私の弟は引きこもり体質である。学生時代に不登校化したまま、ついに24歳になった。簡単なアルバイトはしていたが、そのバイト先が無くなってからまた引きこもる生活を続けている。
そんな弟を持つ姉、つまり私は、やはり心配である。今は実家で生きていけるだろうけど、両親の死後はどうするのだろうか。
弟は私と性格が真逆なようで、MBTI診断によると私がENFP(ENFJ)であるのに対し、弟はISTJだった。ここまで真逆な人は見たことが無いし、それが実の弟なのだから不思議なものだ。彼に「世界はやりたいことに満ちている」みたいなことを言っても共感は得られない。彼は毎日のルーティンをこなしながら、ミニマムな生活を送りたいらしい。
人とのコミュニケーションで疲れてしまう彼にとって、就職活動はハードルが高い。だから働くとしても実家の近くでバイトして、そのまま社員登用されるロードマップの方がしっくりくる。本人もそろそろ働かなきゃいけないことに気付いているものの「バイトに応募する」という一歩になかなか着手できずにズルズルここまで来ている。
さて、姉としては心配しつつも「弟の人生だしな」と自身を納得させているし、そもそも、弟は働かなくても暮らしていけている。将来のことを勝手に予測して心配するのも、変な話だと思う。心配だけど。
なぜ、行動しないのだろう。もしかすると、月日を伸ばすごとに不安が大きくなってしまっているのかもしれない。人間は温もりのなかで物事を改善するのは難しいので、一番の解決策は実家を追い出すことだと思う。誰にも養ってもらえないという恐怖が「バイトの面接に行く」という恐怖を上回ることで、初めて行動になる。
多かれ少なかれ、自分の人生に当事者意識を持つのは怖い。でも、恐怖を乗り越えたら自由が待っている。姉は弟を応援しています。