めたもるふぉーぜ

たけのこみそしる
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公開:2024/9/27

某国民的青猫ロボットの旧作映画の主題歌が好き。そこには「ぼくはいつ頃大人になるんだろう」っていうフレーズがある。曲調も相まって、私はそれがとても好き。

幼い頃、あの歌詞の意味が分からなかった。言葉としての理解はしていたが、そこに込められた感情に共感することはなく、ただ漠然と大人って大変そうだなんて思っていた。遠い遠い記憶。星空を見るたびに綺麗だなあと思って、夕焼け色に染まる街に胸を締め付けられる。ただ、目の前のことだけを楽しみ、感激し、はしゃいでいればよかった。そんな無垢な時はあっという間に過ぎ去り、気付けばあの歌詞に酷く共感する己がいた。私はいつ頃、大人になるんだろうね。

過去の自分を知っている人間と酒を飲み、語っているとどうしようもなくやるせなさを覚えてしまう。だってその時から少しも変化していないんだもの。いや、違うか。変化はしているとは思う。変化を多少は感じることができる。でもその変化は、無垢だったあの頃に信じていた「変化」ではない。年齢的には大人になった。正直、子どもらをみて「もうこんな時期を通り越したな」とも思う。でも私は、幼かった頃に思い描いた「大人」にはなれていない。

大人というゴールがあるのかないのかは分からない。世の中にいる私よりも年上のものを見てこんなもんだよなと思う瞬間も多い。いつまでもいつまでも、理想の「大人」を目指して歩いていく。いつ頃大人になれるかは分からないまま。

なんて、ね。ほろ苦いカラメルソースのプリンを食べて、私は大人を今日も気取るのだ。

@chihane19
つらつらと。