よその子シチュボ③

血苺
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雛鳥や、母じゃよ。よく眠れたかえ?

まだ眠たいかの、それなら母が雛鳥と…、!泣いておるのか、どうしたんじゃ。…怖い夢を見た、左様か。

…我は人の子の『こわい』、多少解るつもりじゃき。深くは詮索せぬが大切な友がいなくなってしまうだとか、明日が来なかったらどうしよう、とかそういうことは母も考えたことが有るからの。

『夕鶴様が怖がりなのはわかる』?『この前の会合のほらぁげぇむでずっと悲鳴上げてたし』…!?ば、ばか!そういう話ではなかったはずじゃろ…!!、けふ、けふっ、叫びすぎて咳が…。

ああ、でも…ようやく笑うたの。お前様は、その顔が一番愛い。…ああ、さきの怖い夢の話をしてくれるんじゃな?

ふむ、ふむ……。大きい失敗をして、我に見限られる夢、ふむ…。お前様、我が雛鳥を自分から手放すと思うのかえ?『いつもの夕鶴様は確かに手放さない』『でもその夢では夕鶴様がいなくなった、怖かった』…、ふむ…。

あいわかった、今日の会合はおやすみじゃ!…なんで、じゃと?お前様の顔を鏡でよぉく見ることじゃな。会合はお休みにして、今日の母は雛鳥と一日一緒じゃ。

朝餉は何が良いかの、この前は魚を龍神様から戴いたからそれをお前様が好きな洋風仕立てにするのもいいかもしれぬな。…そうじゃな、昼までは我の羽根でどりぃむきゃっちゃー?でも作るかの。悪い夢を払い除けてくれる、お呪いの品らしいのじゃ。これで我の姿をしたあ奴の夢なぞ見なく―ああ、なんでもない。

母はお前様が笑っているのが好きじゃよ、我の愛しい雛鳥。

ああ、だから……

そう気安く手を出してくれるな、なり損ないが。

…ん?なんじゃ?なんでもないぞ〜、雛鳥。どりぃむきゃっちゃー用の宝玉も探しに行こうな、くふふ…。

@chiichigo
よその子の文をたまに書きます うちの子の文は結構書きます