娘と熱

chiitan
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娘、初めての発熱。

夜中にミルクを欲して泣いた。

抱き上げてふと体と手の暖かさが気になった。

少し前から軽い咳は出ていたがまさか、と思い測ると

「38度3分」

思った通りだ。どうしようという戸惑いと、病院の予約の仕方を検索する落ち着いた自分がいて少し笑った。

その日はそのまま寝かしつけて、次の日の朝再び検温。

「38度6分」

そのまま予防接種を受けている病院にウェブ予約。

インフルエンザもコロナも陰性。しかし、発熱してから時間経過が少ないので座薬も貰い、その日は一日ぐったりした様子だったが何とかやり過ごした。翌日まで高熱が続けば再度来院して、検査が必要。とのこと。

次の日には熱も下がり、少ししんどそうにはしていたが病院に行くことなくすごした。頂いたお薬を飲み切るころには鼻も咳も落ち着き、大事になることなく初めてのお熱は幕を閉じた。

心配事も喜ばしい事もただの日常も、これから沢山の初めての経験を積んでいくことになるのだけれど。そのたんびにそわそわしてドキドキして何とも言えない感情に襲われるのだろうと思う。

母として成人し大人として、常にドンと構えて落ち着いた人間が理想ではあるが、なかなかそこまで辿り着くにはもっと長い年月が必要そうだと感じる。

自分が子供のころ。庭でこけて腕を折ったり、坂道を自転車でコケて顔の半分を擦り剥いたり、妹にけん玉で思い切り頭を殴られたり・・・自分だけじゃない。兄弟全員を合わせるとそれはもうたくさんの事件、事故が起きる度に冷静に対処していていた母も、内心は今の私と同じだったのかもしれない。と思うと、なかなかに面白いな、と思う。