
親知らずがいる、と分かったのはかなり昔の話である。ただその頃は他の歯に悪さをしている状態ではなかったこともあり、一旦様子見をしていた。それがいつの間にか、他の歯に悪戯をする存在になり、挙げ句の果てには顎の骨と仲良くなっていた。そういう風になって欲しかったわけじゃなかったんですよ、体の持ち主としては。
とはいえ、最初の頃はあまり親知らず抜歯には積極的ではなかった。だって怖いんだもん。本能的な怖さを覚えるのだ、抜歯ってやつは。なのに今回抜歯をしようと決心したのは、一重に通っている歯医者さんを信頼していたからだ。
実のところ、私は歯医者さんのことがちょっぴり苦手であった。今となっては詳細は分からないし、仕方なかったかもしれないが、歯医者はんはものすごく歯を削ってくる、というネガティヴな印象を抱いてしまって怯えていた。だから定期検診なんて長年行かなかったし、歯に違和感があってからはじめて歯医者さんに行く、を繰り返すという悪循環を繰り返していた。
それが一人暮らしを機に選んだ歯医者さんがなんかこう、いい感じだったのだ。ちゃんとこちらに寄り添っているな、とやっと分かったというか、この先生なら信用できるというか。この人が言うならやってみるか、って初めて思うことができた。
今までトゲトゲとしないと生きていけないと思っていたけれど、そればかりだとダメなこともあるよなあ、なんて考えている。更に言えば、心の底から真剣であればあるほど、人に響く言葉もある。親知らずひとつ、もとい、四本でここまで考えることになるとは思わなかったな。
何はともあれ親知らず痕の抜糸が近い。ラスト親知らずよ治療がやっとこさ終わるのだ。