久しぶりに本を読みたいなあと思っていて、ふと思い立って友人がハマっている『魔道祖師』を読みました。
正確に言うと、先にKindleで単話無料になっていた『人渣反派自救系统』を読んでみて面白かったのでその後『天官賜福』の1、2巻を読んですっかり墨香銅臭作品にハマり、年末年始の読書に『魔道祖師』を選んだという流れです。
いまだに主人公の名前も覚えられてないんだけど(インド・ヨーロッパ語族の名前なら覚えられるのに…)、話が面白いから一気に読んでしまいました。
主人公の魏無羨を好きになれるかどうかもこの話がおもろいかどうか決まる要素だと思うんだけど、私の中で彼はリトルウィッチアカデミアのアッコやプリティーリズムレインボーライブのなるちゃんポジションだったので話を読み進めるごとにどんどん好きになりました。彼に付き合う周りは地獄を見てるけどな…!
話の筋自体は物語を読んだほうがいいので、個人的に面白かったなってことと、キャラの感想を書こうと思います。
↓面白いな〜というか好きなところ
■抹額の存在
主人公・魏無羨とのちに恋仲になる藍忘機は額に布を巻いており、それを抹額といいます。これは、どうやら親しい相手…というか、ほんまに伴侶にしか触らせたらあかんやつらしいんですが、そういうしきたりを知らずに天真爛漫の魏無羨は解いたりするし、酔っ払った藍忘機もこれで魏無羨の両手を拘束したりします。
みだりに触らせたらダメということが作中で発覚した時、私はめちゃくちゃびっくりしました。そんな大事なものを額に巻くってどういうこと!?しかも、布切れに重い意味持たせすぎじゃないですか!?
2人がくっつくまでにこの抹額はいい働きをするし、番外編のエッチのときにも使われていて、あ、そういう…て感じなのですが、もしこの抹額に意志があったら「ええかげんにせえよ」って言ってると思う。いや、主人想いの、ドクター・ストレンジのマントくんみたいだったら、ナイスアシストをこれからもしてくれるんだろうけど…。
■ロバの林檎ちゃん
魏無羨は一回死んでて魂魄が他の人間の体に召喚されて現界した身なのですが、彼は悪党として死んだために基本的に追われる立場の人間です。そんな追われる時に盗んだロバがいて、作中ずっと魏無羨を運んでくれます。魏無羨に対して敬意のかけらもない、でも逃げ出すこともないとっても健気なロバです。後で林檎ちゃんという名前をつけられます。
キャラクターが乗り物を大事にするのが好きなので、ロバの林檎ちゃんもずっと魏無羨と一緒にいてくれるみたいなので、よかった!戦いの最中で死ななくてよかったよ〜。
↓キャラの感想
■魏無羨
宇宙で一番主人公。基本的に明るいけど敵対するものに対しては残忍にもなれるので、そういう精神性は大陸のキャラクターなのかしら、と思いますね。いらんことばっかり言ってて周りを振り回して大丈夫かしらとハラハラしてたけど、なんかうまいこと藍忘機とくっついてよかったよかった。
本人もままならないことが多い中、うるせ〜知らね〜で我が道を進んでるんだけど、こういう存在がいないとこの世界は革新しないんだろうな…て気がします。でもその結果めっちゃ人死んでて、本当にままならない。
藍忘機をからかうところが活き活きしてて好きなのと、だんだん甘えていくところがかわいいと思ってるので、藍忘機に対して私は姑のような目線で見てしまうのだった。
■藍忘機
めっちゃおもろい攻やな…て思いながら読んでました。でも途中までこの人ほんとに魏無羨のこと好きなの?てピンと来てなかったんだけどどんどん重い人だということがわかって、魏無羨に好きになってもらえてよかったね…。でも私も魏無羨が好きだからあんまり無体を働くようだったら絶対許さないんで…。
番外編の「香炉」という作品で彼の抱えていた劣情が明るみになるんですけど、これを笑い飛ばせる魏無羨てできた受だよ…。なんか、魏無羨が先に死んだらその後ぽっくり逝きそう。あ、でも1回目の死亡でも後追い自殺してなかったから、思い出と共に生きるタイプなのだろうか。まあ、2回目はもっともっと後の方がいいですね。
■江澄
作中の中で最も不憫ではなかろうか。というか、魏無羨のそばにいるとツッコミ役にならざるをえなくて、本当に気苦労が耐えないと思う。
この人、憤死するんじゃないかとハラハラしてたけど、生きててよかった。いや、ほんとさ、両親は殺されるし義兄も死ぬし姉も死ぬしその元凶が兄弟のように過ごした魏無羨だっつうんだから、もう本気で憎んでもおかしくないのに、魏無羨のことを誰よりもわかってるんじゃないかなあっていう彼がね…。幸せに…とにかく健康でいて幸せでいてくれ…。
■温寧
温寧は魏無羨の使役するキョンシーのような存在なのですが、すごくいい人。暴走したらめっちゃ強いところも好きなんだけど、たぶん本人はあんまり人を殺したくないはずなので、それでも魏無羨や大切なひとを守るために戦うのでめっちゃいい人。もう死んでるので死なないところも安心。末長く、自分がもういいやってなるまで活動してほしいですね。
■金凌
江澄に次いで不憫じゃないか…。それを思うと真っ直ぐ育ったなあ。江澄の存在も大きいと思うし、金光瑤のおかげでもあるんじゃないかな。君に瑕疵はなく行先が明るく照らされ、真っ直ぐ進めるように祈っている。(急に誰目線…て感じだけど)犬と仲良くね。
■藍思追
私、こういう関係めちゃくちゃ弱いんだけど!?と目頭を熱くした。最初からええ子やった。序盤から魏無羨を慕ってくれてたし。生きてたらそれだけで偉い。
■藍曦臣
藍忘機のお兄さん。すごく弟思いで代弁してあげたりしててやさしいけど、魏無羨に「弟の気持ちをわかってないのか」って説教した時は「だまらっしゃい」と思った。口に出さねえとわかんねえこともあるんだよ!
義兄弟の盃を交わした相手がわりと大変な人たちで、ここもままならねえな…と思った。自分が聖人君子だからといって周りもそうなるとは限らないのだった。性善説はこの世界にはないんかもしれんね。
■金光瑤
途中から急に悪役として現れたんだけど、めっちゃ苦労してて、この人も不憫である。この世界は透明な天井もあるし最初からスタートラインが違うことがあまりに明確である。実力主義じゃないのは金光瑤然り、魏無羨然り。
彼には彼なりの正義がありそれに殉じることはなんら恥じることではない。それを是とするかどうかはともかく。
この人ももうちょっとアホになれたらなあ。でも、環境がそうさせなかったんだろうな。魏無羨には育ての親がいて、彼が受け入れていたものね。金光瑤を受け入れる人はこの世のどこにもいなかったことがかなしい。
■聶明玦
私、この人わりと好きなんですよね。全然熱意が相手に伝わってない…。金光瑤を何回も糾弾してんのも、いい人だな〜て思います。全然相手に響いてないけど。
あと、死んでて四肢バラバラになっててあとでくっつくのもいい!本人はとっても不本意だと思うけど!
ただ、実の弟のコレクション捨てたのは許せない…。オタクの魂を砕くなんてひどくありません?まあ、弟のためを思ってなんだけど…いや、でもやっぱ許せない…。弟に謝ってくれよな!
■聶懐桑
毒にも薬にもならないほっとするポジションでいいキャラ。なんですが、私は明玦とどんな生活してたのかな…て妄想してしまう。
彼の一言が金光瑤の最期を決めたというのが、これもままならないものだな…と思います。大きな誤算だったんじゃないかなって。というか、数にも入れてないものに不意打ちを食らってしまったのが、神様は意地悪だなあと。
■江厭離
江澄の実姉で魏無羨の義姉で金凌のお母さん。あまりにエピソードが少なくもっともっとと求めてしまう。
死に方があまりにあんまりだし、金凌はお母さんとお父さんとの思い出ほとんどないんですよ。つうか、書いててムカムカしてきたんだけど、この世界の人間好き嫌いで物事捉えすぎだし実力主義じゃないのどうなのって感じだしクソハラスメントの嵐でやっぱ一回ぶっ壊すしかなくない!?どうしたらこのセクト主義の世界を壊せるのだろうか。主人公カプはいちゃいちゃ旅に出てるだけだしな…。この体制が変わんないかぎりずっと不幸が繰り返されるよ〜。
ハァハァ、興奮してしまった。
彼女の結婚生活は幸せだったし、それだけが救い。それを壊した魏無羨も許せねえ…好きなキャラを許せないってしんどいな。
■金子軒
江厭離とのエピソードをもっと欲しいんですが…。頼む…。
■江楓眠
江澄の実父で魏無羨の義父。親世代の複雑な人間関係が子世代に及んでいるのはなかなか如何ともし難いな。
江澄のコンプレックスって江楓眠の魏無羨への扱いと自分の差異によるもので、親がそれを助長しないでよって思いますね。彼自身は「いい人」なんでしょうけど。
でも私は死んでほしくなかった…。虞紫鳶の元に戻ったところ泣きますよ。
いつ死ぬかわからんから言うべきこととやるべきことはさっさとやるが吉やな。
■虞紫鳶
王霊嬌とのやりとりですっかりファンになってしまった。魏無羨につらく当たってるような描写だったが、彼女にとっては悩みの種だったし、江厭離の最期を知ったらそれこそ憤死すると思う。
うん、周りのキャラクターへの感想書いてて思ったけど、魏無羨は厄災だな。
江澄に法器を渡すところとかさ…涙なしに読めん。
■金光善
金光瑤の殺し方、やさしくない!?腹上死とかさせてる場合じゃないよ。四つ裂きでも誰も怒らないって。
金光瑤、もっと復讐を楽しまなくちゃ!てなる。真面目すぎる。もっと愉悦感じて!!
このひとのキャラクターについて特に言及することはない。
■暁星塵と薛洋と阿箐と飴ちゃんと
彼のエピソードもやるせないんだが…。こんなつらいことがあっていいんですか?世の中に。
薛洋は暁星塵を陥れたときに自分も殺したんじゃん…て思うけどこいつも悪人すぎてどうしたらいいんかわからん。
阿箐もさ〜…
この世界の神さま意地悪すぎるよ。