十月のお楽しみ

たけのこみそしる
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公開:2025/10/24

昨今の十月はかぼちゃに支配されているような気がする。この書き出し、覚えがある。多分きっと、去年もこんなことを書いたのだろう。それもそのはず、十月だったりかぼちゃを見るとどうしたってハロウィンを想起するのだ。

なに、スーパーもコンビニも、どこもかぼちゃが魔女の帽子をかぶったり、こうもりの羽をくっつけているオブジェやPOPが飾ってあるのだ。社会人は、よほどのことがないとハロウィンではしゃぐこともないが、かぼちゃ味の食べ物って聞くとうきうきしてしまう。かぼちゃってのは、甘くてもしょっぱくても美味しいからさ。

なんていいつつ、今年は親知らず抜歯の関係で出遅れた。好きなあんぱん屋さんのかぼちゃあんのパンも抜糸をしてから買ったのだ。今考えると、抜歯前に買うべきだったなとは思うが、がんばった記念ってことでね。あ、ちなみに毎度恒例のあんバターパンも買いました。なにせ十月はこちらもかぼちゃあんなのだ。

かぼちゃんのあんこは、かぶりつくとほくほくとしていてリッチな気持ちになる。栗やさつまいもとはまた違うんだよな。ほっくりほくほく。この言葉が似合うのがかぼちゃである。しかもほくほくしながらも、食べていくうちにどんどん滑らかな舌触りになっていく。一度に二度美味しいってやつだ。これがたまらなく贅沢でどんどん食べ進めてしまう。かぼちゃの魔力はここに健在している。

ここのかぼちゃあんぱんを食べるたびにしみじみ美味しいと思うんだ。そしてやがてやってくる西洋の祭りに想いを馳せる。きっと近所でちびっ子たちが楽しげに菓子をもらって回るだろう。晴れて過ごしやすい気候だといいね。そんなことを考えながら完食するのであった。

@chihane19
つらつらと、日常や食べ物、猫のエッセイ。肩の力を抜いて気楽に読めるものばかり。まったりいこうぜ。