久しぶりに仕事の話

A4(えーよん)
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日々、辞めたい辞めたいと思いながら仕事をしています。

私はデザイン制作会社で営業をしておりますが、大学の研修旅行の手配もするしイベント運営の企画と運営と司会進行と当日使うもんも作るし、見積もりはもちろん請求関係もやるし、たまに映像編集もするし、ホームページの更新(ワードプレスの簡単なやつだけど)もするし、VRゴーグルのレクチャーもBlenderのレクチャーもするし、撮影には同行してディレクションするし、クレームに謝りに行くし、社長や先輩の世話もする。

書いていて思ったんですけど、いち営業のする仕事量じゃねえな…。

私だって自分の時間でゲームしたいし漫画読みたいし小説読みたいし映画観たいしダラダラごろごろして遊びにも出かけたいんだが…。

2023年度はさんざんでしたが、2024年に入ってからは新しくハマったものもあって、なんとか自分の時間を確保するようになりました。

去年12月も今年1月も「辞める」つって泣きながら暴れたのに辞められないしお客さんいるから案件投げ出せないし、責任感だけで仕事しています。

ただ、嫌なことばっかかというとそうでもなく、うちの会社は「こち亀」か「じゃりン子チエ」みたいな感じなので(どういうこと?)、それなりにスリルショックサスペンスがあり、「究極超人あ〜る」みたいな世界観がリアルにあったら、こんな風なのかもと思わなくもないです。

泣きながら「辞める」と暴れても一時間後にはふつうに周りも接してくれるので「なんなんだこれは」って思わなくもないです。でも、これが漫画っぽいですよね…

私は常々、自分は吹き出しで喋ってると思ってるので、もしかしたら漫画の世界に生きてるのかもしれんな。

それはともかく、それなりに楽しいこともあり、なんとかやっていってるという現状です。「面白くなってきたぞ」と面白がれたらこんなへんてこな環境、ないですからね。

嫌なことばっかじゃないことの一つに、一生懸命考えてやった仕事はお客様に喜んでもらえることが多い、というのがあります。

とある学術グループのホームページを作ることになって、社内のデザイナーにページ構成を頼んだんですよね。そしたら、すごい違和感のあるものができあがってきて、でも私はそれをどういう風に評価して修正してもらったらいいかわかんなかったんですよ。でも、十年以上デザインのしてる人が作ったものだし、私の違和感っておかしいのかもって思って、とりあえずこれで提案しようと思いますと社長に見せたんですね。

そしたらめっちゃくちゃに怒られて「なんで自分で考えないんだ!」て言われて、もうこれも一年くらい前の話ですけど、自分でページ構成を考えなきゃいけなかったんですよ。

で、よくわからんけど、このホームページの目的は何か、どういう人に来てもらいたいか、どういう機能があったら目的を果たすのかってことを考えて、これでいいのか不安になりながら作った。イラレでTOPページから下層ページくっつけてどこをワードプレスにして、どういう構造なのかってのを四角と線でつないだだけ、どのページにどんな内容をのせるのか、仮のテキストを入れた簡単なものでしたけど。

そしたら、それで社内チェックのOKもらえて、クライアントの先生方にもめっちゃ喜んでもらえたんです。自分たちの必要なものが全部そろってて、機能的だって。

今でも信じられないけど、「そうなの!?」て思った。

どうしてデザイナーのものはダメで私のはいけたんだろうと、そのときは言語化できなかったんですけど、今なら、ホームページの構造を作るために作ったんじゃなくて、ホームページが機能するために構造を作ったんだとはっきり言えます。そして、それが「こういうのがあったらいいなあ」に合致したから喜んでもらえたんだと思います。

デザイナーよりできるって言いたいわけじゃなくて、正しく必要なものを理解していればデザインを勉強したことがない人間も提案ができるんだなってわかったできごとでした。

でも、私は営業なので、お客様の要望をデザイナーに伝えてデザイナーに作ってもらってます。この手配が難しくて、いつも苦しんでいます。見た目がきれいに作れる人はぺぺって作っちゃうから。最近は、「あんたこれで提案できんの?売れるの?」て思うようになってきたので、一応成長できてるのかも。

今日、何故これを書いておこうかと思ったかというと、久しぶりに角川文庫の「おいしい店とのつきあい方」を読み返していたからです。これはサカキシンイチロウさんという外食産業のコンサルタントをされている方の「レストランに大切なお客様と思われて楽しく外食するための秘訣」の本です。

前々職のころに買ったもので、仕事で迷ったときとか弱ったときに読み返すことにしています。

客側としてどうしたらいいかってことが、サカキさんの体験談と共に語られているのですが、レストラン側の想い、人に感動を与えるおもてなしの心が記されていて、どうやったら人が動いてくれるんだろうって悩んだときのヒントがたくさんあるんですよね。

相手に楽しんでもらうためにイマジネーションを働かせてあれこれ仕掛けをするという意味では、料理は最もデザインされたものかもしれません。

仕事に忙殺されていると、ついついこういうことを忘れてしまうので、読み返していて「これってそういうことだったのかも」とホームページのことを思い返したというわけです。

これがすっとできるようになったら今の仕事も楽しくなるだろうな…と思いつつ、努力は極力したくないので、明日からも「辞めたい」と思いながら働くことにします。(いい話で終わるわけがないのだった)

@checaldooggi
書くことを続けられたらいいな。読んでくださってありがとうございます。 天官賜福とさはんにハマっているのでその話が多めになるかも。 匿名の質問箱はこちら mond.how/ja/checaldooggi