先日、新幹線に乗って遠出をしました。文字にするとただそれだけなのに、どうしてこんなにも心が躍るのだろう。
まず、新幹線という乗り物。これが楽しすぎる。改札がいつもよりごっついし、改札を抜けた先は遠くの空気が入り混じった不思議な雰囲気がしてソワソワする。それだけじゃない。乗っている電車もいつもより速いし、かっこいい。座席はいつも以上に豪華だし、一人ずつテーブルがある。しかもそのテーブルにはドリンクを置く窪みまであるんだぞ。こんなの楽しくなるに決まっているじゃないか。
ああ、二階建て新幹線。きみはどうして消えてしまったんだ。私は下のところに座るのがめちゃくちゃに好きだったのに。閑話休題。
そして、新幹線といえばずばり駅弁である。駅弁が食べたいから新幹線に乗るといっても過言ではない。最近、飛行機でも空弁ってのがあるらしいじゃないですか。あれもいいね。だが私は新幹線派なので、新幹線に乗りながら食べる駅弁を推したい。無論、異論は十二分に認める。そこらへんは好みですからね。
駅弁はいつも新幹線ホームで買うと決めている。効率という意味もあるけれど、新幹線ホームの慌ただしい音を聞きながら駅弁を選ぶのがどうにもこうにも好きなのです。あの独特の急かされる空気がたまらない。しかも、日常生活には一切関係のない焦りなのでそれがまたいい。
ある種の余裕すら覚える焦りで選ぶ駅弁はだいたいおにぎりの入っているお弁当です。卵焼きやら赤いウインナー、唐揚げあたりがだいたい入っている。今回は唐揚げではなく、鶏つくねでしたがオールオッケー。美味しければなんでもいい。
新幹線がホームから滑り出すように動き出したらいただきます。慌ただしさが嘘のように、新幹線車内はまったりとした空気に包まれていて、それに感化されるようにのんびりと駅弁を喰らう。まずはウインナーからいただく。そうして次はおにぎりをぱくり。三角食べは健康に良くないなんて話が不意に頭に浮かぶが知ったことではない。流れていく車窓の景色には目もくれず、愛おしむように駅弁を食べる。
私は、あの瞬間がとてもとても好きなのだ。
そうそう、帰りはかえりでまた違う心持ちなのですが、それはそのうち。