怨霊を捕まえた後はどうするのか尋ねる師青玄。謝憐と花城は円陣の中央に位置をとって、説明します。
「その後は私たちに任せて。私たちは陣の中で彼らの面倒を見るし、一人も見逃さないようにする。必要なのは時間だけ。最も重要なのは、彼らが散らばらないようにすることだ。前に危険性があると言ったのは、500人が揃っていないからだ」
……ん〜〜〜〜、なんか不安ですね!
「この円陣が崩れたらどうなるんだよ?」「怨霊は君に取り憑き、君は最初に罹患する」「この中の誰かが逃げたりしたら?」「円陣が壊れたら、怨霊は逃げ出したひとにとりつくだろう」「結局、取り憑かれるんじゃねえか!」
集まってくれた人々の中には賢いひともいて、こう説明してやります。「それは違うよ。最初のやつは、怨霊はあんたに取り憑いてあんたが病にかかる。もう一つの方はたぶん、だ。つまり、逃げ出したとしても生き抜く可能性があるってことさ」
「その通り。ここから離れたい人はいる?始まったら逃げ出せない。そうする人がいないことを祈るけれど、これは危険な任務だ」と告げる謝憐。
元気玉っぽいやつじゃないな…てことはわかるのと、わりと肝心なことを言わずに人を集めたね!?という気持ちでいっぱいです。
しかしこれを言ってくれたおかげで、少しの人が頭を下げて輪の中から出ていって、円陣はちょっぴり小さくなる。逃げたい人は逃げてほしいから、よかった。
師青玄は「減っちゃったじゃないか!」とぷりぷりするけど、謝憐は「思ったよりたくさんの人がいる」と喜びます。
そこへ天眼開がやってきて「こいつらを信用するな!」と呼びかけます。「少しの食べ物のために命を捨てる気か!」と言われて謝憐はちゃうねんと説明しようとしますが、そこへ花城が「そうじゃない。彼らは食べ物のためにここにいるんじゃない。世界を救うためにいるんだ」と言う。謝憐はちょっとびっくりする。
天眼開たちは「世界を救う?自分たちのことだけ心配してろ!」とわめき、花城は「そう?お前らは彼らが世界を救えないって言うんだな。それは彼らが何の能力もない、もしくは価値がないから?」と煽ります。
これには乞食たちも嫌な顔をします。
天眼開は「私が言ったんじゃない!」と返します。それに師青玄がかぶせて「おいおい、まさにその通りだろう?しかも軽蔑してた。そうだよね、みんな!」と言って乞食たちは「そうだそうだ」「俺たちを下に見るな」と抗議します。
花城は集まってきた人たちみんなに覚悟を決めてもらうためにああ言ったのです。やるな!
そうこうするうちに怨霊の群れがやってきて、人々は円を作って待ち受けます。いよいよ近づいてきて、謝憐の視界は塞がれてしまいますが、花城が彼の体を引き寄せて銀蝶を使って目の前を晴らしてくれます。ちゃっかり腰を抱いている。
閉じ込めることに成功はしたのですが、中には恐怖に耐えられない人もいて、怨霊もそこを狙おうとする。弱った人を陣から出してはほころびを直し、をしていきますが、怨霊の数が多すぎて追いつかない。「三郎!」と謝憐は呼びかけますが花城は「心配しないで」というばかり。
とうとう陣に穴が開きそうになったところで、黄色のお札が飛んできて爆発します。投げたのは天眼開たちで、彼らは武術のプロでもあり、すぐにほころんだところに入っては手を繋いで陣を強化していきます。
「同志たちよ!早く早く早く、この都の学士も弟子も皆、集まるのだ!」と呼びかけて、さらに百人の人々がやってきて円陣が大きくなります。天眼開〜!やるな!
気はどんどん集まって強固になり、しかも修行した人たちが集まってきているので、あともう少し人を集めれば怨霊を退治することができるという。
天眼開は168人集めて、乞食たちは148人いる。「316人いるなら、あと…」と言いかけて「正しくないね」と割り込む花城。「ここには317人いる」と告げるのだった。
その一人、誤差の範囲じゃありませんか?ダメ?
次章に続く!