ヌガーグラッセのことです。語感的に冷たいデザートの印象を抱かないせいで長らく勘違いをしていたやつ。
言葉の意味を知っていれば冷たいデザートとすぐに分かるもんなのにね。でも、にんじんのグラッセって冷たくないよ!と幼い私が主張しているのです。まったく、言い訳とは愚かな奴め。(絶対にこれ、にんじんのグラッセに引っ張られている、の訳。)
基本、カタカナのデザートのことをおしゃれなものだと思っている。そのためショートケーキやマドレーヌなどもおしゃれです。どう考えてもおしゃれだ。色々なお店で見かける庶民的なデザートではあるけれど、カタカナというだけでおしゃれだし、その佇まいは確実におしゃれだ。
つまりヌガーグラッセもおしゃれで間違いない。実際におしゃれでした、食べたやつ。なお、食べたのはバラのヌガーグラッセ。カモミールのジュレつき。この文字だけでおしゃれ。おしゃれを存分にこの身に取り込めるのはいいもんです。
バラの豊かな香りとキャラメリゼされたナッツ、そしてドライフルーツの相性がこんなにも良いとは。そしてこれらを包み込むふわっと滑らかな冷たい生地。口の中が豊かになる。こんなにも豊かでおしゃれなものを口にして、胃に取り込んでいいのかと不安になる。美味しいと幸せなのに、すこしだけソワソワするのはそういう気持ちがあるからか。
でも、美味しいものには全力で美味しいと思って向き合うのが一番だな、と余計な思考を吹き飛ばすのです。時期的にもバラっていいですよね。普段バラ味のものを食べないし、ヌガーグラッセもそこまで食べられない。おしゃれで少しばかり緊張していたのかもしれない。庶民的なやつなのでね。夢中になっていただきました。今回も美味しかったです。