おかわりもう一丁

たけのこみそしる
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公開:2025/11/13

中に入っている渋皮つきの栗は噛めばほろほろ崩れる。こしあんは甘すぎず、滑らかに優しく栗を抱きしめている。ちなみにこしあんでした。そして、そんな栗とあんこを包み込んでいるのはもちもちしっとりのお餅。この餅だけを延々と食べたい。でも、あんこと栗も一緒に食べたい。三位一体になってこそ完璧なのだ。それにさ、大福って飲み物なんだなって気づいてしまった。一瞬でなくなる。大事に大事に食べようと思ったのに、気づけば全部胃の中だ。

とても美味しい栗大福に出会った。出会ってしまった。

私はあと何回、物産展に足を運ぶのだろうか。デパートのみならず、スーパーや地元の広場での物産展だけではなく、コンビニの地域特化の商品を置いてある期間だって物産展みたいなもんだ。ここまで範囲を広げると足の指を使ってもカウントしきれない回数、私は物産展を楽しむに違いない。それに現時点で数えきれないくらい楽しんでいるのだ。旅行に行って現地で出会うのもいい。それと同じくらい、物産展で遠い地に思いを馳せて旅行欲を募らせるのも楽しいのだ。

それにしても、だ。栗大福が美味しかった。あまりの美味しさに、物産展の期間中に二度も買いに行ってしまった。ちなみに二度目に買いに行った際、私と同じようにおかわり栗大福をしている人が多くいることを知った。分かる、美味しいよね。見知らぬおかわりメンツに向けてエア共感をする。この美味しさは毎日味わいたいよね、分かるぞ。

通販で買えないまさに限定の味。ぜひとも石川にきてくださいね、とお店の方に言われて旅行欲が湧く。美味しい和菓子もだが海鮮もいい。おかわり大福を手に、カレンダーを開く私がいたのだった。

@chihane19
つらつらと、日常や食べ物、猫のエッセイ。肩の力を抜いて気楽に読めるものばかり。まったりいこうぜ。