今のおうちで一緒に暮らしているねこは二代目の子です。保護猫シェルターで出会って、お迎えをしたのが去年の夏頃だったな。かわいいやつですよ。最近甘えん坊なんです。
そうです、今の子は二代目。つまり、二代目を受け入れるまでは先代と暮らしていました。
今年は十五歳になるね、なんて話していた矢先に治らない病気になってしまった子。黒白のぶちに見えるのですが、実は足の内側に茶色の毛があるから三毛だった子。手のひらサイズの時に道の側溝に落ちていたのを保護されてからずっと一緒にいた子。拾われた時に鼻の模様を汚れと勘違いされてごしごしされた子。臆病なのに、人間に全幅の信頼を寄せていた子。病院でいつもいいこいいこと言われていた子。可愛い、かわいいねこでした。
ちょうど去年の今頃、先代の子は遠くに行ってしまいました。飼い主を置いていくなんて悪い子です。でも、たくさん頑張ったから少し早めにゆっくりするのもいい。まったく悪い子ではない。さいごまで頑張った良い子でした。
ねこ、たくさん頑張ったね。注射も、検査も、強制給餌も、嫌だったはずなのに全部ぜんぶがんばってくれた。もう頑張らなくていいよ、と言えない飼い主でごめんね。でももう少しだけ一緒にいたかったな。もう少し早くお医者さんに連れていけば発見が早かったのかなってずっとずっと後悔し続ける気がするよ。病気なんてしないで、さいごまでご飯をたくさん食べて、それで眠るようにって思ってたんだよなあ。こんな考えこそが究極の傲慢な気がする。ああそんなことよりもねこ、ねこ。たくさん頑張ったからさ、ゆっくりねんねしてくれ。
って書けるようになるまで時間がかかりました。いずれ生き物は死ぬと理解しているし、避けようがないことだと切り替えはできる方だと自認していましたが、ただ蓋をしていただけなのかもしれない。
先代のねこ。そっちでゆっくりしてますか。のんびりと過ごしてのんびりとごはんを食べてね。そしてたまーに、今おうちにいる弟ねこを見守ってあげてね。