歌おうぜいえーい

ちかま
·

 声は天が与えたもうた一点ものの楽器なのだそうだ──と高校の音楽の先生がおっしゃっておられたことを覚えている。いや、ここまで大仰な言葉は使っていなかったけど。でも、その楽器を嫌ったとて取り替えるわけにもいかないので、自分の「楽器」のことを好きになれないヒトにとっては結構負担になる言葉なのではないか?とか考えていた。先生だからもちろん「……だから大切にしてね」って言葉で〆ていた気がする。そこははっきりと覚えてはいない。

 そんな前振りをしつつ。自分は我が声のことは嫌っていないタイプである。よく通るし便利だな〜と思う。僕が呼び止めて振り返らなかったファミレス店員はいない、と豪語できるくらいには。あと同性の兄弟と声クッソ似てんな……と思うのが先行して好き嫌いとかになかなかたどりつかない。

 事実として、高校時代は僕が云々というより生徒全員比較的歌が上手かった。校歌三部合唱とかしてたし。というかみんな真面目に歌ってたというのが1番すごいんじゃないかと思う。

 そんな生徒全員の歌唱力を増強した先生だったので、外国語歌曲を歌ったり、普通に発声指導とか……とかく、遊びではない音楽の授業だった。いい思い出と共に、今でも使っている技術である。

 それを使って平日に有給使って行くのはカラオケである。単純に、金曜夜〜祝日休日は料金が高いので平日がチャンスだ。おひとり様万々歳。

 ドリンクバーのお茶などを舐めながらひたすらに歌う。というか歌の練習に行くというのが正しい。いや別にバンドやってるわけでも何かしら歌配信活動をしているわけではないけど。

 みたいな文章を書いてたら、インターネットの友人が「ちかまさん絶対ニコ生とかやってたと思ってた」と宣ったことを唐突に思い出した。思い出すだけで面白い。あの、やってません。やったことないです。曰く「はい〇〇さんこんばんは〜」などの挨拶の言い慣れてる感が異常だったらしい。でもみんなさ、人生で1回はラジオパーソナリティごっことかするでしょ?ねえ?

 一人カラオケの話に戻ろう。もちろん練習なので採点を入れて、同じ曲を何度も音外さないように気をつけて。「まあ自分……まあまあ歌が上手いかもしれんな〜その辺に歩いている人より……」と若干以上自惚れながらマイクを握る。

 歌うのは気持ちがいい。上手く歌えれば尚更。歌い方に気を付けるたびに、高校時代のあの広い、でもボロい音楽室を思い出す。

@chiiikama11
なんか適当な文章で頭がいっぱいになったときに書き出す場所 まあまあ自我でデザイアブルにいきたい