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たけのこみそしる
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公開:2026/8/7

今まで培ってきた食体験の影響ってもんは大きい。なもんで、私は基本醤油味と鶏肉味の汁物に安堵を覚える側の人類であることを意識することがある。日常生活的にそれを思うのではない。ふとした瞬間にそれを思い知らされるというか、そうだったなとしみじみするのだ。

今回山形に行って思ったのだが、東北の味に舌が馴染む気がする。これは遠野に行った時も思ったのだが、旅先なのにどこかほっとするのだ。特に汁物を食べると。不思議なものだなと思う。私は山形にも遠野にもルーツはないのに、そこで食べたものに郷愁を覚えた。もしかしたら遠い昔のどこかで私はここに存在したのかもしれない。だなんてどうしようもないことすら考える。あまりにも勝手な考えだ。そんなことはないし、食べたものはただ美味しいのだ。

今回も余計なことを考えたが、美味しい玉こんにゃくに全てが消し飛んでいった。ずっと、現地でこれが食べたかったんだよなあ。喜びもひとしお。というか玉こんにゃく、スルメの出汁も染み込んでいたのか。作り方を改めて見てびっくりした。道理でお醤油の濃い味だけじゃない、味わい深い旨味がいると思ったら、正体はスルメだったのか。たかがこんにゃく、されどこんにゃく。ああ玉こんにゃくよ、なんと奥が深い。からし付きだと尚良い。

よく考えなくても、スルメはいうほど私の中で思い出の味ではない。だが、玉こんにゃくは水を使わずに醤油で炒めるという工程があるからか、醤油の方に引っ張られて落ち着く味、と脳味噌が認識する。本当に不思議なもんだ。

味わい深い玉こんにゃく。きっとそのうちまた出会うだろう。その時もまた、不思議な落ち着きを覚えるに違いないのだ。

@chihane19
つらつらと、日常や食べ物、猫のエッセイをば。肩の力を抜いて気楽に読めるものばかり。まったりいこうぜ。