置物で感じ取る四季

たけのこみそしる
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公開:2024/10/17

夏だと思ったら秋になっていた。あんなに暑くて溶けそうだったのに、気づけば過ごしやすい気温になっていて、嬉しいとは思いつつもいまだに困惑している。そうだ、私はいまだに夕方以降の肌寒さに違和感を覚えている。あれ、こんなんだったっけ、と窓から入ってくる涼しい風に「電気代が浮くの助かるわ」と考えている。違和感はいつの間にか消えているのに、翌日になるおしっかりそれは浮上してくる。なんとも不思議なことだ。

でもきっと、体がこの気温に馴染んだら違和感が消えていくんだろうなとも思う。冬から春に季節が移り替わる時もそう。こんなに暖かくていいのか、気温、とおどおどしてしまう。でも気づけばその暖かさに体が馴染み、あっという間に夏になる。

最近は季節の移ろいに対して喜びよりも驚きを覚えることが多くなっている。小さい頃はどうだったろう。明確に覚えているのは、夏が近づくと「プールの授業がはじまる!」とウキウキしていたことだ。昔はクーラーの効いた部屋でのんびりするよりも、プールに行ったり、ちょっとした木陰で汗をぬぐう方が好きだったな。秋になると、プールは来年までお預けかと切なくなるんだ。ああ、でも運動会やら学芸会が近づいてくるから、どきどきそわそわの対象が移り変わっていったんだ。

秋か。童心にかえって芋掘りをしたいな。もしくはススキの群生している場所で意識を遠くに飛ばしたい。本当にこんなに過ごしやすい気候でいいのか、とおどおどしながら、確実に前に進む季節を大人であっても楽しみたい。

@chihane19
つらつらと。