天才が描写する天才のこと

chicobami
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こんにちは、 chie です。

おすすめ本アドベントカレンダー13日目の記事です。

他の方のおすすめ本紹介記事を読みながら、声を上げながら物欲を捻り潰していました。

本屋さんにいきたい。


私は長年森博嗣氏の作品のファンです。

森博嗣作品の有名どころはS&Mシリーズスカイ・クロラシリーズかと思います。

特にS&Mシリーズの1作目「すべてがFになる」は、シリーズや作者のことを知らずとも名前だけはご存知の方も多いかもしれません。

私のおすすめしたい本はFになるから派生した、四季シリーズです。


四季シリーズは名前の通り、"四季"がテーマの4部作です。春, 夏, 秋, 冬とそれぞれ名のつく"四季"は、どこか懐かしくて新しい雰囲気が印象的なストーリィたちです。

森博嗣作品の様々なシリーズを跨いで見渡したとき、"四季"を感じることが時折あります。

また、「すべてがFになる」を読了された方にはかなり馴染み深いかもしれません。

ぜひ、四季シリーズを読んで欲しい。

そして他のシリーズを読んで、また四季に帰ってきて欲しい。


このシリーズは、天才:真賀田四季の幼少期から青年期、その先をおさめた4冊です。

私は森博嗣作品をスカイ・クロラシリーズから読み始めました。

スカイ・クロラは戦争がテーマの一つです。飛行機乗りとその周りの人たちの微細な描写が魅力的なシリーズです。

そして、2つめに手に取ったのが四季でした。

人生で初めて対峙した天才に、思わず呼吸を忘れたことを覚えています。

「四季 春」の真賀田四季に初めて会った時、彼女は私より年下でした。

「四季 夏」の彼女は私とほとんど同じくらいの年でしたが、すでに彼女は博士号を取得していました。

「四季 秋」「四季 冬」では、なんだかよくわからないけど、眺めることも叶わないところに行ってしまったな、と思わせられるほどに無色透明でした。

彼女がどれほどのキーパーソンであるかなんて知らずに、四季を読むためだけに図書館に通いながら、何周も読み返していました。(10代前半お金ないので)

そんなある日に、図書館で顔見知りのご婦人に「いつもその人読んでるね」と声をかけられました。「森博嗣って人の作品が好きで、」と説明しようとしたところ、「真賀田四季が大好きなんだね」と続けて言われたのでした。

無自覚の恋に気付かされた時のような気持ちになったことを鮮明に覚えています。


そんなこんな、10代前半に四季を何度も読み散らし、その後「本を読む時間がない」と、さも多忙な社会人ぶってそもそも読書から遠ざかっていました。

が、目が顕著に悪くなってきたとある2022年の暮れ。

クリスマスプレゼントに何が欲しいか尋ねられ、直感で「本」と答えました。

視力的体力的に読めなくなる前に、森博嗣作品を読破したい。でなければ後悔してしまう。

そんなタイミングから2年が経ちます。

しばらく本屋さんに行けていないこととプライベートばたばただったこともあり、S&Mシリーズの回収は途中で現在止まっているのですが、

この記事を書くにあたり、読書感想ストーリーズを見返したところ本屋さんに行きたい欲が湧いてきたのでまた進もうと思います。

久しぶりに真賀田四季に会うのもありですね。