メッセージありがとうございます〜もう少しお付き合いください!泣いても笑っても床を転げ回って駄々をこねてもこれが本編最後の章です!
君吾の知らない技名も教えてくださってありがとうございます。「大道芸胸元大石割」…!そりゃ君吾は知らないですね。苦難の日々、芸で稼いでいたあの頃の技なら…。花城は鬼火の姿で見てたのでしょうか。
本当に、天官賜福に出会えてよかったと心から思います。
私はさはん配信版1話→魔道祖師の小説邦訳版全巻読了→天官賜福の小説邦訳版1、2巻読了→天官賜福英語版を読み進める間にさはん英語版読了して最終的に天官賜福とさはんにハマったんですが、なぜ魔道祖師ではなく天官賜福とさはんなのだろうと今でも不思議に思い…いや、ここまで書いてなぜもなにもねえなって気づいた。私がおねショタが好きなのと年下攻めが好きだからだよ。そんでもって天官賜福の場合は最高の年の差6〜7歳ですからね。あと、他にもいろいろあるけど、これはまた別の記事で。
もう少し真面目に考えると、どの作品も物語としてめちゃくちゃ面白くて、笑いあり涙ありホラーありで、読んでいる時間がとても楽しい。メモでもわーわー騒いでいますが、「えっ」の連続で、全然飽きない。さすがにつらいところはつらすぎて読むのしんどかったけど、つらさの中にもユーモアがあって、そこに墨香銅臭先生のやさしさがあるなって勝手に思っています。読者を楽しませようというエンターテイナーの精神がある。どの話も説教くさくないし、押しつけでもなく、でもいろいろと考えさせてくれる…。
読み終わるのはさみしいといいつつ、もう三回目なので、何度だって泣いて笑えます。私が死んだら天官賜福を一緒に燃やしてほしい〜あの世で読むから。
「おめでとうおめでとう!」「おめでとう、殿下!」
今日は新しい菩薺観のお披露目会。あの、錦衣仙事件から天眼開たちが現れてぐちゃぐちゃになった菩薺観が再建されたのです!よかった!私はフィクションでもなんでも家が壊れたり火事になったりするのがすごい嫌なんだよ。
たくさんの人が集まり、謝憐は料理を運ぶのに忙しい。料理。料理か。
元の小さな廟に加えて小屋も新しく建てられました。これは菩薺村の人たちが手伝ってくれたのです。というのも、権一真がくれた金の延べ棒があったから…。
最初、権一真に金の延べ棒を返そうとしたのですが彼は受け取ろうとせず、花城が「受け取らないなら鬼の魂を正しく看護する方法を学ぶことを忘れてもいい」と脅して、やっと人々に盲目的に金の延べ棒を渡す悪癖をやめさせることができたのだった。
ずーっと気になってたんですけど、しかし物語がクライマックスなので言い出せなかったんですけど、引玉って死んだ…まま?でもここでこういうってことは、引玉の魂はまだそこにあって、亡骸もあるから、いつか生き返るってこと!?それでいい!?そうじゃなきゃ嫌だ!!!!!
神官たちとともに慕情もやってきます。しかし神官たちはお土産を渡して挨拶をしたらそそくさと帰ってしまう。慕情に「どうしてあんなに早く帰っちゃうんだろう」と尋ねると「あなたの愛する三郎に聞いたらどうだ」と返される。
そんな…あなたの愛する三郎だなんて、照れますね。皮肉ですか。そうですね。
花城が戻ってきたとき、一番最初に気づいたのはもちろん謝憐ですが、天界でも異変が。神官たちはランタンバトルを催していたのに、三千灯の長明灯が上って、しかも鐘の音が鳴りまくった。天界の悪夢再び現る!です。
鐘が鳴るのは飛昇するとき、と思ってたんですが、花城が復活したのも飛昇に相当するんだろうか。一度は彼も飛昇してますもんね。
悪夢がいる場所に長居する必要もないので、さっさと帰ったというわけです。
神官たちは謝憐とはよい関係でいたかったので花城にも頭が上がらず、二人の仲は公然のものとなったのであった。
謝憐は慕情に料理を勧めます。ご飯に麺、汁物が庭のテーブルに並んでいて、それは謝憐が作ったものではないと聞いて慕情は食べることに。そして風信もやってきます。帰るところだった若い神官たちは「見ろよ、南陽将軍だ」「かわいそうに、彼の奥さんと息子は別の男と逃げたらしい」と噂をする。人の前で聞こえるような声で話すな。
風信の耳にも当然入ってきて、彼は額に血管を浮かばせ噂話にうつつを抜かすな間違った情報を鵜呑みにするなと叱咤する。慕情が「わざわざはっきりさせる必要はないだろう。恥ずかしいぞ」と余計な口出しをするので口論に発展しそうになりますが、謝憐が割って入ります。「さっき爆竹を鳴らしたから庭がゴミだらけなんだよね。二人とも、掃いてくれるかい。それか、しりとりする?」
ああ〜日常だ〜!!!
もう一刻ほどが過ぎると、たくさんの人々が菩薺観に入ってきます。掃いたばかりの庭が泥だらけの靴で汚れてしまう。やってきたのは乞食たちで、師青玄もいます。
「殿下、お邪魔するね。どう?私たちの約束はまだ活きてる?」「もちろん!大歓迎です。さあ、座ってください」
まだ、怨霊退散の結界のときのご飯振る舞う約束、果たされてなかったみたい!でもしょうがない。いろいろあったから…。花城がいなくてそれどころじゃなかったし…。でも、今果たされるならなんの問題もない。
「多すぎないか」という慕情に「そんなことないよ。去年、たくさんの人が助けてくれたんだ。みんな来たよ」と師青玄。みんな思い思いの料理を食べて喜んでいる。
そこへまた新たな来訪者が。「邪悪な気が漂っている!」
天眼開〜!最初、5巻読んだ時は一体だれやねんこのオッサンと思った(当時は3巻と4巻がまだ届いてなくて5巻から読み始めたから)けど、今や信頼すべき邪悪な気を視ることのできる道士ですよ。
「皆、聞くのだ!食べ物から邪気を感じる。器を置いて食べるのを止めろ!」しかし誰も聞かない。「何故理由を聞かないのだ!」と憤る彼に、師青玄は「だってここは血雨探花の縄張りだよ。邪気がしても当然じゃないか。何を心配してるんだい?さあ、一緒に見てみよう」と言って台所に向かう。カーテンを開けると、そこには鬼たちが…鬼たちの流儀で料理を…。大きな釜の中である鬼は風呂に入り…。カーテンが開いて胸を隠す。やめろやめろ見たないねん。
振る舞われている料理の作り方を見て慕情と風信は椀を置き「あなたの方がマシだ」とまで言う。そうだね…。衛生的には殿下のメシマズの方がマシかもしれんね…。
天眼開は謝憐を見て「謝道士。なぜ邪気が強化されているのだろうか」と言う。「そりゃ、一日中鬼王の周りをウロウロしていれば、もっと悪くなるだろう」と慕情。しかし天眼開は「だとしてもこうはならない」と断言する。「こうはならないって?」と風信。ためらいつつ、天眼開は言葉を選びます。「なぜ邪気が体内から感じられる?あなたの中から出てきている」
言葉もない謝憐。それはつまり…そういうことだから…。
よかったねえ…。おめでとうおめでとう。嬉しくて泣いちゃう。
咳さえできず、顔を真っ赤にする謝憐。風信と慕情は最初、わかっていなかったけれど、すぐに気づいて、謝憐を凝視する。そこへやってくる師青玄。「どうしたんだい?何が起こったの?殿下、病気になっちゃった?血雨探花はわかってるのかな。彼は君に優しくしてないの?」
謝憐がこうなったのは血雨探花がそうしたからなので…。
謝憐は混乱してしどろもどろになり「あー、つまり、その、ううん、私が思うに、ええと…」と言葉にならない。そこへ花城が彼の腰に手を回し引き寄せる。「みんな、自分たちの席に戻って料理を食べたらどうだ?余計な心配をするな」
「三郎!」謝憐はホッとするべきか、もっと気まずくなるべきか、本当にわからず叫ぶ。風信と慕情は複雑な表情だったが謝憐を前にして花城に何かを言う気にはなれないのだった。ただ師青玄だけが「ちょっと、血雨探花、ちゃんと殿下の体をみてあげてる?」と口を出す。
これ以上何も余計な質問をしないで…と願っていると、乞食たちが「もっと飯を!」と騒ぎ始めます。慕情は「ここが廟で神に祈る場所だってわかってるのか?」と文句を言うけれど乞食たちは意に介しません。だって、彼らは結界を作って、自分たちのその目で神官たちが武勇では自分たちにかなわないことを見てるわけですから。それに、今や風師だった師青玄とも仲良くなって、「神様ってこんな感じか」って思ってる。神官たちは市井の人々となんら変わりがありません。そうして、かつては手の届かなかった神々が、もはやそれほど強大で神聖な存在ではなくなったのです。
なんか、ここもじーんとくる。そう。そうなんだよ。私は読者で最初からこの物語に観光で来ていて、だからああだこうだ言えるんだけど、神さま仕事してなくね!?てずっと思ってて…。だから朗英に共感したり、烏庸国を助けなかった神官に憤り、その後天界に君臨した君吾に憤り、イーッてなってたんですけど…。
烏庸国での悲劇は詳細には語られていなかったけれど、仙楽国の滅亡と同じようなことが起こったんでしょう。仙楽国でも謝憐に助けを請う人たちは、ただ神にすがる人たちだったように思う。中には自分たちの力で戦った人もいるだろうけど、謝憐の周りに最終的にいた人たちは、そうではなかった。
でも、助けてって声をかけて、最初はうまくいかなかったけど師青玄のサポートもあって、みんなで、普段は自分たちを顧みない人々のために、体を張って怨霊から都を守った。神様はものすごい努力と生まれながらの才能で飛昇する、尊い存在ではあるのだろう。でも、だから偉いってわけじゃない。
「まあ、いいだろう。よくよく考えてみれば、武神もガラクタの神も大差はないし。神も生き物も皆平等、すべての生き物は平等だ」(149ページ、天官賜福1巻)
この台詞をアニメの吹き替え版で言うのがすごく好きなんですけど、そういうことなんだよ!!!!!
突如、台所から「そこにいるのは誰だ!」という叫び声が聞こえ、行ってみると、鬼たちが作っていた料理がすっからかんになっている。誰かに食べられてしまったのです!
「大伯公、鬼だ!鬼が全部食べちまった!ちょっと目を離したすきに!!鬼だ!」と鬼が言い、「お前も鬼だろ」と別の鬼に言われる。五十も皿に料理が用意されていたのに全部食べられてしまった。
いったい誰が…と脳裏に姿がよぎって、扉に背をもたれさせて立っている花城に「三郎、もしかして…」と言う。「可能性は高いね」と花城。「きっと私たちをお祝いしにきてくれたんだな」
もちろん彼も歓迎するけれど、食べ過ぎてしまって料理がない。「どうしよう?」「どうも」鬼たちが料理を作り始めて、花城は謝憐の手を取り、外へ出る。そして菩薺観からも出て行く。
行く先の道には木が生えていて手を離さなければ通れない。でも、どちらもそうしたくはなかったので迂回した。
「三郎、どこへ行くんだい?」「うるさかった。暴れさせておこう。俺たちは先に行こう」「そのままにしておくつもり?菩薺観は建て直したばかりなんだけど。喧嘩してまた壊れたらどうしよう」「もし壊れたら、そのままで。また建てよう。哥哥はただ望むだけでいいんだよ。ただ、聞くだけで」「ははははは…」
平和だ…
その夜、千灯観で謝憐は翡翠の台にもたれかかっていた。風呂上がりに雪のような白い薄手の衣を身にまとって…なんか…なんか、この描写だけでドキドキしてしまうな。
彼は花城のために書道のテキストを綴っているのだった。
花城はというと衣の前をはだけて長椅子にもたれかかっている。なんか…え?よくわかんないんだけど、私はここを読んでて、賽子指南と同じくらいドキドキしてるんだが?
花城はずっと謝憐を見つめていて、明らかに死ぬほど退屈していて、指先で赤珊瑚の玉飾りのついた髪の先をいじっている。
「哥哥、もう十分でしょう。休んで」しかし謝憐は三郎に我慢を強いた。もう引っかからないと決めているのである。彼の声が耳を熱くさせても、書き続けるよう冷静でいようとする。「ダメ。三郎。今日、君の文字がひどいって誰かが言っていたよ。もっと練習しなくちゃ。わかった?じゃなきゃ、君を教えたのが私だって知られたくない」
花城は眉を上げて「哥哥、あなたがはっきり俺の手書き文字が好きって言ったのを覚えているけれど」と言う。
花城が戻ってきてから、謝憐はますます彼が扱いづらくなったと感じる。きっと甘やかしすぎたのだ、だからいたずらっ子になってしまった…と思うのであった。
甘える年下は最高なんですけど、これが……願わくば……せめて十二歳くらいになったりしない?小花にならない?ダメ?二次創作で読めって?そうですか…。まあ、このときの姿が本体じゃなかったら私は発狂してたから、正気でいられるのはいいことなのかも。
謝憐は書き終えて筆を置く。厳しい声で「さあ、終わったよ。こっちに来て練習して」
花城はけだるげに動いて謝憐の後ろに座って抱きしめるために腰に腕を回し、肩に頭を預ける。赤珊瑚の玉飾りを外して紙の上に置く。それはころがっていき、謝憐がきちんと書くのをわざと妨害した。
茶目っ気たっぷりで、同時に自分の存在を主張する力強さがある。謝憐は天眼開が昼間に言っていたことを思い出す。彼の中から邪気が出てきていると。それは花城のおかげで、裏腹に心臓がゆっくりと高鳴る。
「ちゃんと書いて」「わかった。あなたの言うことを聞くよ、哥哥」
花城は筆を持ち上げて…って、どうして、文字の練習シーンでこんなにドキドキしなきゃいけないんだ…?墨香銅臭先生が鬼なんですか?
ともかく、筆を持ち上げて書き始めるが、二節書いただけでおいてしまう。救いようがない…と頭を横に振る謝憐。
曾经沧海难为水,除却巫山不是云。取次花丛懒回顾,半缘修道半缘君。
一緒に書いたことのある詩をかき上げて、台にもたれさせていた厄命が目を見開いて賞賛する。かわいいね。
「すごい。哥哥、早く名を入れて。この詩はきっと後世の人々を驚かせ、時代を超えて響き渡る」と花城も賞賛。すでに花城の名を入れていたけれども自分の名を入れるのはどうにもためらわれる。「哥哥、恥ずかしいの?手伝ってあげる」と花城は謝憐の手を取ると二文字、荒々しい字を書く。どうも、謝憐の名前のようだ…。
おかしくなって、謝憐はただ花城の胸に頭をもたれさせて、書いたものを見ます。そして、突然、あることに思い至る。この文字はどこかで見たことがある。
「三郎!君の腕!」と興奮して叫び、袖をまくり上げて花城の腕を見る。
かつての菩薺観に住んでいたとき、謝憐はそこで花城の腕に入れ墨があるのに気づいていました。それは異国の言葉が入っていると思っていたのですが、なんと、謝憐の名前だったのです!
そんなことある!?!?!?(ある)
え…?鬼になって?鬼王になって?一万体御神像彫って絵も描いて鬼市つくって統治して千灯観建てて骨灰渡して三千灯上げて…?腕に謝憐の文字を!?!?!?
はー、もう大の字。
こんなでっかい愛に包まれちゃ、幸せにならなきゃこの世に道理はない。
いや、もう笑うんやけど。幸せでおかしくなって笑っちゃう。君って本当にすごいやつだよ、花城!
「心配しないで。哥哥の字がきれいであれば、それでいい。自分の手書きより100万倍嬉しい」と花城。入れ墨に触れて、謝憐は、肌に深く沈んだ墨がどんなに痛かっただろうかと想いを馳せる。
「これは、君が小さな頃に?」謝憐は優しく尋ねます。
花城は微笑んで袖を降ろし、うなずきます。
それなら、この入れ墨は彼が自分自身で彫り入れたものなのです。謝憐の脳裏にある光景が浮かびます。小さな男の子が、自分の腕にこっそり憧れの人の名前を刻む。とても子どもっぽくて、でもとても勇敢です。
十の指の間に赤い糸が絡まっている。さらに、謝憐の脳裏に1年前の光景が浮かぶ。花城が銅炉山で蝶になったときのことです。
最後の瞬間、花城は音もなく誓った。聞き取れませんでしたが、謝憐は彼が言ったことを正確に理解していました。それは花城の幼い頃から、そしてその後も、死後も永遠に生き続ける言葉でした。
「私は永遠にあなたの熱烈な信者だ」
この後、がらくたの神様と鬼王の昔話が始まります。
これはとってもかわいいので、英語版でも原文でも、自分で読むのがいいと思います。
もちろん、最後はこの言葉で締めくくられます。
天官賜福、百無禁忌!