引きこもっていた連休中、美術館に行く名目でなら遠出のやる気も出るしやってみようと思い立った。
調べるとテオ・ヤンセン展やってるじゃん。しかもこの連休で展示も終わるじゃん。
わたしは今年やりたいことリストに入れたのにも関わらず見逃した美術展があって、リストを開く度にどうやってももう叶えることができない項目と対峙していたわけで、今回は逃がすものかという思いで翌日発つことにした。
夜のうちにパンを焼き、朝サンドイッチにして淹れた飲み物も携えて出発する。
休憩の度に山の木と土の匂いを感じて、水気を含んだ冷たい風に吹かれて、しかし日差しはまだ強烈に肌を焼いてきて、秋の外出って…最高かも…と思った。秋、こんなに気持ちのいい空気に囲まれるなんて、もっともっと出かけたほうがいい!
そう思ってたのはわたしだけではなかったみたい。富山県美術館周辺、シルバーウィーク爆裂交通大渋滞が起こってて、駐車が全然できなかった。交通整備のおじさんにも怒鳴られた。イライラしすぎ。
こんな気分では見るものも影響されてしまうと予感してたけど、その通り不貞腐れモードで最初は回ってしまった。
テオ・ヤンセン展のポスターに使われているのは青っぽい空・海と白い砂浜・ビースト・その帆で、ビースト自体も風を受けて動く仕掛けなんだけど、実際に動かすデモンストレーションもやるよってあったから、わたしはてっきり…外の空気を吸いながら、風を受けて歩くビーストを見られると思っちゃってたんだな………勝手に期待して勝手に裏切られた気になって(ちゃんと2階会場内でやるって書いてあるし)、なんておもんない生き物なんですかわたしは。
ただ、細やかな部品が精密に連なる様子とそれらがひとつの無駄なく大きな体を運ぶ動きに作用していく様子は直接見ると感動があり、見事だった。展示品として借りてきている物だと思うし、させてもらえることやできることは限られているんだろうけど、「不思議な生き物」としての「生態」を知る博物館的な展示は面白かったし、からくりを眺めて体感する面白さにフォーカスしたと思えば、たくさん来ていた子どもたちが喜んでいる姿にその成果は表れていて、素敵だと思った。
あと環境問題を訴える部分のある作家が廃棄物とかでもないプラスチック製品を扱うことに、驚きがあるという自分の中の偏見を感じた。じゃあ木材だったら、竹材だったら環境に良いと言えるのかとか加工が容易かったかとか考えて、既にあらゆる素材や形を試した末のこのスタイルなんだろうなと思った。
富山に来たんだから薬に関する博物館とか行こうと思ってたけど、全然時間なかった。夕日の沈む散居村を眺めたいと思ってたので、日没をリミットに急いで移動していく。道中で白エビバーガーを食べる。足りません。「甘金丹」というお菓子も買って食べる。シンプルな素材感でありながら蒸しパン生地やカスタードの味が上品に合わさって美味しいです。
散居村展望台には結局日没後に着いてしまったけど、暗闇に沈むギリギリ前の風景を目視できたし、日が沈んでからも夜の海のように瞬く街の光が美しかった。散居村、なんか好きで富山に来るたびに必ず寄っているくらいなんだけど、今回もまだ飽きない。
山を降りてからはナビに真っ暗な道をジグザグに案内されて迷いながら帰りました。酷かったです。
心のささくれ立つ部分も多い旅だったけど、これも外に出たからこその生身の体験だったと思うとなかなか楽しかったし、また全力で思いつきを実行したいなと思いました。