ゴールデンウィークの波が過ぎたタイミングで、2泊3日の一人旅を決行した。
場所は島根県隠岐の海士町。飛行機で米子空港まで行き、その後フェリーで3時間揺られながら爆睡し、昼過ぎごろに到着した。
20度ほどだと思っていた気温は25度もあり、暑いけれど気持ちいい晴れで、波も穏やかだった。
とりあえず腹ごしらえかと、到着した港から3分程度のお店「きくらげちゃかぽん」でランチをいただいた。お店に置かれている島紹介の本を読みながら待つ間、窓から入る風が心地よかった。
発酵食品が推しのお店らしく、塩麹のチキンは柔らかく、お味噌汁やおかずも優しい味でとても美味しかった。隣に座っていた女性が、わたしの分まで水を取ってくれたり、周りの話で島事情を少し知ったりと、いい時間を過ごした。
そこから観光案内所に向かい、自転車を借りようとしたら、スポーツバイクで、160センチ以下の人には貸せないと言われてしまい、150センチしかないわたしは泣く泣く諦めた。しょうがないから30分かけて、ひとまず今夜の宿に向けて歩いた。
長い道のりだったし、何名かわたしを自転車らしきもので追い越して行った気がして腑に落ちないところもあったが、ゆっくり向かうことで島の雰囲気をより感じられた気がするからよしとする。
宿に荷物を預け、併設の居酒屋での席をぎりぎりで勝ち取ったのを確認した後は、すぐ近くの隠岐神社へ。
後鳥羽天皇に由来のある神社らしく、詳しいことはよくわからないが、本殿に向かうまでの緑のトンネルがとにかく気持ちよかったのは覚えている。春の風とすぐ近くで聞こえるウグイスの声が、歩いて疲れた体を癒してくれた。
そこからさらに1時間ほどかけて、明屋海岸まだ歩いた。流石に長くて心が折れそうになったが、道がひらけて海が見えた時は、自転車の人の倍は感動できた気がする。
火山の噴火によりできたという地形は、自然の力を感じたし、綺麗でとにかく穏やかな海を見ながら、しばし時間を忘れて過ごした。
さすがにもう歩いて戻るのはしんどかったので、タクシーに来てもらって宿まで戻った。タクシーの運転手さんはわりと話好きで、道中に放牧された隠岐牛がいるのを教えてくれたり、岩牡蠣の春香という品種が海士町で取れるという話をしてくれたりと、とても親切で嬉しかった。
さて、宿に戻ってしばし放心し、本を読んだら文章を書いたり、明日の予定を考えながら時間を過ごして、18時半からはお楽しみの夕食である。
今回はコースではなく、居酒屋メニューを自由に頼めるスタイルで注文をした。刺身の盛り合わせ、牡蠣、さざえという海鮮メニューは外せない。おすすめしてもらったヒオウギ貝も初めて食べたが、しっかりめのホタテみたいなかんじで好きだった。
海鮮はとにかく新鮮であまくて油が乗っていて美味しかった。そのほか、揚げ出し豆腐やもろきゅうなど好き勝手に頼み、日本酒も2種選んで料理と共に楽しんだ。
カウンターにいた島留学から移住している歳が近そうな女性や、隣に座った還暦前後あたりのご夫婦との会話も楽しく、1人ご飯ながらもたくさん笑っていい時間だった。
よく食べ、風呂に入り、支度も終えた後に、すこし相方と電話しておしゃべりをする。背後にはカエルなのか虫なのかわからないが、何かしらの鳴き声がひっきりなしに聞こえる。そんなこんなで、怒涛の1日目は終了した。