ドラマ 「今夜すきやきだよ」
しばらく前のドラマ。アセクシャルのともこと、家事(とくに料理)が苦手なあいこがルームシェアをするお話。まず、ともこが作る料理を美味しそうに食べる2人がいい。
でもそれだけではない。恋愛至上主義ともいうような周囲の発言や行動にともこがもやもやすることがあったり、彼女に料理を作って欲しいという恋人からの言葉にあいこがもやもやすることがあったり。
そんな、"当たり前"なんてない、幸せのかたちは人それぞれだということをあらためて考えるシーンが印象的だ。ともこの友人のしんたや、あいこの恋人のゆきも交えながら、それぞれが悩みながらも、型にはまらず、自分たちに合う形の生き方を見つけていく姿を見ると、気づいたら涙していることも多かった。
当初は女性が料理を作ってくれるのは"当たり前"と思っていたゆきも、あいこの考えを聞き、たくさん話し合いながら、自分の価値観を更新していく。価値観を変えていくのはそう簡単なことではないはず。それでも相手を理解しようと努力し、相手を慮って行動や言動にうつせるようになっていくゆきの成長にも感動した。
最後はわたしにとっても、ひとつの理想形ともいえる終わり方だ。そんなに上手くは行かないのかもしれない。それでも、「こういう選択肢もある」と希望を持つことができ、見終わった後もあたたかい気持ちが残った。
どんな形であれ、穏やかに楽しく食事をとることができる相手がいるというのは、本当に貴重なことだと思う。そんな日常をあらためて大事にしたいと思った。