一人一人殺して落とし前つけたのは許す。基礎に混ぜて毎日踏んでるのも許す。
でも、新たに君臨してそのクソの神官たちと同じことをやった…いや、それ以上に作為的に人々の命をもてあそんだ罪はもっともっと重いし、ぜったいに許されへん…。なぜ朗英の妻子が死ななければならなかったのか?なぜ謝憐を助けた青年は足を切らねばならなかったのか?なぜ争わなくてもいい人たちが争うことになり、その後も苦しまねばならなかったのか?
それが謝憐の台詞のせいなわけないだろ。
誰も自分の罪は精算してくれないんですよ。誰かの命で罪をあがなうことはできない。
あまりにもやったことが邪悪すぎて全然同情できないのだった。
119章に続く!